ぶつけたらできる内出血、なんていう?北海道弁だけど本州でも使われる言葉は…
『北海道Likers』では、今までケガにまつわる北海道の方言をいくつかご紹介してきました。バンソウコウを意味する「サビオ」や、内出血の色を表す「ぶす色」など。今回もそんなケガに関する方言、「青たん」をご紹介します。
痛っ!ぶつけたらできる「青たん」
「青たん」は体をぶつけるとできます。できれば青たんを作りたくはありません。北海道以外でも使われている言葉なので、すでにわかっている人もいるかもしれませんね。さて、どんな意味だと思いますか?
正解は「あざ」や「青あざ」のこと
「青たん」は北海道の方言で「あざ」や「青あざ」を意味します。筆者も子どもの頃から「あざ」よりも「青たん」をよく使っていて、なじみ深い北海道弁です。転んで内出血ができているときは「青たんになってる」と今でも言います。
ただ「あざ」という言葉も昔から知っていました。赤ちゃんや幼児のお尻や背中にできる蒙古斑など、生まれつきあるものは「あざ」、打撲やケガなど後からできるものは「青たん」と使い分けていたように記憶しています。
えっ、方言なの?東京や大阪でも「青たん」
北海道以外の人も「青たんって北海道弁だったの?」と驚いているかもしれません。道産子でなくても「青たん」を使っている人は多いのではないでしょうか。北海道の方言として東京や大阪などにも伝わり、一般的に使われています。ほかにも青森や福島、富山などでも、あざのことを「青たん」と呼んでいるようです。
「あざ」は地域によっていろんな言い方がある
北海道だけでなく、ほかの地域でも「あざ」にはさまざまな方言があります。
小湊鐵道(こみなとてつどう)でおなじみの千葉県市原市や茨城県では「あおなじみ」、広島県などでは「あおじ」。「青たん」と同じように“青”という言葉は残りながら、“なじむ”や“染みる”といった意味合いが足されて表現されています。
岐阜県の東美濃地域では、青あざができることを「くろにえる」・「くろにげる」というんだとか。あざが黒っぽくなることもあり、色を表しているのでしょうか。
ケガをするというのは、どこに住んでいても誰もが経験をすることなので、地域ごとにさまざまな方言が残っているのかもしれませんね。いろんな地域の人と話す機会があれば、「“あざ”って方言でなんていう?」と聞いてみて、方言トークで話題を広げてみてはいかがでしょうか。
【参考】
北海道の方言クイズ レベル3 / 国土交通省 北海道開発局
太田母斑・異所性蒙古斑 / 一般社団法人 日本形成外科学会
青あざ(異所性蒙古斑・太田母斑)の治療 / 学校法人日本医科大学
学生研究報告 大阪の方言 : 「寝ろ・鍵をかける・仲間に入れて・歯にはさまる・ 青あざ・たくあん」をあなたはどう言いますか? / 大阪大谷大学教育学会
千葉県市原市における伝統方言の若年層への継承について / 森田 帆南 立命館大学大学院言語教育情報研究科 2019年度
こじゃっぺ・いがっぺ・そうだっぺ -茨城弁と石岡地区の方言- / 石岡市教育委員会 文化振興課
ここらへんの言葉 東濃弁まるわかりブック / 瑞浪市
【画像・画像】
Satoshi KOHNO、まちゃー、tomonet3858、小野真志 / PIXTA(ピクスタ)
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北海道開発局、一般社団法人 日本形成外科学会、学校法人日本医科大学、大阪大谷大学教育学会、立命館大学大学院言語教育情報研究科、石岡市教育委員会 文化振興課、瑞浪市
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