いたましい

お気の毒に…ってだけじゃない!北海道民が使う「いたましい」はちょっと違う意味

2021.06.07

「いたましい」というのは、悲惨な出来事に対して「気の毒だ」「痛々しい」といった意味で使われる言葉です。しかし、北海道民はちょっと違う意味で使います。

捨てちゃうなんていたましい!

たとえば「捨ててしまうなんていたましい」「いたましいから取っておいて」なんて使います。さて、どんな意味だと思いますか?

正解は…

「いたましい」は北海道の方言で、「もったいない」「惜しい」という意味です。物に対して使います。さっきの文章は、「捨ててしまうなんていたましい(もったいない)」「いたましい(もったいない)から取っておいて」という意味でした。

ちなみに「いたましくない」は、「もったいなくない」「惜しくない」というそのまま反対の意味として使えます。

筆者と同世代の20~30代で言うことはほぼありません。親や祖父母世代の50~60代以降の人が使っているのを聞いたことがあります。

東北地方でも使う

東北地方の6県(青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県)でも、「いたましい」を同じ意味の方言として使っているようです。北海道も含めて近い地域の人たちと話しているときには、方言だとは気づかず「いたましい」を使っていることがあるかもしれませんね。

例文で「いたましい」を実践!

では、例文で「いたましい」を実践していきましょう。

例)この車は長く乗ってきたから、手放すのがいたましいよ

この車は長く乗ってきたから、手放すのが惜しいよ

例)あの帽子、買ったばかりなのになくしたの? いたましいね~

あの帽子、買ったばかりなのになくしたの? もったいないね~

 

標準語でも北海道弁でも、「いたましい」事態は避けたいところ。物を大切にする気持ちを忘れず「いたましくない」ようにしたいですね。

【参考】
北海道語について(Ⅱ) -十勝の方言を中心にして-
『東北地方の外国人住民のための「くらしの方言集」』作成に向けた語彙・文法事項の使用実態調査 / 武蔵野大学学術機関リポジトリ

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