若者の想いが世界中の旅人を惹きつける!札幌で一度は行きたい「ゲストハウス」
みなさんは“ケアツーリズム”という言葉を知っていますか? 旅先での食や交流、地域資源を楽しむことによって、心身が癒されたり、新しい発見や自己成長ができる旅のことをいい、最近注目されているんです!
今回訪れたのは、札幌市豊平区の閑静な住宅街に佇む、築60年のアパートを改装した「ゲストハウスwaya」。「すべての人が心の中でただいまと言える居場所をつくる」を目標に掲げているだけあって、国内外の旅行者や地元の人たちと交流を深め、刺激や活力を得る“ケアツーリズム”が体験できる場所です。
2023年2月からマネージャーを務める前田和佳奈さんにお話を伺いました。
新卒3人が開業!「ゲストハウスwaya」
「ゲストハウスwaya(以下、waya)」は、2014年に新卒3名によって開業しました。大学を卒業したばかりで、旅行業はおろか、社会人の経験もありませんでした。苦労して物件を見つけ、約200人の協力のもと古いアパートを改装し、オープンにこぎつけたのだそう。
破天荒と思われる挑戦だけでなく、旅人を和ませるホスピタリティが注目され、世界中からゲスト(宿泊客)が集まる人気のゲストハウスに成長しました。
マネージャーも「waya」でエネルギーをもらった一人
歌人の松尾芭蕉が『おくのほそ道』で「月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり」との言葉を残したように、古くから人生は旅に例えられています。マネージャーの前田さんの“人生の旅”は、「waya」との出会いからスタートしました。
「私は高校生のころ、やさぐれた日々を送っていました。両親や先生の言葉に反発し、何の目標も持てずにいました」と振り返ります。
そんなとき、学校で特別講義が開催されました。登壇者は「waya」創業者の河嶋峻さんと柴田涼平さんの二人。“世界中を旅する”という大きなスケールや、“就職ではなく起業”といった話に、高校1年生の前田さんはグイグイ引き込まれていきました。
前田さんは、高校2年生の時に、「waya」でインターンシップを体験します。ベッドメイキングをしたり、掃除をしたり、みんなでご飯を食べたり、ゲストと話したり、住み込みで働くヘルパーの旅の話を聞いたり……。毎日が楽しく新鮮だったと言います。
子ども扱いをせず、インターンシップに対して「なぜ起業したのか」「なぜ地域共生なのか」など、自分たちの想いをプレゼンテーションしてくれたことも嬉しかったそうです。
2日間のインターンシップ後、前田さんは高校卒業後の進路を“保育”から“国際文化”に変更しました。その後も「waya」でヘルパーをしたり、東南アジアを旅したりと、いつもそばに旅がある大学生活を過ごしたそう。
卒業後は「いつかは自分もゲストハウスをオープンしたい」と夢見ながら、出張喫茶をオープンして「waya」に間借り喫茶を開いたこともありました。
全力投球の前田さんから元気をもらう
2023年の冬、タイに滞在していた前田さんに柴田さんから「『waya』のマネージャーをお願いできないか」と連絡が入ります。シェアキッチンやシェハウスなどでコロナ禍を乗り越えた「waya」が、春からゲストハウスとしてリニューアルオープンするため、自分たちのマインドを理解している前田さんに運営を任せたいとのことでした。
「『waya』のスタッフになることは高校の時からの夢でもあったので、すごく嬉しかったのですが、人気のゲストハウスを運営できるかプレッシャーもありました。しかし、夏ごろからお客さんが一気に増えて大忙しになり、悩む暇もないくらい毎日が充実していました」
前田さんの仕事に対する姿勢は毎日が全力投球です。「ゲストとの出会いは一期一会なので、また泊まりたいと思っていただけるよう、誠意を尽くしています」と語ります。札幌市内のホテル不足から、近年ではビジネスユースのゲストも増えているとのこと。
「ゲストハウスを利用する旅行者は賑やかに過ごすのが好きですが、ビジネスのお客さんは静かに過ごしたい方が多いようです。それぞれのニーズに応えることが必要だとわかりました」
前田さんのお話を聞いていると、筆者も内からエネルギーが湧き出てくるようでした。
国内外のゲストを惹きつける!シンプルで安らぐ空間
客室は2階にあります。階段は昔のアパートそのもの。足を滑らせないように注意してください。
混合ドミトリーには、セミダブルサイズの特注の2段ベッドが設置されています。
女性専用ドミトリーや、洋室タイプの個室(1〜2名)も用意されています。
簡易キッチンは冷蔵庫や電子レンジが自由に使え、IH調理も可能。各種調味料や食器も用意されており、自炊する方も多いそうです。インスタントコーヒーや紅茶などは無料で利用できます。
広々としたギャラリーは、まるでコワーキングスペースのよう。日本らしさを感じる和室もあり、さまざまな用途に対応しています。
ギャラリーの壁には、ゲストが書いたメッセージが掲げられています。一人ひとりの想いが込められており、「waya」の大切な宝物です。
ゲストもローカルの人も入り混じる!バーラウンジ
1階には、お酒と食べ物を楽しみながら、さまざまな国の人が出会えるバーラウンジがあります。ローカルの人の利用も多く、ここに来るだけで旅の気分が味わえます。
単に泊まるだけでなく、いろいろな出会いを通して新たな発見ができ、前向きな活力が湧いてくるような宿だと感じました。
イベントも多種多様。海外の旅人と会話し、ネイティブな英語を学ぶ『WAYA ENGLISH NIGHT』や、みんなでボードゲームを楽しむ『WAYA BOARD GAME NIGHT』などが毎週開催されています。
ときどき開催される『WAYA MUSIC NIGHT』では、国籍を超えてセッションが行われることも。音楽は世界の共通語。大いに盛り上がるそう。
「waya」に長期滞在してヘルパーとして働くゲストもいます。またヘルパーを経て、カレーショップやサンドイッチ専門店をオープンするなど、新たな冒険を始める人もいるそう。前田さんも「waya」に出会って人生が変わったうちのひとりです。
旅(人生)のスタイルは人それぞれ。もし何かに悩んでいたとしても、「waya」でたくさんの人と触れ合うことで、進むべき道が見えてくるかもしれない。筆者はそんな期待が持てました。
みなさんもぜひ「waya」で、新たな出会いや刺激を通して、今後の人生のための前向きなエネルギーを得る“ケアツーリズム”を体験してきてください!
<施設情報>
■ゲストハウスwaya
■住所:北海道札幌市豊平区豊平2条4丁目1-43
■電話番号:070-6607-0762
■チェックイン:16~22時
■チェックアウト:~11時
■ホームページ:https://www.waya-gh.com/
【画像】ゲストハウスwaya
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