ぶす色

あいたたた!な北海道弁。本州の人が驚く言葉「ぶす色」の意味とは…

2021.08.05

北海道の方言で「ぶす色」と表される色があります。本州の人からするとインパクトのあるいい方なので、驚くかもしれませんね。ただ、おそらくは誰しもが一度は見たことがある色です。さて、どんな色だと思いますか?

ヒント:あいたたた!

「あいたたた!」と痛い思いをすると、「ぶす色」になってしまうことがあります。できれば「ぶす色」にはなってほしくないですね。筆者はよく不注意で体を物にぶつけるので、たびたび「ぶす色」を目にしています。さあ、どんな色かわかりましたか?

正解:内出血した皮膚の色(紫黒色)

「ぶす色」とは内出血してあざになっている皮膚の色のことで、黒っぽいような青っぽいような紫色の状態を指します。体をぶつけて痛い思いをするので、あまり見たい色ではありませんよね。

どうして「ぶす色」?

「ぶす色」の“ぶす”は、漢字で“附子(府子)”と書き、“附子(府子)”は、“トリカブト”の根(から抽出されるアルカロイド)を指します。トリカブトは、猛毒があることでよく知られた植物です。

このトリカブトの花をご覧ください。

名前の通り、かぶとのような特徴的な形をしています。注目してほしいのは花の色です。鮮やかな紫色ですよね。

「ぶす色」の由来については明確になっていないようですが、もしかしたらこのトリカブトの花の色が内出血した際の皮膚の色に似ていることから、「ぶす色」と呼ばれるようになったのかも……。

長野県では「ぶすど色」

佐渡弁では、北海道弁と同じく、内出血して青あざになった皮膚の色を「ぶす色」というそう。ちなみに長野県でも北側の地域では、「ぶすど色」というらしいです。「ぶす色」と少し似たいい方ですね。

 

ケガをして「ぶす色」を目にしないように、日々気を付けて過ごしましょう。

【参考】
北海道の方言クイズ 解答(レベル3) / 国土交通省 北海道開発局
自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト / 厚生労働省
『信濃のことば・まとめ』大橋敦夫 / 総合文化研究所所報(5)47-61、2019-03
新明解国語辞典 第七版

【画像】
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hirost、一期一会記録人 / PIXTA(ピクスタ)