外国樹種見本林 入口

三浦綾子の小説「氷点」の舞台!旭川市民の憩いの場「外国樹種見本林」

これまで何度も映画やテレビドラマ化された故三浦綾子さんの代表作『氷点』。

その舞台となったのが、JR旭川駅から車で10分ほどの場所に位置する「外国樹種見本林(がいこくじゅしゅみほんりん)」です。

外国樹種見本林とは

「外国樹種見本林」は、「道の駅あさひかわ」からは車で4分と好アクセス。旭川の中心部に近くにありますが、静かで豊かな自然あふれる場所です。

「外国樹種見本林」は、外国の樹種が北海道で育つかを観察するために、試験的に樹木を植えた国有林です。

明治31(1898)年に、ストローブマツ、ヨーロッパカラマツ、ヨーロッパアカマツの苗木を植えたのが始まりで、現在は18ヘクタールの敷地の中に52種、約6,000本の樹々が茂っています。「外国樹種見本林」の近くには美瑛川が流れ、見本林の中ではエゾリスや野鳥なども観察できるため、旭川市民の森林浴や散策コースとして親しまれています。

三浦綾子さんが、この見本林を初めて訪れたのは、旭川営林署に勤務していた三浦光世氏と結婚して2年目のこと。その時の印象が強烈だったため、小説のあらすじが決まると、ここを舞台にすることに決めたそうです。

小説『氷点』では、この見本林の松林のすぐ傍らに、主人公・陽子の家である辻口病院長邸がひっそりと建っていました。

この家で成長した陽子は、見本林の中のストローブマツの切り株に座ってエミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』を読んでいて、後に恋人となる北原邦雄と出会ったのです。

三浦綾子記念文学館

「外国樹種見本林」の入り口には、『三浦綾子記念文学館』があります。

『三浦綾子記念文学館』は、明治政府が外国樹種の苗木を初めて植えた明治31年(1898)年のちょうど100年後の平成10(1998)年に建てられました。

館内には、三浦綾子さんの書斎が再現されています。直筆の原稿や資料、遺品などが多数展示されており、全国から三浦綾子ファンが訪れます。

記念館にはカフェも併設されています。『氷点オリジナルブレンド』のコーヒーや、旭川の地ビール醸造所「大雪地ビール館」の『氷点ビール』、大正13(1924)年創業の老舗和菓子店「一久大福堂」の餡を使ったお汁粉などが味わえますよ。

 

まだ、三浦綾子さんの『氷点』を読んだことがない人も、ぜひ訪れて小説の舞台となった場所を散策してみてはいかがでしょうか。

<施設情報>

■施設名:外国樹種見本林
■住所:北海道旭川市神楽7条8丁目
■アクセス:JR旭川駅から車で約10分、旭川空港から約35分
※三浦綾子記念文学館は2021年6月30日まで臨時休館しております(2021年6月4日現在)

【参考】北海道森林管理局三浦綾子記念文学館公式サイト内「案内人ブログ」三浦綾子記念文学館公式サイト外国樹種見本林 / 旭川観光コンベンション協会

*2021/6/8…記事内容に一部誤りがありました。加筆・修正いたしました。