かつて北の灘と呼ばれた旭川!今なお伝統を受け継ぐ創業120年以上の「高砂酒造」
現在、旭川市にある日本酒の酒蔵は「高砂酒造」*、「男山」、「大雪乃蔵」の3つとなりましたが、大正時代には16軒もの酒造場があり“北の灘”と呼ばれるほど酒造りがさかんでした。
ちなみに“灘”とは、江戸時代から日本酒の名産地として名高い兵庫県灘地方のことです。
その旭川で4番目、明治32(1899)年に創業した「小檜山酒造」を前身とするのが「高砂酒造」で、120年以上もの歴史を誇る旭川を代表する老舗の酒蔵です。
高砂酒造の歴史を刻む「明治酒蔵」
創業から10年後の明治42(1909)年に酒造場と蔵元の住居を兼ねて建てられた「明治酒蔵」は、現在資料館と直売店になっています。
直売店には、『国士無双』や『旭神威』、『黒松高砂』といった「高砂酒造」が造る銘柄の日本酒のほかに、酒粕を使ったアイスクリームやソフトクリーム、羊羹などのスイーツ、『国士無双』のロゴマークが入ったお猪口や前掛けといったオリジナルグッズなど、ここでしか買えない商品もたくさん並び、道内外からたくさんの観光客や日本酒ファンが訪れます。
『旭神威』の酒粕を、オホーツクの興部町にある自然派牧場「ノースプレインファーム」のミックスに練り込んだ『酒粕ソフトクリーム』は、さっぱりとした味わいの中に酒粕のコクや風味を感じさせる夏だけの限定スイーツです。
蔵元でしか買えない限定酒
「高砂酒造」の代表名柄といえば、昭和50(1975)年に発売された『国士無双』です。すっきりとした端麗な味わいで、日本酒の辛口ブームに火をつけたといわれています。
平成9(1997)年には、全国酒類品評会で金賞を受賞しています。
現在、『国士無双』は大吟醸酒や純米酒など10数種類が展開されていますが、なかには季節限定のお酒や、「明治酒蔵」でしか買えない生酒などの蔵元限定酒もあります。
いちごやりんご、ぶどうの果汁をブレンドしたリキュールが人気!
「高砂酒造」では、『国士無双』をベースにした『国士無双 梅酒』もあり、フルーティーな味わいで男女問わず人気となっています。
また、昨年11月には、日本酒ベースの梅酒に北海道産の果汁をブレンドしたリキュールも新たに発売されました。
『蝦夷蔵 梅酒 LAB.(苺)』は、浦河町「うらかわ菅農園」の数品種のいちご果汁を、日本酒ベースの梅酒にブレンド。『蝦夷蔵 梅酒 LAB.(林檎)』は、余市町「北王よいち」の『あかね』という品種のりんご果汁を、『蝦夷蔵 梅酒 LAB.(葡萄)』は、富良野市「ぶどう果樹研究所」のぶどう数種類の果汁を使用しています。どれも果実それぞれの香りと酸味が日本酒ベースの梅酒にマッチ。新しい日本酒の楽しみ方に出会えそうです。
北海道ならではのお酒を造りつづける「高砂酒造」さん。伝統を大切にしながらも新たな試みがつまったラインナップが魅力です。気になった方はぜひチェックしてみてください!
<施設情報>
■施設名:高砂酒造株式会社、明治酒蔵(直売店)
■住所:北海道旭川市宮下通17丁目右1号
■電話番号:0166-22-7480(直売店直通)
■営業時間:9時~17時30分
■定休日:年末年始
■ホームページ:https://takasagoshuzo.com/
*「高砂酒造」の「高」は旧漢字