北海道民でも意外と知らない?黄色いボディが愛らしい「函館の消火栓」のヒミツ
美しい夜景や美味しい海の幸が魅力の函館。みなさんは訪れたことがありますか?
今回は、函館を訪れた際にぜひ注目してほしい景色のひとつとして、消火栓をご紹介します。「消火栓なんてわざわざ観光のときに注目するものでもないよ」と思われたあなた! 函館の消火栓はほかの場所のものとは一味違うんですよ。
特徴は、黄色いボディと縞模様
函館の消火栓、正式には『函館型三方式地上式消火栓』というそうで、名前の通りポンプ車のホースとの接続部が3か所設けられています。
そして、特徴といえばなんといってもその色! 街で目を引くほど鮮やかな黄色です。雪が積もっているときや夜間でも見つけやすく、迅速な消火に役立ちそうですね。
また、よく見ると縦縞模様が入っていますが、これは消火栓を補強するためにつけられているそうです。レトロな感じがしてかわいいですよね。
モデルは欧米の消火栓
函館の消火栓は、昭和9年の函館大火の後、欧米から取り寄せたカタログや『地上式消火栓』の実物を手本にして函館で設計・製作されました。
それまでは、マンホールを開けなければホースを接続できない『地下式消火栓』が主流でした。しかし、『函館型三方式地上式消火栓』の登場によって、マンホールを開けるための特別な器具や積もった雪をどかす作業が不要になり、より素早い対応が可能になったというわけです。
現在では、函館市の旧4町村エリア(別タイプが設置されている)を除いた市内各所に、約2,000基が設置されているそうです。
よーく見ると小さな違いが見つかるかも
実は、『函館型三方式地上式消火栓』と一口にいっても、少しずつ違いがあるんです。たとえば、製造された時期によって胴が長かったり短かったり。また、大きさにも少し違いがあるようです。
特徴的な黄色については、約20年に1度、毎年150本ずつ順繰りに塗り替えを行っているそうで、個体ごとに微妙に色の違いがあります。
函館の黄色くてかわいい消火栓についてご紹介しました。実は黄色い消火栓は、小樽市や筆者が住む札幌市にも。いろいろな場所の消火栓を見比べてみるとそれぞれに個性があって面白そうですね。
あらためて自分の住む街を観察してみると新しい発見があって楽しめるかもしれませんね!
【参考】
函館市公式観光情報 はこぶら
函館の消火栓 / 函館市
【画像】CRENTEAR、ニングル、KAZE / PIXTA(ピクスタ)