veryの意味だけじゃない!? 生粋の北海道民が「なまら」の使い方、教えます
北海道弁のなかでも、とくに聞く機会が多い……と筆者が思っているのが「なまら」というフレーズ。しかしこのフレーズは、時に、少しずれた使われ方をしていることもあります。
そこで今回は、北海道で生まれ育ち、今も北海道に住んでいる、いわば生粋の道民である筆者の視点から「なまら」の使い方をご紹介します。
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一般的に知られている「なまら」
まず、一般的に「なまら」はどのような意味とされているのかを調べてみました。道庁や自治体が出している情報によると、「なまら」の意味は「とても」です。
【なまら】
意味:とても(強調)
会話の例:「初めてビールを飲んだけど、なまら苦かった。」
(意味)「初めてビールを飲んだのですが、とても苦かった。」
引用:北海道の方言 / 公益社団法人 北海道国際交流・協力総合センター【なまら】
意味:とても・veryと同義
使用例:なまらがんばりました
引用:北海道弁 / 中標津町※筆者が一部編集しています
北海道外の人から見る「なまら」
ここで筆者は思いました。「一般的な意味はわかったが、実際にはどう思われているんだろう?」
この疑問を解消するため、道外に住む筆者の知人2人に、「なまら」という言葉がどんな使い方をするイメージか聞いてみました。道外の人に聞いたのは、同じ道内に住む人よりは認識の違いがわかりやすくなるかな、と思ったからです。道内に住む人の認識は後々筆者が代表して述べてみます。
さて、聞いてみたところ、このような解答が返ってきました。
知人A「“すごく”とかそんな感じじゃないの?」
知人B「“すごく”、ないし“超”に近い意味かなと」
2人とも、「すごく」というような意味合いにとらえているようです。先ほど調べた「なまら」の意味が「とても」なので、間違った認識ではない、といえるでしょう。
北海道民の思う、「なまら」の使い方
しかし、言葉のニュアンスなので個人差はありますが、北海道民である筆者が「なまら」を使うときはたんに「とても」という意味ではないことが多いです。
筆者が「なまら」というときは、「“とても”や“すごい”のさらに上位(あるいは最上位)」を示すニュアンスを含みます。ちなみに、「なまら」を強調する場合に「なんまら」という人もいます。
……例文で詳しく説明します。
たとえば、今までに食べたことがないようなおいしい料理を食べたとき。こんなフレーズが思わず口から出ます。「この料理、なまらおいしい!」
あるいは、尋常ではない恐怖体験をしたとき。「なんまら怖かったよ!」
さらには、自分のなかで1番、というほどの作品に出会ったとき。「この作品、なまら良かったよ!」
筆者の場合は、このようにただ「とても」や「すごい」の代わりのように使うのではなく、それよりもさらに上の感情を示したいときに「なまら」を使っています。
というわけで今回は、「なまら」についてご紹介しました。使い勝手が“なまら”良い北海道弁のひとつなので、みなさんもぜひ使ってみてください!
【参考】
北海道の方言 / 公益社団法人 北海道国際交流・協力総合センター
北海道弁 / 中標津町
【画像】キントレ / PIXTA(ピクスタ)
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