【北海道弁講座】道外では意外な使われ方も!地方によって意味が違う方言「あめる」
気温が上がり、あたたかくなってくる季節には「あめる」状態には気をつけておきたいところ。北海道弁でとある状態を表す言葉です。「編める」とも「飴」とも「雨」とも関係はありません。ただ、雨で湿度が高い時期はまさに「あめる」ことが多いです。さて、どんな意味の方言だと思いますか?
北海道弁「あめる」の意味は?
A 腐る・腐りかける
「あめる」は、“腐る”“腐敗する”など、食品が傷むという意味の方言です。また“腐りかける”など、食品が腐敗する直前の状態などを指す場合もあります。
「あめてる」「あめでる」という言い方もします。
東北や三重でも使われている「あめる」
青森県や岩手県、北海道から遠く離れた三重県でも、「あめる」を“腐る”という意味で使っているという情報も。
新潟県では違う意味の言葉!?
新潟県の一部でも「あめる」という方言が使われていますが、意味は異なります。頭髪が“ハゲる”という意味や、転じて“つるつるする”など髪にかかわらず滑る状態を指す言葉としての意味も。また佐渡島では“泥酔する”という意味でも「あめる」を使っているようです。
「あめる」を実践してみよう
それでは、北海道弁の「あめる」を実践してみましょう。
「余ったおかず、冷蔵庫から出して置いたらあめるよ!」
意味)「余ったおかず、冷蔵庫から出して置いたら腐るよ!」
「ニオイをかいでみたけど、これあめでるど」
意味)ニオイをかいでみたけど、これ傷んでるよ。
気温が上がり、湿気でジメジメする夏場には、ぜひ道産子に「あめるよ!」と食べ物が腐らないように注意を呼びかけてみてはいかがでしょうか。
【参考】
道南方言集(方言→標準語 あ行) / 北海道渡島総合振興局
せたかむい まちの広報誌 第九十号 平成九年三月一日 / 古平町
第一一章 文化財と民俗 / 青森県大間町
新潟県岩船郡の方言 / 羽越河川国道事務所|国土交通省北陸地方整備局
日本言語地図 第3集 : 別冊 日本言語地図解説 : 各図の説明 3
【画像】Saknarong Butsabong、Denys Kurbatov / shutterstock、tatsuzin / PIXTA(ピクスタ)