北海道では呼び名が違う?夏に食べたくなる激辛グルメに欠かせない食材の名前は…
関東と関西で呼び名が違うもの、特定の地域で独特な呼び名が使われていることは多々ありますよね。『北海道Likers』では以前、絆創膏の呼び名を取り上げました。
今回ご紹介するのはこちら。
夏にこそ食べたくなる赤くて辛い香辛料
北海道のみなさん、これ何ていいますか?
そうそう、こんな色もありますよね。
夏にヒーヒーいって汗をかきながらも食べたくなる、激辛グルメに欠かせない食材ですよね。道外の方なら“唐辛子”と答えるでしょう。もちろん北海道民も同じように答える人がいるなか、「別の言い方もするよね」なんて意見もあるのではないでしょうか。
あるいは、こちらも何といいますか?
唐辛子を使った香辛料、いわゆる“七味唐辛子”です。でも北海道民のみなさんは、別の名前で呼びませんか?
北海道民は唐辛子を「ナンバン」と呼ぶ
北海道民のなかには、唐辛子を「ナンバン」と呼ぶ人がいます。一味唐辛子や七味唐辛子など唐辛子を使った香辛料も同じように「ナンバン」と呼ばれます。ほかの地域でも使われているようですが、どうやら北海道の方言のひとつのようです。
筆者自身は使わない方言ですが、そういえば両親が昔から七味唐辛子のことを「ナンバン」あるいは「七味ナンバン」と呼んでいたことを思い出しました。筆者が疑問に思ったこともなく、身近な言葉だったので、方言だとは知りませんでした。今でも家族から「ナンバン取って」といわれたら七味唐辛子を持って行きます。
どうして「ナンバン」?
“ナンバン”は漢字で書くと“南蛮”。“南蛮漬け”など唐辛子を用いる料理にも“南蛮”という言葉が使われているなど、唐辛子と関連している言葉であることがわかります。
その昔、唐辛子はポルトガルやスペインなどの“南蛮船”によって日本にもたらされたとされています。そのため唐辛子を「南蛮辛子」あるいは「南蛮」と呼んでいたようです。その名残が現在でも残っているのかもしれませんね。
ちなみに北海道だけでなく、東北地方や新潟県、岐阜県などでも同じように「ナンバン」といっているようです。
唐辛子のことを「ナンバン」と呼んでいたら、道産子や近い地域の人かもしれません。ちょっとした親近感を覚えるのではないでしょうか。この夏の暑さも、ぜひナンバンを使った激辛グルメを食べて乗り切りましょう。
【参考】
長崎 伝統料理の魅力と謎 / 長崎市
宮城県伊具地方方言の実時間調査報告 / 方言調査法の方法論的検討-方言調査データの信頼性の測定-
方言集 / 羽越河川国道事務所
【画像】
株式会社デザインメイト、マノリ、monochrome、MIKO / PIXTA(ピクスタ)
masa44 / shutterstock