この状態、なんて言う?方言だと気づかずに使いがちな「北海道弁」3つ
北海道にはさまざまな方言がありますが、そのなかでも特に日常でよく使われる定番のものをご紹介します。
道産子にとってはあまりにもなじみ深い言葉なので、標準語を使っていてもたまに出てきちゃうなんてことも!?
1:なくてもいいけど、使っちゃう「わや」
何かしらの“ヤバい”状況に出くわした時に使う言葉“わや”。知っていると便利な言葉です。
標準語に直すと、滅茶苦茶、手を付けられない、という意味。
この”わや”ですが、起源は関西にあるそうです。かなり歴史のある言葉で、北前船のルートに乗って北海道にやってきたと考えられているそう。なので、大阪をはじめ他の地域でも使われていますよ。
使い方は簡単。
「今年の12月の雪はわやだわ」
意味)「今年の12月の雪は手が付けられないわ」
「ワインこぼしたと思ったら、グラス落としてさ、もうわや!」
意味)「ワインをこぼしたと思ったら、グラスも落として、もう滅茶苦茶!」
例文では取り上げませんでしたが、最近では必ずしもマイナスな場面だけで使うというわけではないようですよ。
【参考】【北海道弁クイズ】これって方言だったの?一度使うとやめられない「わや」(2021年1月1日掲載)2:あの防寒具は「はく」もの
北海道の冬場は、至るところで“手袋をはく”という言葉が飛び交います。特に学校や幼稚園・保育園など雪遊びをするような場所では、先生方の「手袋はきましたか〜」なんて大きな声が聞こえてくることも日常茶飯事です。
さらに1年のうちの半分近くが寒い北海道においては、定番のフレーズすぎてもはや自分の心の中でつぶやくこともしばしば。
「しまった、手袋はいてくればよかった。」
意味)「しまった、手袋をつけてくればよかった。」
手袋はいているのに手が凍れる!
意味)「手袋をつけているのに手が冷える!」
口にしてみると、結構しっくりくる表現、“手袋をはく”。
ルーツは諸説あるものの、国内で手袋生産のシェアの大部分を占める香川県東かがわ市の歴史を追ってみると、元は手袋ではなく“手靴”として製造されていたことがわかります。“手にはく靴”だったことを考えると、自然に“はく”という表現になったことにも頷けますね。
【参考】北海道民は手袋をはめずに「はく」!手袋の発祥に理由が…【北海道弁講座】(2021年2月11日掲載)3:モヤモヤしたときに使う「いずい」
何となく変だなとか、違和感がある時、モヤモヤした時などに使う“いずい”。
標準語に直すとしたら、都合が悪い、状態が良くない、となります。意味の広がりが大きいタイプの方言です。
使い方はこんな感じ。
「この日の午後は出張で札幌に行く予定だから、ちょっといずいんだ」
意味)「この日の午後は出張で札幌に行く予定だから、ちょっと都合が悪いのです」
「目にゴミ入ったのかな……いずい」
意味)「目にゴミ入ったのかな……違和感ある」
幅広い意味を含んでいるので、使いやすい3文字ですね。
【参考】【北海道弁講座】道外の皆さんがわかったら脱帽です「いずい」ってどういう意味?(2020年12月14日掲載)
方言だと意識せずに使いがちな北海道弁をご紹介しました。
あなたが方言だと聞いてびっくりした言葉はありますか?
※こちら記事は北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。
【画像】mits、Santiaga、マハロ / PIXTA(ピクスタ)