難読漢字25問

初級編から難問まで!北海道の難読地名クイズ【全25問】

北海道の地名は読み方が独特で難解。とくに道外の人にとってはかなり難易度が高いのではないでしょうか。その難解さの理由は、アイヌ語由来の地名が多いから。もしかしたら、道民でも馴染みのないエリアは読めない地名があるかも。

そこで今回は、北海道の難読地名クイズを初級編と難問編に分けて出題! あなたはいくつ読める?

初級編16問

まずは比較的簡単なものから。

Q1:留寿都(後志管内)

A:るすつ

カタカナ表記の方がお馴染みかもしれないですね!

Q2:真狩(後志管内)

A:まっかり

これでいいんです。

Q3:占冠(上川管内)

A:しむかっぷ

“かっぷ”がヒントのつもりでした。

Q4:新冠(日高管内)

A:にいかっぷ

占冠と同じ“かっぷ”がありましたね!

Q5:喜茂別(後志管内)

A:きもべつ

言われればたしかに。

Q6:積丹(後志管内)

A:しゃこたん

声に出してみたくなる響きです。

Q7:倶知安(後志管内)

A:くっちゃん

当て字感がひしひしと伝わってきます。

Q8:由仁(空知管内)

A:ゆに

アイヌ語の「ユウンニ」(温泉があるところの意味)がなまったものだそうですよ!

Q9:歌志内(空知管内)

A:うたしない

カシナイとかカシウチとかありそうですが……。

Q10:美唄(空知管内)

A:びばい

美しい唄の美唄。素敵な名前ですね。

【参考】道産子なら読めるっしょ!お手並み拝見「札幌近郊難読(?)地名クイズ」(2020年11月10日掲載)

Q11:興部(オホーツク管内)

A:おこっぺ

北海道らしいというか、アイヌ語らしい響きですね。由来が町のホームページにありました。

町名の“おこっぺ”はアイヌ語”オウコッペ”より転訛したもので、“川尻の合流しているところ”の意であり当時は、興部川、藻興部川が合流しオホーツク海に注いでいたところから、このように呼んでいたとされています。

参考:北海道興部町ホームページ

【参考】【地名クイズ】道産子なら読めるっしょ!酪農と漁業の町「興部町」(2020年11月19日掲載)

Q12:標茶(釧路管内)

A:しべちゃ

標茶(しべちゃ)はアイヌ語の「シペッチャ」という発音がなまったものです。「大きな川のほとり」を意味しており、語源のとおり町の中心に母なる川「釧路川」をはじめ、別寒辺牛川、西別川の三大河川により産業と開拓の歴史が刻まれています。

引用:北海道標茶町ホームページ

アイヌ語の発音がなまって今の地名になっているケースは多いですが、標茶町もその1つ。

【参考】【難読地名クイズ】道産子なら読めるっしょ!大自然に溶け込める町「標茶町」(2020年11月27日掲載)

Q13:増毛(留萌管内)

A:ましけ

音読みしたらダメです。”増毛”だけで検索すると、残念ながら髪にまつわる広告がずらりと並びます。増毛町の情報を知りたいときは、”町”をつけてくださいね。

”増毛”の由来は町のホームページには次のように書いてありました。

増毛町の町名の由来は、鰊(ニシン)が群来(くき)ると海一面にかもめが飛ぶことから、アイヌ語で「かもめの多いところ」という意味の「マシュキニ」又は「マシュケ」が転じたものであるといわれています。

引用:北海道増毛町ホームページ

きっとアイヌの人々はニシンではなく、かもめに着眼したんですね。

【参考】【難読地名クイズ】道産子なら読めるっしょ!歴史を刻んだ道北の古都「増毛町」(2020年12月2日掲載)

Q14:弟子屈(釧路管内)

A:てしかが

町名の由来はこちら。

町名弟子屈(てしかが)の「テシカ」とはアイヌ語で「岩磐」、「ガ」は「上」という意味です。

引用:北海道弟子屈町ホームページ

【参考】【北海道地名クイズ】あなたは読めますか?神秘的な景色が広がる「弟子屈町」(2020年12月5日掲載)

Q15:音威子府(上川管内)

A:おといねっぷ

なんだかかわいい”音威子府”という名前の由来、気になりますよね? ホームページを覗くと、次のようにありました。

アイヌ語で濁りたる泥川、漂木の堆積する川口、または切れ曲がる川尻の意。

引用:北海道音威子府村ホームページ

この名前が選ばれたということは、それだけこの地域の人々にとって川の存在が大きかったということを示しているのかもしれませんね!

