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実質無料プランも後押しに。窮地に現れた「猫の店長」と歩む、旭川のゲストハウス

『ゲストハウス アサヒカワライド』は、旭川駅から平和通買物公園を通って約12分という立地にありながら、1泊3,600円というリーズナブルな料金で泊まれる、男女混合ドミトリータイプの人気ゲストハウスです。オーナーの杉浦哲也さんはアウトドア好きで、スキーや登山道具等のレンタルも行っています。

今回はそんなマチナカからアウトドアライフをサポートする『ゲストハウス アサヒカワライド』にお邪魔しました。

アウトドア好きが経営する「ゲストハウス アサヒカワライド」

旭川は雄大な山々に囲まれ、四季の変化に富んだ美しい街です。登山やスキー、スノーボード、ラフティング、サイクリングなど、一年を通してさまざまなアウトドアを楽しむことができます。

『ゲストハウス アサヒカワライド』は、2018年2月にオープンしました。オーナーの杉浦さんは愛知県出身。「スキーをするために北海道の大学に進学した」と豪語しています。在学中は登山やサイクリングなども始めるなど、北海道のアウトドアライフにどっぷりと浸かっていたと言います。

大学を卒業すると海外青年協力隊に参加。帰国後は北海道庁に勤務して林業関係の業務の担当となり、名寄(なよろ)や倶知安(くっちゃん)などの赴任先でアウトドアライフを楽しんでいました。

「仕事や趣味で自然と接することが多く、アウトドアに関する仕事に就きたいと考えるようになりました。そこで好きなアウトドアを活かせるゲストハウスをオープンすること思いついたんです」

旭川エリアは大雪山系の山々に囲まれて雪質も最高。アウトドアを楽しむには最適の街です。

杉浦さんは道庁を退職し、旭川市が募集した地域おこし協力隊に参加。地域との関係性を広めながらゲストハウス設立の準備を進めていたところ、知人の紹介で廃業したゲストハウスを借り上げることに成功。自ら改装をし、2018年2月に『ゲストハウス アサヒカワライド』をオープンしました。

旅人による旅人のためのゲストハウス

旭川駅から近く、買物公園の中にある好立地でありながら、宿泊費は格安。客室はすべてドミトリータイプで、男女混合(8人部屋・4人部屋、2段ベッド)と、女性用(4人部屋、2段ベッド)が用意されています。

ベッドはゆっくりと休めるセミダブルサイズを備え、荷物を置けるスペースが確保されています。また、全ベッドにコンセント・USB電源・小テーブル・ベッド照明・洋服掛け・洗濯ひもの装備があるなど、随所に旅好きらしい杉浦さんの気配りが見られます。

リビングルームは、手作りのテーブルや『旭川家具』のスツールなど木をふんだんに使った落ち着く空間。窓からは平和通買物公園が眺められ、冬まつりの時期には街あかりのイルミネーションと氷彫刻世界大会の様子を見ることができます。

旭川のクラフトを代表する『淳工房』の木グラスやランプ、東川のクラフト工房『コタン・クル・カムイ』の掛け時計など、このエリアの厳選した家具・クラフト作品を置いています。リビングのセンターテーブルやキッチンカウンター、男女混合ドミトリーBのテーブル、椅子などは杉浦さんの手作りです。

世界中の人が集まるゲストハウスが一変。苦しいときに出会った「ヨネスケ店長」

世界中からお客さんが宿泊するようになり、「いつかは地図をピンで埋め尽くしたい」と思っていた矢先、新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るい始めます。長年一緒に暮らしていた猫も虹の橋の向こうに行ってしまい、杉浦さんの気持ちはどん底に。先が見えない不安に押しつぶされそうになりました。

杉浦さんは「生活費を稼ぐために米農家でバイトなどをしていました。農家で飼われていた猫が子どもを産んだ話を耳にし、思わず“一匹育てさせてください”と言ってもらってきたのが、店長を務めているヨネスケです」と話してくれました。

ヨネスケはとても人懐っこく、杉浦さんの横でおとなしくしていたかと思えば、お客さんに甘えることも。

猫好きのお客さんもリピートするようになり、まさに“招き猫”。

国の支援を利用してゲストハウスに足を運んで

現在『ゲストハウス アサヒカワライド』では、『どうみん割』のプランを実施しており、実質無料になることも客足を戻らせる要因になっているようです。

『どうみん割』は、2022年9月30日(金)宿泊分までと、残り少なくなっていますが、政府は今後『どうみん割』などの『県民割』に引き続いて、『全国旅行支援』を予定しています。平日に鉄道やバスなどの公共交通付き旅行商品を利用すれば、飲食店などで使えるクーポンも含め、1人1泊当たりの最大支援額は11,000円になり、『県民割』より4,000円高くなるといわれています。

実際に導入するかどうかの判断は都道府県に委ねる方針で、感染状況によっては実施を見合わせる都道府県が出る可能性もありそうです。今秋から開始予定と報道されていますが、まだ明確になっていない状況で、今後の成り行きが注目されます。

 

ゲストハウスの経営は個人事業者が多く、いずれも窮地に立たされてきました。国の制度を利用しながら、リーズナブルに宿泊して楽しい思い出をたくさん作れるといいですね。

<店舗情報>
■ゲストハウス アサヒカワライド
■住所:北海道旭川市6条通7丁目31-10日昇ビル2F
⇒予約先など詳細はこちら

【画像】ゲストハウス アサヒカワライド

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