木の棒

【北海道弁】え、これも方言なの!? 標準語かと思いきや方言だった北海道弁12選

みなさんは方言について意識することはありますか? 当たり前に使っていた言葉が、違う土地へ行って初めて方言だと気づいた経験がある方も多いのでは?

そこで今回は、北海道民が方言だと気づかずに使用していることが多い北海道弁を12個ご紹介します。標準語に近いものや、標準語とは意味が変わってしまうものなどさまざまですね!

1:なんも

「ありがとう」と言われたら「どういたしまして」と返し、「ごめんなさい」と言われたら「いいよ」と返しますよね。北海道弁にはどちらのシーンでも使える、便利な言葉があります。それが「なんも」です。

「なんも」は、「問題ない」という意味の「大丈夫」「いいよ」「ちっとも」という意味で使われる北海道弁です。

例文で活用の仕方を見ていきましょう!

「遅れちゃってごめんね」

「なんもなんも」

意味)大丈夫、気にしないで

「この前は送ってくれてありがとう」

「なんもだよ」

意味)いやいや、ちっともだよ

このように「なんも、なんも」と連続させたり、「なんもさ」「なんもだよ」と語尾をつけたりする言い方をよくします。

「なんも」は、相手からの気遣いに対して、やさしさで返す言葉です。コミュニケーションにもつながる言葉なので、北海道の人から聞いたときは前向きに受け取ってくださいね。

【もっと詳しく】「ありがとう」「ごめん」と言われたらどう返す?汎用性高めな北海道弁はこれ(2021年4月30日掲載)

2:ちょっきし

道産子なら、会計や割り勘のときに、「ちょっきしあるよ~」と声かけしたことがあるのではないでしょうか? 「ちょっきり」とも言います。

でも、実はこの「ちょっきし」、北海道の方言のようです。

ちょうど・きりがいい・過不足がない、といった意味があり、主に話し言葉で使われます。SNSなどで気軽に書くときにも用いられる言葉です。

標準語では「ぴったり」や「きっかり」といった言い方をします。

例文を見てみましょう!

「割り勘でひとり1,300円ちょっきしある?」

意味)割り勘で一人1,300円ぴったりある?

「今日でちょっきし一年だね」

意味)今日でちょうど一年だね

「ちょっきし」「ちょっきり」は、ぴったりと伝えたいときに、まさにぴったりな方言です。

【もっと詳しく】これが方言って本当!? ぴったりな方言「ちょっきし」【北海道弁講座】(2021年4月19日掲載)

3:てんをきる

道民はトランプや花札をするとき「てんきっといて」という言葉をよく使います。

「トランプや花札を混ぜる・きる」という意味の北海道弁です。「てんきる」「てんきって」などということもあります。

それでは使い方を見てみましょう!

「トランプ全然てんきれてないよ」

意味)トランプ全然きれてない(混ざってない)よ

「負けた人てんきって」

意味)負けた人がトランプきって(混ぜて)

わざわざ「トランプを混ぜて」と言わず「てんきって」だけで通じてしまう便利な言葉ですね!

【もっと詳しく】これ、なんて言う?トランプをするときに方言だと気づかずに使っている北海道弁(2021年3月7日掲載)

4:つっぺ

「鼻血が出たらつっぺしなさい」。道民の方なら誰もが言われたことがあるのでは。

「つっぺ」とは栓(物体の出入りを防ぐために使うもの)を指します。たとえば、鼻血が出た時に使うティッシュやビール瓶の栓、耳栓など。これらをつけることを「つっぺする」といいます。

使い方はこんな感じです。

「こぼれないように、ビンにつっぺして」

意味)こぼれないように、ビンに栓をして

「買い物行くときは、裏の戸につっぺしていってね」

意味)買い物行くときは、裏の戸につっかい棒かけていってね

“鼻血が出たらつっぺする”。このことを覚えておけば、いつでも「つっぺ」を使えるはず!

【もっと詳しく】【北海道弁講座】子どものころに叩き込まれた言葉、鼻血が出たらまず「つっぺ」(2021年2月16日掲載)

5:ちょす

「それ、ちょさないで~」

あなたはこう言われたらどうしますか? 意味を理解できないままあることをすると、怒られてしまうかも。道民の方ならもちろんわかりますよね。

答えは、“さわる”。「それ、さわらないで~」とお願いしていたんです。

使い方を見ていきましょう!

「この皿は、とても高価なので、勝手にちょさないこと」

意味)この皿は、とても高価なので、勝手にさわらないこと

「こら! 髪の毛をちょすな!」

意味)こら! 髪の毛をさわるな!

日常生活では「さわらないで」と伝える時に、使うことが多いですね。ぜひ「ちょさないで~」と言ってみてください!

【もっと詳しく】【北海道弁講座】わからないと怒られてしまうかも!? 使用頻度高めな方言「ちょす」(2021年2月6日掲載)

6:ばくる

カードゲームをするときによく使う言葉、「ばくる」。道民がよく使う言葉です。

「ばくる」の意味は、“交換する”。自分のものと相手のものを交換する時に使います!

そのため、「車のタイヤをばくる」「新しい電球にばくる」というように、部品を交換するというような意味では、めったに使用しません。

使い方の例を見てみましょう。

「私のカードとばくりっこしよう」

意味)私のカードと(あなたのカードを)交換しよう

「わたし野菜苦手だから、君のお肉とばくって~」

「しょうがないな~、ばくってあげる」

意味)わたし野菜苦手だから、君のお肉と交換して~

しょうがないな~。交換してあげる

「もしよかったら私と座席ばくらない?」

意味)もしよかったら私と(あなたの)座席交換しない?

