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【北海道の方言】北海道民が教える北海道弁一覧【標準語変換・例文】中編

方言は実に奥が深い世界。同じ言葉でも地域によって違う意味を持っていたり、その土地以外ではまったく使われない言葉があったり。方言の地域差は、知れば知るほど新しい発見があります。

北海道もいわずと知れた方言大国! 北海道特有の言葉も多く、北海道で生活をするときは知らないと困る必須の方言も。

そこで今回は、前回につづき道民ライターがさまざまな北海道弁をご紹介します! もっと知りたい方は前編後編もチェックしてくださいね。

北海道弁27:ナンバン

【標準語】唐辛子

北海道民のなかには、唐辛子を「ナンバン」と呼ぶ人がいます。一味唐辛子や七味唐辛子など唐辛子を使った香辛料も同じように「ナンバン」と呼ばれます。

北海道だけでなく、東北地方や新潟県、岐阜県などでも同じように「ナンバン」といっているようです。

<例文>

「ナンバン取って」
意味)七味唐辛子取って

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北海道弁28:ぶす色

【標準語】内出血した皮膚の色(紫黒色)

「ぶす色」とは内出血してあざになっている皮膚の色のこと。体をぶつけて痛い思いをしたときに見る、黒っぽいような青っぽいような紫色の状態を指します。

<例文>

「腕をぶつけてぶす色になっちゃった」
意味)腕をぶつけて内出血してあざができちゃった

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北海道弁29:かっちゃく

【標準語】引っかく、かきむしる

北海道弁「かっちゃく」の意味は引っかく、かきむしるです。イメージとしては、爪を立てて引っかく図を想像するとわかりやすいと思います。ネコが爪を立てて引っかくことも「かっちゃく」と表現します。

ほかにも宮城県などで使われているようです。

<例文>

「○○くんにかっちゃかれた~!」
意味)○○くんに引っかかれた~!

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北海道弁30:番茶

【標準語】ほうじ茶

本州で「番茶」として飲まれているのは緑茶ですが、北海道民にとって「番茶」はほうじ茶のこと。

北海道だけではなく、東北や北陸でも「番茶」はほうじ茶を指すようです。北海道や東北では、ほかの地域と比べてほうじ茶を飲む割合が多いというデータもあるそう。

<例文>

「この番茶おいしいね」
意味)このほうじ茶おいしいね

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北海道弁31:青たん

【標準語】あざ、青あざ

「青たん」は北海道の方言であざや青あざを意味します。転んで内出血ができているときなどによく「青たんになってる」という方言を使います。

ただ「あざ」という言葉も使われているので、生まれつきあるものは「あざ」、打撲やケガなど後からできるものは「青たん」と使い分けることが多いでしょう。

<例文>

「転んで、ここ青たんになっちゃった」
意味)転んで、ここ青あざになっちゃった

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北海道弁32:キンキ

【標準語】キチジ・めんめ

「キンキ」は、北海道特産の高級魚キチジのことを指します。道東地域などでは「めんめ」とも呼ばれます。

真っ赤なドレスに優美なヒレ、まるで深海のプリンセスとでも呼びたくなるようなお魚です。

北海道は国内漁獲量シェア50%(令和2年度)を誇っており、網走市の『釣きんき』はブランドキンキとして有名で、1匹数万円で取引されるものもあるほど!キンキはカサゴの仲間なので、カサゴ類の特徴である絢爛なヒレを持っておりとても華やかな見た目です。

<例文>

「今日の夕飯は、キンキだ! 豪華だね」
意味)今日の夕飯は、キチジだ! 豪華だね

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北海道弁33:おだつ

【標準語】ふざける、調子に乗る

北海道弁の「おだつ」は、ふざける、ふざけて騒ぐ、調子に乗る、いい気になってはしゃぐという意味。

注意されたり、しかられたりするときに道民がよく耳にする方言です。

岩手県や宮城県でも「おだつ」が同じ意味で使われています。

<例文>

「あんまりおだつなや」
意味)あんまり騒がないでよ

「おだつんでない!」
意味)ふざけないで! 騒がないで!

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北海道弁34:なまら

【標準語】すごく、とても(より上位の強調)

北海道弁「なまら」の意味は、とても。実際には“とても”や“すごい”のさらに上位(あるいは最上位)を示すニュアンスを含みます。

ちなみに、「なまら」を強調する場合に「なんまら」といういい方もあります。

<例文>

「この料理、なまらおいしい!」
意味)この料理、本当にすごくおいしい!

