お菓子屋さんが牛も鶏も育てる!? ヒット商品の裏にある想い

『北海道Likers』がお届けする新ラジオ番組『北海道Likers Voice〜北海道をもっと好きになるラジオ〜』。

「北海道でいちばん聴かれているラジオ局」として支持される『株式会社STVラジオ』と連携し、毎週土曜22:15〜22:30に放送。北海道を盛り上げている人や次のトレンドを創る人(=ライカーズ)をゲストに迎え、あふれる北海道愛を声(=Voice)で伝えます。

今回は2023年12月23日の放送回をご紹介します!

メインパーソナリティー

田村みなみさん(以下、田村さん):『株式会社STVラジオ』
柳澤美空(以下、柳澤):『北海道Likers』プロデューサー

今回のゲスト

荒木多理愛さん(以下、荒木さん):「株式会社ユートピアアグリカルチャー(以下、ユートピアアグリカルチャー)」ブランド担当マネージャー

スイーツの原料へのこだわり、循環社会への想い

今回は、前回に引き続き、「ユートピアアグリカルチャー」ブランド担当マネージャーの荒木多理愛さんをゲストに招き、北海道での酪農やものづくりへの想いを語っていただきました。

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前回の放送内容はこちら!

 

田村さん:先週は、「ユートピアアグリカルチャー」は「北海道コンフェクトグループ株式会社(以下、北海道コンフェクトグループ)」というお菓子メーカーグループの中の農業生産法人で、メインの事業は“酪農”というところまでお話を伺いました。どんなスタイルの酪農をされていらっしゃるのでしょうか?

荒木さん:はい、放牧による酪農を実践しております。なかでも、牧場とお菓子工場とお客様まで巻き込んだ“循環”を大切にしています。

荒木さん:放牧は、牧場内に生えている牧草を牛が食べ、糞尿を地面に落とし、その上をまた牛が歩いて土が良くなります。有機物が増えたり、土の栄養分が良くなったりして、良い草が生えてきます。草が生えてくる途中で、牛が出すメタンガスを吸収して土壌に溜め込んでいくので、かなり環境にも良い飼い方です。

また、私たちはお菓子工場を持っているのでどうしてもスポンジやクッキーの屑が出るのですが、それを運営している養鶏場へ送り、鶏に食べてもらっています。

柳澤:餌になるんですね。

荒木さん:はい。それによって甘みやコクのある良い卵ができます。

田村さん:すごい!

荒木さん:そんな牛乳と卵をお菓子工場へ持っていくと、原材料に良いものを使っているので非常に良いお菓子ができるんです。そしてお客様に楽しんでいただけます。

地球環境にも動物にも、そして人にも良い循環ができているかなと思います。

柳澤:普段私たちが楽しんでいるお菓子が、実はこういった循環の中で生まれているというのは、新たな気づきでした。面白いですね。

田村さん:本当ですね。そういったみなさんの想いで生み出された牛乳や卵が、先週いただいた『CHEESE WONDER』に繋がったり、グループ内のブランドのスイーツになったりしているということなんですね。

荒木さん:そうですね。放牧牛乳と平飼い卵は、グループ各社の素材として使われており、良さを発揮しています。

柳澤:放牧牛乳や平飼い卵も買えるのでしょうか?

荒木さん:はい。オンライン限定にはなりますが、4週に1度、サブスクリプションのスタイルでお届けしております。放牧牛乳・平飼い卵・飲むヨーグルトのセットです。

なぜサブスクリプションにしているかというと、放牧によって牛乳を作ると、季節によって味が変わっていくんです。例えば、冬は寒くて牛が脂肪分を溜め込むので、少し濃いというかコックリした味になるという若干の違いがあります。

年中通して変化を楽しんでいただきたいという想いで、定期便で販売しております。

柳澤:季節でそんなに変わるんですね。

荒木さん:夏はあっさり、冬はこっくりというか。変わっていきます。

田村さん:今日は牛乳もご用意いただきました。柳澤さん、いただきましょうか!

柳澤:はい! 色がいつも飲んでいるものよりも若干黄色というか……。

荒木さん:牧草に含まれるビタミンやカロテンの色が出て、少し黄色くなっています。

田村さん:見た目にもすぐに表れるんですね。では、いただきます!

柳澤:いただきます!

田村さん:濃い!

柳澤:美味しい……。これが冬ならではの濃さなんですね。

荒木さん:そうですね。

田村さん:味がしっかりとしていますね。

柳澤:香りも特徴的な感じがします。美味しい!

田村さん:まろやかというか、こってり? サラサラではない感じがします。味がしっかりとしていて、美味しいですね。

荒木さん:ありがとうございます。飲んでも違いを感じやすいと思うのですが、放牧牛乳はお菓子に加工するとさらに風味が出ます。やはりお菓子に使いたいという想いがありますね。

田村さん:飲む以外にお菓子として食べると、また違った風味でより良い牛乳らしさが感じられると。

柳澤:北海道には酪農家さんが多くいらっしゃいますし、大規模な農業法人もあると思いますが、そのような環境の中で酪農や養鶏、つまり“原材料から作る”ということを始められたきっかけは何だったのですか?

