これは標準語にしたほうが便利っしょ!使える北海道弁「~さる」
「あ、間違えて押しちゃった!」「手が滑って書いちゃった!」そんなうっかり経験はありませんか? 今回はそんなシーンで幅広く使える北海道弁「~さる」の使い方を解説します。標準語にした方がいいのではと思うほど、カジュアルに使える便利な表現ですよ。
道民は使っている!便利な方言「~さる」
「~さる」とは、自分の小さなミスの結果何かが起きてしまったが、自然発生的であることを強調するための方言です。どういうことかというと、例えばリモコンのボタンを間違えて押してしまったとき。「押しちゃった」だと「自分がやった」という責任が感じられますが、「押ささった」だと自然発生的に聞こえますよね。
要するに道民がしれっと行う責任転嫁。少しずるがしこい表現です(笑)。
他にも使える代表例をご紹介
・書かさる
ペンを持ってぼんやりしていたら、シュっと1本線を書いてしまった。そんな時は「書かさっちゃった」と言いましょう。「書こうと思って書いたわけではない」という気持ちを弁解できます。
・撮らさる
連写してしまったときは「たくさん撮らさっちゃった」。見覚えのないピンボケ写真がカメラロールにあるときは「いつのまにか撮らさってたみたい」。使える表現ですね。
・送らさる
友達とのチャットのやり取りで、文章の途中で思わず送信してしまった。そんな時は心の中で「やば、送らさっちゃった」と一言。
ちょっとした動作で起こる、ささいなミスに使えることが分かります。
これは変だぞ?NGな例
便利な「~さる」ですが、どんな場面でも使える言葉ではありません。例えばこんな表現をすると、道民からは「ん?」と不思議に思われてしまいます。
・食べらさる、飲まさる
美味しい食事で箸が進むという意味の「食べらさる」、おつまみが美味しいからお酒がどんどん「飲まさる」。広告などの宣伝文句ではたまーにありますが、普段はあまり使わないかもしれません……。
・思わさる、考えさる
思う、考えるというのは自分の意思でしかできないこと。自然発生的とは言いがたいので、「色々思っちゃうよね」「考えさせられるね」と普通の表現を使います。
・落とささる、割らさる、踏まさる
自分の動作で何か相手に迷惑や危害を加えてしまった場合。確かに意図して行ったわけではありませんが……、こういう時は「落としてしまった」「踏んでしまった」と素直に謝りましょう。
このように、自分の意思で行う動作や、周りに迷惑をかけた場合には使わないほうがよさそうです。
とはいえ、あらゆる場面で使える「~さる」。日常のささいな動作ミスは、「~さる」を使っていい感じにごまかせます(笑)。道外の方々も、友達や家族との会話で使ってみたらなんだか楽しいかも。面白いと思ったらぜひシェアしてみてください!
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