交換すると言うよりも、「ばくる」と言ったほうが、短くて使いやすそうですね。

【もっと詳しく】【北海道弁クイズ】これって方言だったの?子ども時代によく使っていた「ばくる」(2021年1月17日掲載)

7:うるかす

道産子なら当たり前のように使っていて、方言であることに驚いてしまうかもしれません。とっても便利な表現です。

「うるかす」の意味は、“水につけておく”、“水を含ませる”。

具体的な使い方を例文で確認してみましょう!

「米うるかしといて」

意味)(炊く前に)米を水につけておいて

「食べ終わったらお茶碗うるかしといてよ」

意味)食べ終わったらお茶碗水につけといてよ

【もっと詳しく】【北海道弁講座】日常生活で大助かり!標準語でもいいくらい便利な「うるかす」(2021年1月11日掲載)

8:~さる

「~さる」とは、自分の小さなミスの結果何かが起きてしまったが、自然発生的であることを強調するための方言です。

どういうことかというと、例えばリモコンのボタンを間違えて押してしまったとき。「押しちゃった」だと「自分がやった」という責任が感じられますが、「押ささった」だと自然発生的に聞こえますよね。

他にも使える代表例をご紹介しましょう!

・書かさる

ペンを持ってぼんやりしていたら、シュッと1本線を書いてしまった。そんな時は「書かさっちゃった」と言いましょう。「書こうと思って書いたわけではない」という気持ちを弁解できます。

・撮らさる

連写してしまったときは「たくさん撮らさっちゃった」。見覚えのないピンボケ写真がカメラロールにあるときは「いつのまにか撮らさってたみたい」。使える表現ですね。

・送らさる

友達とのチャットのやり取りで、文章の途中で思わず送信してしまった。そんな時は心の中で「やば、送らさっちゃった」と一言。ちょっとした動作で起こる、ささいなミスに使えることが分かります。

あらゆる場面で使える「~さる」。日常のささいな動作ミスは、「~さる」を使っていい感じにごまかせます(笑)。

【もっと詳しく】これは標準語にしたほうが便利っしょ!使える北海道弁「~さる」(2021年1月6日掲載)

9:しゃっこい

雪合戦で雪玉を思いっきり食らった子どもはきっとこう叫んでいるはずです。

「うわあああ、しゃっこい!」 さあ、なんて言っているのでしょうか? “ひゃっこい”と発音する人もいるようです。

正解は、“(とても)冷たい”。

この言葉が使われる場面に遭遇すれば、理解できるかもしれませんね!

使い方を確認してみましょう。

「雪かけないでよ、しゃっこいから!」

意味)雪かけないでよ、冷たいから!

「今朝の水ひゃっこい!」

意味)今朝の水とっても冷たい!

このように水や雪に対して使うことが多いように感じますが、飲み物が冷たいことにも使います。

【もっと詳しく】【北海道弁クイズ】えっ、道産子しか知らない?奥深い方言の世界「しゃっこい」編(2020年12月26日掲載)

10:いずい

わかりやすいドンピシャ方言と言える、「いずい」。当たり前に使っているからこそ方言だと知ったときは驚いたものです。

「いずい」は、“都合が悪い”、“状態が良くない”といった意味なんです! 他にも何となく変だなとか、違和感がある時、モヤモヤした時などに使います。意味の広がりが大きいタイプの方言です。

例文を見ていきましょう。

「この日の午後は出張で札幌に行く予定だから、ちょっといずいんだ」

意味)この日の午後は出張で札幌に行く予定だから、ちょっと都合が悪いのです

「右足なんかいずくない? もっとこうしてごらん」

意味)右足なんか変な感じしない? もっとこうしてごらん

「目にゴミ入ったのかな……いずい」

意味)目にゴミ入ったのかな……違和感ある

「いずい」を連発して、他県民に「いずい」を肌で感じてもらってはいかがでしょうか?

【もっと詳しく】【北海道弁講座】道外の皆さんがわかったら脱帽です「いずい」ってどういう意味?(2020年12月14日掲載)

11:ごみを投げる

北海道でごみといえば……ごみを「投げる」が有名ですね! 筆者の周りでも、幼児からお年寄りまで違和感なく口にしています。

「投げる」と言っても、もちろんポイっと放り投げることではなく、捨てること。

例文を見ていきましょう!

ちょっとこのごみ投げといて〜

意味)ちょっとこのごみ捨てといて〜

テレビ番組やSNSなどを通して「投げるってどこに?」「初めて耳にして驚いた!」というエピソードが取り上げられることも多く、今では面白い方言として割とメジャーになりました。

【もっと詳しく】【わかったら道民】北海道独特の呼び名「ごみを捨てる場所」をなんて呼ぶ?(2020年12月11日掲載)

12:ぼっこ

唐突ですが問題です。この画像、一体なんでしょう?

答えは「ぼっこ」ですね。……え? 「これは“木の棒”じゃないのか」、ですか?

そのとおり。「ぼっこ」とは、北海道弁の一つで、“(比較的短めな)棒”という意味を持ちます。なので、“木の棒”なら「木のぼっこ」というような言い方をすることが多いです。

【もっと詳しく】方言だと気がつかず使いがち!北海道民が言う「ぼっこ」の意味とは(2021年5月8日掲載)

 

「標準語だと思っていたけど方言だった!」という言葉はありましたか? 会話中に「何か通じないぞ!?」と思ったら、それは北海道弁かもしれません!

※こちら記事は北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。

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