【参考】【北海道地名クイズ】あなたは読めますか?森と匠のむら「音威子府村」(2020年12月7日掲載)

Q16:留辺蘂(オホーツク管内)

A:るべしべ

読み方からして、アイヌ語由来であることはわかりますがどんな由来があるのでしょうか。

留辺蘂は、アイヌ語の「ルペシュペ」からでたものです。アイヌ語では、道のことを「ルー」越える道を「ルペシュペ」と称し、本町の場合は佐呂間別川へ越す道の意味

引用:北海道北見市ホームページ

実際に暮らすうえで役立つ情報を表す言葉だったということでしょうか? アイヌ語はどれもステキな響きですよね!

【参考】【北海道地名クイズ】読めたらスゴイ!広~い北見のユートピア「留辺蘂」(2020年12月20日掲載)

難問編9問

ここからは字名も入り、難易度があがりますよ。

Q17:老者舞(釧路管内)

A:おしゃまっぷ

なんとも読みにくい“老者舞”。釧路町のホームページを見てみると以下のような記載がありました。

オシャマップをアイヌ語で解釈すると、オ(川尻)サマッキ(横たわっている)プ(倉“のような形”)となり、シュマ(岩)マップ(倉のような山)を意味し、表記の解釈となった。川口の岩は、大黒岩と呼ばれ、厚岸湾の大黒島に似ているところから名付けられた。

引用:釧路町観光博物館

【参考】【北海道難読地名クイズ】もう読ませる気ないっしょ!牡蠣が有名「老者舞」(2020年12月23日掲載)

Q18:雄信内(留萌管内、宗谷管内)

A:おのぶない(留萌管内)、おのっぷない(宗谷管内にある駅名)

管内や町こそ異なりますが、実は天塩川をはさんで両地域は隣接しているのです。それなのに、微妙に違っています。ちなみに雄信内駅は秘境駅として知られています。

おのっぷないの方がアイヌ語からそのままという感じがしますが、雄信内の由来はどのようなものなのでしょうか? 北海道のホームページにあるアイヌ語地名リストを見てみましょう(※)。

カナ表記では、オヌㇷ゚ウンナイまたはオヌプンナイと表記し、ローマ字表記ではo-nup-un-nayと表記します。

アイヌ語の意味は、川尻に原野のある川だそうです。

以下、解釈及び由来です。

〈旧図を見るとヲヌフナイであり、当時はウンを省いた形でo-nup-nayと呼んでいたのであろう。〉

引用:北海道環境生活部アイヌ政策推進局アイヌ政策課 アイヌ語地名リストp31

※一部表を基に文章化

川尻に原野のある川とはずいぶん婉曲的な表現と感じてしまいますが、数多くの川に対して特徴をつけるのであればこれくらい必要だったのかもしれませんね!

Q19:男能富(留萌管内)

A:だんのっぷ

響きが某タイヤ会社のそれなんですよね! 男能富がすごいのは、地名の由来を探ったのですが、これといったことはどうやらわかっていないようだということです。

【参考】【北海道難読地名クイズ】俺たちを読んでみろ!道北の難読地名「雄信内&男能富」(2021年1月7日掲載)

Q20:一已(空知管内)

