「もちょこい」はどういう意味?やりすぎNG、子どものほうが使う北海道弁【北海道方言講座】
道産子である筆者が子どもの頃、「もちょこい」という北海道弁を使っていました。大人になって今はあまり使っていない方言です。道外の人にはなんのことやら……。さて、どんな意味だと思いますか?
「もちょこいからやめて!」
「もちょこい」と笑ってしまいます。ただし、あまりにも「もちょこい」状態が続くと「やめて!」と止めたくなります。笑っているけど、しつこいと怒ってしまうかも。「もちょこい」のに耐えられる人は少ないでしょう。
もしかして、と意味がわかった方もいるのでは?
「もちょこい」の意味は「くすぐったい」
「もちょこい」は北海道弁で「くすぐったい」という意味です。筆者が小学生のとき、友だちとくすぐりあいっこしてどちらが長い時間ガマンできるか、という謎のゲームをしていました。子どもの頃は遊びながらくすぐることもあり、「もちょこい!」という方言を使う機会も多かったです。
大人になってからはくすぐられる機会がほぼありませんし、くすぐったくてもガマンできるようになったので、あまり「もちょこい」と言うことはありません。
また同じ道産子でも、違うまちの出身の人には通じないこともありました。使われている地域が限定されている方言なのかもしれません。
気持ちではなく物理的に「くすぐったい」
「くすぐったい」の類語に「こそばゆい」があります。実際にくすぐられたときにはもちろん、気持ちのうえで「くすぐったいような気持ち」のときにも「なんだかこそばゆいな」なんて使いますよね。照れくさいような気持ちです。
「もちょこい」は“気持ち”でのくすぐったさではなく、あくまで物理的にくすぐられたときの“感覚”として筆者は使っています。
「もちょこい」の派生形いろいろ
「もちょこい」の派生形として、ほかに「もっちょこい」や「もんちょこい」という言い方もあります。どれも意味は同じ「くすぐったい」です。
また「くすぐったい」は形容詞ですが、「くすぐる」という動詞にも「もっちょがす」という方言があります。「もんちょこいからもっちょがすのやめれ!」=「くすぐったいからくすぐるのやめて!」なんて言い方もできます。
青森では「もちょこちぇ」
青森県では「もちょこちぇ」が「くすぐったい」という意味の方言として使われているそうです。「もちょこい」に似ていますが、よりかわいらしい響きがありますね。「こちょこちょ」とくすぐるときの様子にも似ているような。
青森県に近い道南地域の一部でも、この「もちょこちぇ」が使われているといいます。
くすぐると最初は笑ってしまいますが、やりすぎると「もちょこいからやめて!」と怒られてしまうかもしれません。くすぐるのは楽しいうちにやめて、ほどほどにしておきましょう。
【参考】国土交通省 北海道開発局、古平町、北海道 渡島総合振興局
北海道の方言クイズ / 国土交通省 北海道開発局
せたかむい 古平町史編纂委員会 / 古平町
道南方言集 / 北海道 渡島総合振興局
【画像】Ushico、tkc-taka、ペイレスイメージズ1(モデル)、buritora / PIXTA(ピクスタ)
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