「なんまら怖かったよ!」
意味)本当に超怖かったよ!

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北海道弁35:だら銭、じゃら銭

【標準語】小銭

北海道弁で「だら銭」や「じゃら銭」は小銭のことを指します。読み方は「だらせん」や「じゃらせん」。小銭よりもくだけた表現として、使う人が多いです。

道南地方では、お金のことを「じぇんこ」という方言もあります。ちなみに秋田県や青森県の一部地域でも、お金のことを「じぇんこ」といいます。

<例文>

「じゃら銭に両替してもらえますか?」
意味)小銭に両替してもらえますか?

「割り勘したいんだけどだら銭ある?」
意味)割り勘したいんだけど小銭ある?

「じぇんこは全部貯金してるよ」
意味)小銭は全部貯金してるよ

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北海道弁36:~かい?

【標準語】~?(やわらかい疑問形)

「~かい?」は相手の様子を尋ねる、あるいは相手に意見を聞くとき、返答を求めるときなどに使われます。

語尾に「~かい?」をつけているときとつけていないときで意味は変わりません。「~かい?」とつけたほうがいい方がやわらかくなる感じです。

自分の考えを伝えるときの「いんでないかい」といういい方もあります。

<例文>

「大丈夫かい?」
意味)大丈夫なの?

「いんでないかい」
意味)いいんじゃない

北海道弁37:~どうだい?

【標準語】~どう?

「~だい?」も相手の様子や状態を尋ねるときに使う疑問形の語尾です。「~かい?」とも似ていますが、違いは語尾の前に「~どう」がつくこと。

<例文>

調子どうだい?
意味)調子どう?

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北海道弁38:手袋をはく

【標準語】手袋をつける、手袋をはめる、手袋を装着する

「手袋をはく」という北海道弁は、手袋をつける、はめる、装着するという意味。

北海道民にとっては、手袋は「はく」ものなんです!

<例文>

「寒いから、手袋をはきなさい!」
意味)寒いから、手袋をつけなさい!

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北海道弁39:ぼっこ手袋

【標準語】ミトン

「ぼっこ手袋」は、親指とほかの指の2つに分かれている手袋のこと。いわゆる“ミトン”です。

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北海道弁40:しばれる

【標準語】(驚くほど)寒い

「しばれる」は北海道弁で寒いという意味。ですが、ただ寒いというよりビックリするくらい寒いというニュアンスが含まれています。

使う大体の目安としては、マイナス10度以下といったところでしょうか。

そんな「しばれる」は、1日のなかでもとくに冷え込む朝と夜、そしてまつ毛が凍るほど寒い冬の晴れた日に使われることが多いです。

<例文>

「今日はしばれるから厚着していきな」
意味)今日はびっくりするぐらい寒いから厚着していきな

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北海道弁41:おやき

【標準語】今川焼

「おやき」とは今川焼、大判焼きと呼ばれるおやつのこと。

本州で「おやき」というと小麦をベースにした薄い皮に野菜や野沢菜など具材がたっぷりと入った、長野県の郷土料理のことを指すそうですが、北海道では今川焼のことを「おやき」と呼ぶんです!

<例文>

「今日のおやつは、おやきだ」
意味)今日のおやつは、今川焼だ

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北海道弁42:こっこ

【標準語】魚の卵、動物の子ども

「こっこ」とは、いくらなどに使われる北海道の方言です。意味としては魚の卵や動物の子どものこと。つまり、北海道で「鮭のこっこ」はいくらのことです。

「こっこ」は人に対しては使用されないのでご注意を。

<例文>

「牛のこっこ、めんこいね」

意味)牛の子ども、かわいいね

「このあいだ食ったこっこ、なまらうまかったな」

意味)このあいだ食べた魚卵、とてもおいしかったな

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北海道弁43:ごみを投げる

【標準語】ごみを捨てる

北海道弁の「ごみを投げる」は、ごみを捨てるという意味。道民の幼児からお年寄りまで違和感なく口にしている言葉です。

<例文>

「このごみ投げといて〜」
意味)このごみ捨てといて~

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【わかったら道民】北海道独特の呼び名「ごみを捨てる場所」をなんて呼ぶ?

 

もっと北海道弁を知りたい方は前編後編をチェック!

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【画像】Anesthesia 、株式会社デザインメイト、kou、m.barbie、Fast&Slow、マハロ / PIXTA(ピクスタ)

※こちらの記事は北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。

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