A:いちやん

“已む”は“やむ”と読むので、“む”が“ん”に変わったと考えればそんなに難しくないのかもしれません。場合によっては“いっちゃん”と読むことも。

深川市のホームページを確認すると、由来が説明されていました。

イチヤンはアイヌ語で「鮭の産卵場」という意味

引用:北海道深川市 深川のアイヌ語地名 関連書類「一已・入志別詳細」

【参考】【北海道難読地名クイズ】パッと見簡単?読めそうで読めない「一已」は桜とカタクリの名所(2021年2月3日掲載)

Q21:入境学(釧路管内)

A:にこまない

北海道の地名は難読度が高いことで有名ですが、これはもう読める読めないの次元じゃないですね。

釧路町観光ミュージアムによると、

この地名には二つの説があり、蝦夷語地名解では、ニオッケ・オマ・ナイ(桶・小川に桶あるを見て)名づくとあり、アイヌ語地名解では、(昔、桶が流れついたところから名付けた)とあるが、アイヌ語辞典から考えると、ニ(より木・流木)コ(…に向って)オ(川尻)マ(泳ぐ)ナイ(川)と解釈すると表記のようになる。

引用:釧路町観光ミュージアム

アイヌ語地名解から考えると“流木の集まる川”という意味だそうです。

【参考】【北海道難読地名クイズ】初見で読めたら天才!釧路町の難読地名「入境学」(2021年2月5日掲載)

Q22:遊楽部(渡島管内)

A:ゆうらっぷ

鹿部町や興部町につられて“べ”や“ぺ”と読んでしまった人もいるかもしれません。訓子府町や音威子府村、比布町のほうが仲間だったかもしれませんね!

遊楽部の名前が今でも使われているものとして遊楽部川があります。今回は川沿いの看板にある説明から借用します。

ユー・ラㇷ゚(yu-rap)温泉が下る川という意味

参考:株式会社エコニコス

この地域には温泉も多く、昔から川の中に天然温泉を楽しめる場所があったのかもしれませんね!

【参考】ゆうらくぶ、じゃないですよ!酪農の町・八雲に残る「遊楽部」【北海道難読地名クイズ】(2021年2月17日掲載)

Q23:忍路(後志管内)

A:おしょろ

“忍路”もアイヌ語が由来となっています。

アイヌ語で湾、「尻のような窪み」を意味するオショロ・コッが、その由来。港町であることをうかがわせます。

【参考】【北海道難読地名クイズ】小樽市民しか読めない?お忍びで訪れたい漁村の風貌「忍路」(2021年2月23日掲載)

Q24:生振(石狩管内)

A:おやふる

生を“おや”と読ませるとは……。この漢字を用いた理由はあるのでしょうか? 気になりますね。

石狩の自然、歴史、文化などについて解説している『石狩ファイル』に“生振の歴史”という項がありました。以下に引用します。

生振(オヤフル)の地名はアイヌ語に由来しますが、更科源蔵の解釈によれば、旧石狩川に沿って東西に伸びていた丘を指す「川尻の丘」という意味だそうです。

引用:石狩ファイル「生振の歴史」

四方を川に囲まれたこの土地ならではの名前ということですね。……それにしても、この漢字が使われた理由が気になります(笑)

【参考】【読めそうで読めない地名クイズ】あなたは生を何と読む?氷上ワカサギ釣りができる「生振」(2021年2月24日掲載)

Q25:焼尻島(留萌管内)

A:やぎしりとう

尻島ではブランド羊の放牧が盛んに行われており、一流料理店に卸される高級食材として有名です。

名前にはヤギが入っているのに島にいるのはヒツジ。なんとも紛らわしい!

インパクト大な名前はアイヌ語で「エハンケ・シリ」(近い島)、「ヤンケ・シリ」(水揚げする島)に由来するそう。

【参考】【北海道難読地名クイズ】道民なら読めて当然?大自然とヒツジの島「焼尻島」(2021年3月8日掲載)

 

北海道の難解地名クイズ、独特な読み方には歴史が詰まっているんですね。地名を通じて北海道の歴史や文化を知るのも面白いですよね!

【画像】barks / PIXTA(ピクスタ)