難読地名クイズ

道民でもわからないかも?さすがに難しすぎる「北海道難読地名」3つ

難読漢字の多い北海道の地名。歴史ある北海道らしい地名が数多く残ります。

今回は、道民でも頭をひねってしまうくらい難しい“北海道難読地名”をご紹介します。

どれも「さすがに難しすぎる……!」と唸ってしまうものばかり。すべてわかったら最強かも!?

1:入境学

“入境学”は北海道釧路郡釧路町仙鳳趾村にあります。この“仙鳳趾村(せんぽうし)”は難読地名の宝庫で、『北海道Likers』の“難読地名クイズ老者舞編”でも登場しています。 では“入境学”はなんと読むでしょうか! ヒントは○○ハンバーグ、○○うどん、牛すじ○○です。

正解は…ニコマナイ

“入境学”と書いて「ニコマナイ」。北海道の地名はアイヌ語由来の当て字であることが多く、難読度が高いことで有名ですがこれはもう読める読めないの次元じゃないですね。

もっと“二子真名井”とか“似独楽内”といったわかりやすい当て字にすることはできなかったのでしょうか。

ヒントから“ニコム”だと思った人はニアピン! 正解は煮込みませんでした(笑)

入境学の由来

“入境学”はアイヌ語が語源となっています。

釧路町観光ミュージアムによると

この地名には二つの説があり、蝦夷語地名解では、ニオッケ・オマ・ナイ(桶・小川に桶あるを見て)名づくとあり、アイヌ語地名解では、(昔、桶が流れついたところから名付けた)とあるが、アイヌ語辞典から考えると、ニ(より木・流木)コ(…に向って)オ(川尻)マ(泳ぐ)ナイ(川)と解釈すると表記のようになる。

引用:釧路町観光ミュージアム

アイヌ語地名解から考えると“流木の集まる川”という意味です。 付近には太平洋を一望できるセキネップ展望広場があり、ビュースポットとなっています。

【参考】【北海道難読地名クイズ】初見で読めたら天才!釧路町の難読地名「入境学」(2021年2月5日掲載)

2:生振

石狩市“生振”。茨戸川と石狩川に囲まれた地域で、札幌市とも隣接しています。札幌近郊ということで、目にする機会も多いかもしれません。漢字は誰もが知るところですが、2つ合わさるとなかなか読みにくい。初見で答えようとすると、だんだん歯がゆくなってきます。

さて、そんな“生振”の読み方は?

正解は…おやふる

おやふる、と読むんです。生を“おや”と読ませるとは……。この漢字を用いた理由はあるのでしょうか? 気になりますね。

生振の由来

生振の由来は一体どのようなものなのでしょうか? 石狩の自然、歴史、文化などについて解説している『石狩ファイル』に“生振の歴史”という項がありました。以下に引用します。

■開拓以前
生振(オヤフル)の地名はアイヌ語に由来しますが、更科源蔵の解釈によれば、旧石狩川に沿って東西に伸びていた丘を指す「川尻の丘」という意味だそうです。

今までに発見された遺跡・遺物から、生振に人が住み始めたのは、約4千年前のこととみられています。本州からの開拓移民が始まる前の生振には2~3のアイヌ部落がありました。

■苦難の開拓期
明治4(1871)年、山形県米沢地方の人々124人が入植して集落が形成されたのに伴って、オヤフルの地が生振村と命名されました。

引用:石狩ファイル「生振の歴史」

四方を川に囲まれたこの土地ならではの名前ということですね。幾たびも洪水に襲われながら、蛇行した流れを直行させるための捷水路(しょうすいろ)を築くなどして開拓移民たちにより開墾が成し遂げられました。北海道らしい歴史の詰まった地域です。

【参考】【読めそうで読めない地名クイズ】あなたは生を何と読む?氷上ワカサギ釣りができる「生振」(2021年2月24日掲載)

3:遊楽部

渡島管内八雲町にある地名です。残っている、という表現の方が正しいでしょうか。公園や川の名前として今も親しまれている“遊楽部”。あなたは読めるでしょうか? 早速答え合わせと行きましょう!

“遊楽部”の読み方は……

正解は…ゆうらっぷ

ゆうらっぷ、と読みます。正解できましたか?

鹿部町や興部町につられて“べ”や“ぺ”と読んでしまった人もいるかもしれません。訓子府町や音威子府村、比布町のほうが仲間だったかもしれませんね!

遊楽部の由来

遊楽部の名前が今でも使われているものとして遊楽部川があります。今回は川沿いの看板にある説明から借用します。

ユー・ラㇷ゚(yu-rap)温泉が下る川という意味

参考:株式会社エコニコス

この地域には温泉も多く、昔から川の中に天然温泉を楽しめる場所があったのかもしれませんね! ちなみに遊楽部川は二級河川で、渡島管内最大の流域面積を誇るそうですよ。

また、八雲という今の町名は「1878(明治11)年に山越内村遊楽部の開墾事業を始めた徳川慶勝の意向によって命名され」たと八雲町のホームページにあります。このときの慶勝の判断次第では、遊楽部という町名がありえたかもしれませんね!

【参考】ゆうらくぶ、じゃないですよ!酪農の町・八雲に残る「遊楽部」【北海道難読地名クイズ】(2021年2月17日掲載)

 

さすがに難しすぎる!? “北海道難読地名”をご紹介しました。あなたはいくつわかりましたか?

※こちら記事は北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。