荒木さん:お菓子屋なので、グループではお菓子作りにおいて大切にしている“美味しさの三原則”というものがあります。1つ目が、よりフレッシュであること。2つ目が、より手間をかけること。3つ目が、より良い原材料を使うこと。

“フレッシュさ”や“手間”はこちら側で何とでもなる部分ではありますが、“より良い原材料を使うこと”は、仕入れをしているだけではなかなかこだわりきれない部分です。「じゃあ自分たちでやってみよう」ということになり、お菓子屋が農業部門を始めたというのがきっかけです。

今、世の中では、メタンガスを多く出すので地球温暖化に繋がるということで、牛が悪者とされることもあります。

そのため、アメリカでは牛を飼うのではなく代替乳・代替肉を使おうという風潮ですが、大切な人の誕生日やお祝いこそ、本当に美味しい牛乳、本物の牛乳で作ったケーキを食べてもらいたいですよね。

本物の素材を使い続けてお菓子を作りたい。環境に負荷をかけない方法で酪農を続けることができないかと考え、模索しました。そして、放牧酪農であれば環境に負荷をかけず、なんなら環境を再生させて酪農ができるのではないかと可能性を見つけ、行っているところです。

田村さん:今までのお話の中で、「ユートピアアグリカルチャー」さんの商品はオンライン販売やサブスクリプションが中心で、牧場やお店など、私たちが直接目にしたり接したりできる機会があまりないのかなと感じているのですが、何か展開を考えていらっしゃいますか?

荒木さん:お店は今のところ考えていないのですが、1か所だけ来ていただける場所が札幌市盤渓(ばんけい)にあります。

田村さん:スキー場がありますね。

荒木さん:はい。山地酪農の実験をしている「盤渓農場」というところで平飼いの養鶏をしており、採れた卵を自動販売機で販売しています。冬期はお休みをいただいていて、次に買えるのは春になりますが、そこで卵を買っていただけます。

柳澤:最後に、「ユートピアアグリカルチャー」さんの今後の展開について教えていただけますか?

荒木さん:私たちの目標は“放牧酪農の価値を上げる”というところにありまして、本物の素材が残り続けるようなことをしていきたいです。お菓子屋ですので、本物の美味しい素材を使ったスイーツをこれからもみなさまにお楽しみいただきたいと思っております。

田村さん:“美味しい”は当たり前のことではないのだと改めて感じました。

荒木さん:ありがとうございます。お菓子屋さんとして呼ばれたのですが、環境問題のことばかりお話しして恐縮です。『CHEESE WONDER』やお菓子を通じて、少しでもそういったことも気にかけてもらえたらなと思っております。

田村さん:本日はありがとうございました。

荒木さん:ありがとうございました!

「限定」「生」に惹かれる…!冬季限定の新作スイーツ

身近な話題をピックアップしてお伝えする『Likers PICKトーク!』。今回は、「北海道コンフェクトグループ」の冬季限定ブランド「SNOWS(スノー)」から発売された新作スイーツについてトークしました!

柳澤:今夜は『北海道Likers』に先月掲載したばかりの記事から、冬限定のスイーツの話題です。

田村さん:“限定”といわれると惹かれますね!

柳澤:その言葉には弱いですよね(笑) 今回ご紹介するのは、「北海道コンフェクトグループ」が毎年冬だけに展開しているブランド「SNOWS」のスイーツです。

柳澤:まずは『スノーサンド』という商品。白黒2つの種類があり、“とろけるチョコレートをバター香るラングドシャにしのばせた、新食感の生チョコレートサンドクッキー”だそうです。

田村さん:新食感!? 試したい……。

柳澤:もう1つは『スノーボール』という商品。“まろやかな生クリームを生チョコレートで包み込んだ生トリュフチョコレート”だそうです。2つの生を一緒に楽しめる“W生スイーツ”ということで、こちらも聞くだけでお腹が空いてきますね。

田村さん:“生○○”はやはり魅力的ですよね! 「もうこれ以上紹介しなくてもいいんじゃないですか?」というくらい、間違いなく入手困難になりそうではないですか?

柳澤:そうですね。『スノーサンド』も『スノーボール』も、11月上旬からオンラインショップのほか、北海道では新千歳空港の4つの店舗から販売されています。

私も札幌から帰るときに空港を使うので毎回買おうと思うのですが、大人気すぎて売り切れてしまっているんですよね。この前は、来たときに買うことができました。

田村さん:計画的に(笑)

柳澤:はい(笑) 両方いただいたのですが、本当に美味しくて、ぜひ食べていただきたいですね。

田村さん:みなさん、その商品を目がけて行くことも多いということですね?

柳澤:多いと思います。実際の店舗以外でも、「SNOWS」の公式LINEの登録者限定で、毎朝10時からオンラインショップがオープンしているようなので、そちらもチェックしていただければと思います。

田村さん:ゲストの荒木多理愛さんから、放牧牛乳には放牧牛乳ならではの味わいがあり、春夏秋冬によっても違うというお話を伺いました。冬だからこその牛乳の美味しさを活かした冬限定のこちらの商品、ぜひ食べたいですね。

ゲストからコメント!荒木多理愛さんより

Q. あなたの北海道“LIKE”は?

A. 食べ物が美味しいところです。ラーメン、ジンギスカン、海鮮など色々ありますが、やはり北海道のお菓子は別格だなと思います。新千歳空港のお土産屋さんでは目移りするほど魅力的な商品が溢れていてワクワクします。

Q. ラジオに出てみての感想や伝えたいメッセージがあればお願いいたします!

A. 緊張しましたが、お二人とお菓子や農業の取り組みについてトークする、貴重な機会をいただけて光栄です。

今後も美味しいお菓子を通じて、少しでも酪農養鶏の取り組みに興味を持ち、応援していただける方が増えるように頑張ります!

 

『北海道Likers Voice〜北海道をもっと好きになるラジオ〜』は、『STVラジオPodcast』でも聴くことができます。次回分の公開もお楽しみに!

【画像】株式会社STVラジオ、株式会社ユートピアアグリカルチャー、北海道コンフェクトグループ株式会社

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