北海道民の「こわい」は怖くない!? 標準語と混ざりやすい北海道弁【北海道弁講座】
日常生活の中で“こわい”という言葉をよく耳にします。おそらく真っ先に思い浮かぶのは、ホラー映画や怪談話のような“恐怖”の意味でしょう。
しかしながら、北海道弁のこわいは少し違った意味を持ちます。正しい意味や使い方を知って標準語と混合しないようにしましょう。
北海道弁のこわいは「怖い」「恐い」という意味ではない!
冒頭でもご紹介しましたが、北海道弁のこわいは“怖い”や“恐い”といった恐怖の意味を持ちません。では、どのような意味で使われているのでしょうか。
北海道弁のこわいは(体調的に)“だるい”、“つらい”、“しんどい”という意味です。これは、道外の方には馴染みがないかもしれません。“こわい”と体調のつながりが見えにくく、なんだかピンときませんね。
誰がどう使っているの?「こわい」の用法を知ろう
こわいは主に、北海道に住む年配の方が使います。ただし、筆者の両親や筆者自身もごく稀に使うことがあるため、必ずしも年配の方のみに使われている言葉というわけではなさそうです。
こわいが使われる具体的なケースがこちらです。
筆者と祖母との電話にて
筆者「もしもし。最近元気にしてるかい?」
祖母「うーん、最近体がこわくってねえ。」
筆者「あらら。それは大変だね。」
祖母「そうなの。体がこわいと買い物に行くのもおっくうで……」
上の通話の様子からもわかるように、緊急性はなく、重症でもないけれども、どこか体調がすぐれないさまを“こわい”で言い表しています。
「おっかない」「ゆるくない」もある!「こわい」とほぼ同じ意味の北海道弁
こわいとほとんど同じ意味で使われる言葉に“おっかない”と“ゆるくない”があります。
日常の中では“今朝からずっと(体が)おっかない”、“あの坂を上るのはゆるくない”というように使用されます。これらの言葉もこわいと同じくらいの頻度で使用されるため、覚えておくとスムーズに会話ができます。
北海道弁のこわいは標準語とは少し変わった意味で使われていました。ちなみに、東北地方や北関東地域でも同様の意味で使われているようです。会話の中でふと出てきたときには、この記事の内容を思い出してみてくださいね。
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