道民なら子どものころ言われたことがある!? 実は方言だった「おだつんでない!」
道産子のみなさん、子どものころに騒いでうるさくしていると「おだつんでない!」と大人にしかられたことはありませんか? 実は「おだつ」は、北海道弁。道外の人にはぴんと来ないかもしれません。さてどういう意味だと思いますか?
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ヒント:子どもはついついおだっちゃう
子どもは楽しくなるとつい「おだつ」ものです。ただ度が過ぎるとやはり怒られてしまいます。大人になってからも、お酒の席でハメをはずし、おだってしまった人もいるかもしれません。
正解は「ふざける」・「調子に乗る」
北海道弁の「おだつ」は、「ふざける」「ふざけて騒ぐ」「調子に乗る」「いい気になってはしゃぐ」という意味。子どもは楽しくてついふざけてしまいますし、大人でも調子に乗ってはしゃいでしまうときがありますよね。
「おだつんでない!」は、「ふざけないで!」「騒がないで!」などと注意したり、しかったりするときに使われる表現です。
「おだてる」と似ている?
標準語には「おだてる」という、北海道弁の「おだつ」と似た言葉があります。「おだてる」の意味は、「相手を褒めて、得意にさせる」。似た意味の言葉として「持ち上げる」「そそのかす」などがあります。相手を調子に乗らせたり、いい気にさせたり、という意味で「おだつ」と意味も似ていますね。
違いは対象が自分か、相手か。「おだつ」は自動詞で、自分に対して使う言葉です。「おだてる」は他動詞で、自分以外の誰かに対して使われます。
あまり「おだつ」という方言に聞きなじみのない方は、「おだてる」から連想すると意味が理解しやすくなるかもしれません。
岩手県や宮城県では「おだづ」も
岩手県や宮城県でも「おだつ」が同じ意味で使われています。また、最後の“つ”に濁点がついた「おだづ」という言い方もあるようです。「おだつなよ」または「おだづなよ」で、「ふざけるな」といった意味でも使われています。
例文で北海道弁「おだつ」をマスター!
例)あんまりおだつなや
あんまり騒がないでよ
例)行事があるんだからおだつんでないよ!
行事があるんだから騒ぐんじゃないよ!
例)昨日の飲み会、めっちゃおだってっからケガしたべさ
昨日の飲み会、めっちゃ調子乗ってたからケガしたでしょ
場をわきまえないで「おだつ」と周りにも迷惑をかけてしまうかも。ぜひお気を付けくださいね。
【参考】
三省堂 現代新国語辞典 第六版、国立国会図書館 レファレンス協同データベース、帯広大谷短期大学紀要第43号2006年3月 北村和子・池添博彦、東北大学大学院文学研究科国語学研究室
方言で「おだづなよ」という言葉があるが,意味が知りたい。その中に「負けてたまるか」という意味は含まれているか。 / 国立国会図書館 レファレンス協同データベース
北海道語について 一 語彙の歴史的変化を中心にして 一 / 帯広大谷短期大学紀要第43号2006年3月 北村和子・池添博彦
2019(令和元)年度文化庁委託事業報告書 被災地方言の保存・継承のための方言の記録と公開3 / 東北大学大学院文学研究科国語学研究室
【画像】
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