おびひろ動物園

もう行った?おびひろ動物園の「新スポット」

北海道帯広市に位置し、哺乳類、鳥類、爬虫類を約60種類を飼育している『おびひろ動物園』。約50ヘクタールを超える自然豊かな『緑ヶ丘公園』内にある動物園で、エゾリスや野鳥などの野生動物も顔を見せてくれます。

今回は、そんな『おびひろ動物園』に2023年12月に新設された『馬ふれあい舎』や、北海道ならではの動物、施設の魅力などについてお伺いしました。

道内で2番目に開園した「おびひろ動物園」

おびひろ動物園 入口

画像:北海道Likers

『おびひろ動物園』は、『札幌市円山動物園』に次いで道内で2番目となる1963年(昭和38)に開園しました。園内には遊具もあり、週末や休日は家族連れで賑わっています。

アクセスは、JR帯広駅からバスで約16〜18分。十勝バスは『動物園前』、北海道拓殖バスは『緑ヶ丘6丁目』で下車してください。晴れた日なら帯広駅バスターミナル『おびくる』内にある『りくる』の窓口で、自転車を借りるのもおすすめです。

現役を引退した“ばん馬”が仲間入り

おびひろ動物園 ばんえい競馬

画像:北海道Likers

十勝らしい動物といえば、何と言っても『ばん馬』でしょう。帯広市は世界で唯一『ばんえい競馬』を開催している街です。

ばんえい競馬の起源は、北海道開拓期(1880年代)に農耕や運搬で苦楽をともにした馬で力比べを行ったことから始まります。当初は2頭の馬に丸太を結びつけ、互いに綱引きのように引っ張りあって力比べをしていたそうです。

現在では、体重約800〜1,200kg前後のばん馬が、騎手と重量物を積載した鉄製のそりを曳き、2箇所の障害が設置された直線200mのセパレートコースを走ります。ハラハラドキドキの手に汗を握るような、一発逆転の馬によるライブショーです。

おびひろ動物園 ウマ舎 ふれあいシーン

画像:北海道Likers

おびひろ動物園は、2023年12月に『馬ふれあい舎』を新設し、ばんえい競馬で活躍していた『トラシゲ(茶)』と『ムホウマツゴロウ(黒)』の展示を開始しました。

おびひろ動物園

画像:北海道Likers

土日祝日を中心に来園者との「ふれあい」の時間が設けられていることがあり、実際のばん馬の大きさを目前に感じたり、触れ合ったりすることができます。(ばん馬の体調によって、ふれあいができないこともあります。)

おびひろ動物園 説明

画像:北海道Likers

2頭のうち、『トラシゲ(画像:左)』は、2014年4月29日生まれで、競走戦績は126戦23勝。『ムホウマツゴロウ(画像:右)』は、2017年3月12日生まれで、競走戦績は89戦7勝。現役を引退した今でも逞しさは変わっていません。

おびひろ動物園 ばん馬

画像:北海道Likers

ばん馬の性格はそれぞれ異なり、おとなしかったり、人懐っこくスキンシップを求めてきたりすることもあるそうです。「向こうは甘えているつもりでも油断すると吹っ飛ばされてしまいます」と、ばん馬を担当する大丸(おおまる)さんは言います。

おびひろ動物園 ウマ舎

画像:北海道Likers

馬房は昔ながらの厩舎を参考にしており、ばん馬を傷つけないよう木製の馬栓棒が扉代わりになっています。また床にはクッション性と尿などの排水性を考慮して火山灰が敷き詰められています。

大きな体を維持するために一日に食べる乾草は大量。栄養を調整するために、朝と夕方に配合飼料や麦を混ぜています。真夏は摂氏30度以上になるため、扇風機も用意されています。

おびひろ動物園 大丸さん

画像:北海道Likers

大丸さんは会社を定年退職後、乗馬の経験を認められて飼育員に採用されたそうです。「2頭のばん馬とは同期生。半年が過ぎて、お互い動物園の一員らしくなってきた」と笑いながら話してくれました。

動物たちの躍動的な姿を見たいなら

おびひろ動物園 スタッフ

画像:北海道Likers

現在、おびひろ動物園には4人の獣医師が勤務しています。その一人である小林さんは、動物たちの健康管理をするほか、アムールトラとコモンリスザルの飼育も担当しています。すべての動物に愛情を注いでいるつもりでも、担当している動物たちは特に可愛く思えてしまうそうです。

