立ち寄りたくなるアットホームなお店。グッズショップ「リッキーハウス」スタッフが語る帯広競馬場の魅力
ひと口に競馬といっても、帯広で開催されているばんえい競馬はひと味もふた味も違います。何より違うのはそのスタイル。騎手を乗せた馬が走るのではなく、騎手が乗ったソリを馬が曳きながら走るのは、世界で唯一ここだけです。
そんなばんえい競馬が開催されているのは「帯広競馬場」。入ると最初に出迎えてくれるのはグッズショップ「リッキーハウス」です。今回は「リッキーハウス」で働く桧垣ゆかりさんに、ショップでの仕事やばんえい競馬の魅力についてお話しいただきました。
桧垣ゆかり(ひがき・ゆかり)。1989年生まれ、帯広市出身。2020年より「リッキーハウス」勤務。これからの季節におすすめのばんえいグッズはニット帽。
明るくて楽しい雰囲気のショップ
北海道Likersライター木登りアフロ:桧垣さんがリッキーハウスで働くことになった経緯を教えてください。
桧垣さん:たまたま「リッキーハウス」の求人を見つけたのがきっかけです。接客が好きで飲食店では働いたことがあったのですが、グッズ販売はやったことなかったので興味があり応募しました。勤務日が土曜・日曜・月曜なのも私の生活スタイルに合っていて、決め手の一つです。
現在、ショップスタッフは全員で8名。ベテランの方2名の他に、学生さんもいます。みなさん明るくていい人たちばかり。今年で3年目になりますが、楽しくて働きやすい職場だと思います。
北海道Likersライター木登りアフロ:普段どんなお仕事をされているのですか。
桧垣さん:お店は2人体制で切り盛りしています。出勤したらまず商品を陳列し、レジの準備と出走表を並べます。実は商品の配置は細かく入れ替えているんですよ。新商品を目立つところに配置することはもちろん、その日勤務している人によって配置が変わります。そのほかにも新商品が入ってきたときはPOPを描いたり、人気商品である『蹄鉄』の台紙を作ったりと細かい作業が多いです。
入荷する商品は事務所の方が決めますが、お客様からいただいた「こんなのないの?」という声を伝達することもあります。今あるメジロゴーリキのマグカップはお客様のお声からできた商品で、今でもよく売れています。
お客さんとのふれあいが楽しい!
北海道Likersライター木登りアフロ:「リッキーハウス」でのお仕事の面白さと、働いてみてわかった大変さを教えてください。
桧垣さん:面白さはやっぱりお客様とのふれあいです。お客様に顔を覚えてもらえて、冗談を言い合えるようになったときは嬉しかったです。
働き始めてすぐの頃は馬のことを聞かれてもわからないことが多くて大変でした。いつも「うまく答えられなくてごめんなさい……」という気持ちになっていたことを覚えています。そこからパンフレットを読み込んで馬のことを勉強し、今では簡単なことだったら答えられるようになりました。
北海道Likersライター木登りアフロ:お客様はどんな方が多いですか? やはり観光客の方が多いのでしょうか。
桧垣さん:働き始めたのが最初のロックダウン前だったので途中に無観客の期間もあったのですが、しばらくは地元の方が多かった印象です。今年の夏からは徐々に観光客の方が多くなったなぁと感じています。どこからいらっしゃったのか教えてくださる方もいて、いろんな場所に住むばんえい競馬のファンが集まっていることを実感します。
買い物をしなくてもお店の前を通ったときに「またね~」とか「勝ったよ~」と報告に来てくれる地元の競馬ファンの方も。こういうふれあいがこの仕事の魅力だと思います。時に「勝ったから今日は買っちゃう!」とお店に立ち寄ってくれたりとアットホームな雰囲気です。
北海道Likersライター木登りアフロ:どんな商品が人気ですか?
桧垣さん:地元の方は騎手のキーホルダーを買われることが多いですね。観光客の方には『蹄鉄』や、ここでしか買えないTシャツ、キャップが人気です。有名馬の『蹄鉄』は出したらすぐ売れてしまいます。私のおすすめの商品は置物だったら『蹄鉄』、普段使うならキャップです。今はだいぶ寒くなってきているので「STOP&GO」と書いてあるニット帽がおすすめです。
北海道Likersライター木登りアフロ:お客様との思い出深いエピソードはありますか。
桧垣さん:運を上げたいという方がいらして、「『蹄鉄』を探してるんだけど、どれがいいかわからない」とお声がけいただいたことがあります。『蹄鉄』は前後で形が違うのですが、「私は前脚のほうが丸くてかわいくて好きですね~」なんてお話していたら、「お姉さんが一生懸命接客してくれるから全部買っていこうかな」と言って、そのとき並んでいた桐箱入りの『蹄鉄』をすべてお買い上げくださいました。なんと紙袋2袋分です! 道外の方だったと思いますが、驚きと嬉しさで今でも顔を覚えているくらい印象に残っています。
馬って意外とかわいい!
北海道Likersライター木登りアフロ:桧垣さんが感じるばんえい競馬、そして帯広競馬場の魅力を教えてください。
桧垣さん:魅力は何よりもむきむきの馬ですね。たてがみの飾りもそれぞれ違ってすごくかわいいです! ショップ内にあるテレビでレースが見られるときは、スタッフと一緒に盛り上がっています。休み時間に「ふれあい動物園」に行ってニンジンをあげることもありますよ。
実は私、この仕事を始めるまで「帯広競馬場」がどういうところか知らなかったんです。競馬場は大人の男性だけが来る場所というイメージでした。しかし、実際に働いてみると、若い人がたくさん来ていたり、カップルがデートに来ていたり、子どもが楽しめる「ふれあい動物園」があったり……「帯広競馬場」は幅広い世代の人が楽しめる場所だと思います。競馬に興味がない方も、ぜひ一度足を運んでみてほしいです。
―――「帯広競馬場」の“顔”とも言える「リッキーハウス」。取材中、気さくにお話してくれた桧垣さんからは、お仕事の楽しさや職場の明るさが伝わってきました。
連載「ばんえい競馬ではたらく人」では、ばんえい競馬を支える仕事に就くさまざまな人の魅力に迫ります。連載記事一覧はこちらから。
Sponsored by 楽天競馬