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なぜスープ付き?北海道名物「やきそば弁当」が道民に愛される理由に迫る

2021.02.24

『やきそば弁当』といえばご当地カップ麵として全国的な知名度を誇る商品ですが、やきそばなのになぜかスープが付いていたり、弁当という名前だったりと謎多き商品でもあります。

今回はそんな謎を解決すると共に、北海道名物『やきそば弁当』をご紹介します!

湯切りしたお湯を再利用!

北海道名物といえば『やきそば弁当』という方も多いのではないでしょうか。

東京出身の筆者も『やきそば弁当』がおいしいという噂は常々耳にしており、北海道に移住したタイミングで食べてみようと思っていました。

ところがいざ北海道に移住したところ、引っ越し後の慌ただしさで『やきそば弁当』のことをすっかり忘れてしまい、思い出したころには大学の春休みに……。

春休みということで東京の実家に帰省しており、北海道限定とされる『やきそば弁当』はしばらくのお預けか、と思っていたのですが都内の北海道アンテナショップで入手できるという情報を掴み、早速購入。

目を引くのは“中華スープ付き”の文字。やきそばなのに中華スープが付属するというのは何とも不思議です。

早速作っていきます。封を開けると、“かやく”、“液体ソース”など見慣れた付属品たち。その中に紛れているのがこの“中華スープ”です。中には粉末が入っており、麺の戻し湯で溶かすという説明書きが。

麺の戻し湯というと普段なら流しにそのまま捨てているアレですよね。たしかに麺のエキスとかが溶け出していておいしそうだなぁと思ったことはあるのですが、まさか本当に飲むことになるとは驚きです。

お湯を入れて3分、あっという間にできあがりです。あらかじめお椀に中華スープの粉を用意しておき、戻し湯を注ぎます。ちなみに戻し湯は半分以上余りますので、残りは流しに捨てるか、そのまま飲んでみるかです。お湯を切ったらソースを混ぜ合わせ、やきそば弁当の完成(お好みで付属のふりかけをどうぞ)。

まずは焼きそばをいただきます。けっこう甘めなソースが麺と非常に相性が良く、飽きがこないスナック感覚で食べられてしまう一品。素朴な味わいが「これぞやきそば」といった印象を持たせます。

では気になるスープもいただきます。こちらは塩味がストレートに感じられる、濃いめのお味(入れた戻し湯の量にもよりますが)。麺の戻し湯だけあって、やきそば弁当との相性はぴったりです。

これは北海道に戻ったらヘビロテしてしまいそうな予感。北海道ではコンビニやスーパーマーケットといったいたるところで販売されているので、いつでも好きな時にこの味を楽しめます。

スープが付属する北海道ならではの理由

ところで、『やきそば弁当』という商品名、不思議ですよね。これは販売元の「東洋水産」によると、『やきそば弁当』のパッケージが弁当箱のような形をしているから、ということだそうです。筆者はてっきり「スープが付属するからこれだけでお弁当代わりになる」という意味で名付けたと思っていました。形が由来とは、思ったよりシンプルな命名理由でしたね。

そこで生じる疑問が、なぜ“スープ”が付属するのか、です。これは北海道ならではの理由があり、“厳しい冬の寒さでも需要が落ちないように”という販売戦略によるものだったのです。結果的にこの“スープ戦略”は成功をおさめ、現在に至るまで多くの道民に愛されてきました。

ちなみにこの『やきそば弁当』、最初に販売を開始したのは本州地域で、その翌年に北海道で販売されることになりました。北海道で販売するに際して、味を道民好みに改良しています。「東洋水産」の企業努力から、道民に愛される理由が垣間見えます。

 

一度食べたらやみつきになる“北海道の味”。道民もそうじゃない方も、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

【参考】よくあるご質問 / 東洋水産株式会社、東洋水産株式会社CSR広報部