おびひろ動物園 トラ

画像:北海道Likers

お客さんから「いつも動物は寝てばかりいる」とか、「どこに隠れているのかわからない」と言われることがあります。展示スペースに「このぐらいの時間がおすすめ」といった表示をしているところもあります。動く姿を見たいときは、少し長めに立ち止まったり、時間を変えて来てみてください。

餌の違いや、食べ方、行動の違いを比べて観察するとおもしろいですよ。

展示動物を増やすことの難しさ

おびひろ動物園 ナナ来園

画像:北海道Likers

かつて、おびひろ動物園にはアジアゾウの『ナナ』がいました。推定59歳はメスのゾウでは国内最高齢です。2020年1月19日に自分の力で立てなくなり、3月4日に息を引き取りました。

おびひろ動物園 ゾウ舎

画像:北海道Likers

「ゾウがいないのは残念」「ゾウを見たい」という声もありますが、ゾウを受け入れるためには、新しい設備が必要になります。また、全国の動物園で動物を貸し借りをして繁殖させる活動も行われていますが、そのためには動物にとって快適な環境を用意してあげなければいけません。

限られた予算や設備の中で、どうすればお客さんに喜んでもらえるのか。スタッフは知恵を出し合っています。

身近な動物にも目を向けて!

おびひろ動物園 キツネ

画像:北海道Likers

キタキツネやエゾタヌキなど、北海道の身近な動物を展示するのもその一つです。ほとんどが保護された動物で、元気になって自然界に戻すこともあれば、それができずに飼育し続けることもあるそうです。

おびひろ動物園 シカ

画像:北海道Likers

エゾシカは道内のどこでも見ることができますが、生態まで知っている人は少ないのではないでしょうか

エゾシカは夏と冬の年2回、換毛期が訪れます。夏は“鹿の子模様”と呼ばれ、茶色い毛に白い斑点が浮かび、冬毛は斑点はなく灰色になります。エゾユキウサギも同様に、季節によって毛の色が変わります。これらは森の中で外敵から身を隠すためと考えられています。

おびひろ動物園 エゾタヌキ

画像:北海道Likers

エゾタヌキは日中は寝て夜に活動を始めます。臆病な性格で車のヘッドライトに驚いて身動きが取れなくなってしまうため、車に轢かれやすいと言われています。夜の山道走行は充分注意してください。

おびひろ動物園 飼育員さん

画像:北海道Likers

こうして身近な動物への理解を深めることで、生息環境に関心をもったり、共生するための方法を考えたりする機会になります。同じ北海道に生きる者として、身近な自然動物にももっと目を向けていこうと筆者も感じました。

帯広と言えば「豚丼」

おびひろ動物園 豚丼

画像:北海道Likers

お腹が空いたら『カンガルーポケット(売店・レストラン)』でランチをしましょう。

ラーメンやそば、カレーライスの他に、十勝名物の『豚丼』(600円)もあり、お肉の量も多く、とてもボリューミーです。山椒を軽くかけると、ピリリとパンチが効いて味変が楽しめます。お腹も心も満たされました。

子どもの頃の思い出が蘇る!

おびひろ動物園 ゴーカート

画像:北海道Likers

多くの動物園で遊具が消えゆく中、おびひろ動物園は、昔懐かしい遊具が子どもたちを楽しませてくれます。園内では、たくさんの子どもたちの笑顔を見ることができました。全体的にフラットなので、ベビーカーや車椅子の方にも負担が少ないのが嬉しいですね。

おびひろ動物園 観覧車

画像:北海道Likers

200円で約10分の空中散歩が楽しめる観覧車は、天気が良ければ十勝平野が一望できますよ。

おびひろ動物園 ふれあい舎

画像:北海道Likers

『おびひろ動物園』の入園料はワンコインでおつりがくる420円。『飼育係体験』や『飼育員のガイドつきで観察するツアー』なども開催されています。そんな魅力いっぱいのおびひろ動物園を思う存分、楽しんでみてくださいね。

【施設詳細】
おびひろ動物園
住所:北海道帯広市緑ヶ丘2
電話番号:0155-24-2437
営業時間:開園期間・開園時間及び休園日などは時期によって変わります。公式ホームページでご確認ください。
この記事は取材時点の情報です。最新の情報は各店舗、施設にお問い合わせください。

文/吉田 匡和

【画像】北海道Likers

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