カレー

ボウリング場で本格インドカレー!? 20年以上札幌で愛されるスパイスの香り

「モハンディッシュ 新さっぽろ店」があるのは、ボウリング場という予想外の場所。ピンが倒れる音と歓声が入り混じる中に、食欲を刺激するスパイシーな香りが漂っています。

「インドと異なる日本のカレー」とクラーク博士

日本ではルウを使った、とろみがあるカレーが一般的ですが、インドでは多数のスパイスを調合して作ります。日本のカレーは直接インドから入ってきたのではなく、イギリスを起源としています。18世紀ごろ、インドを植民地にしていたイギリスがカレーを本国に持ち帰りました。その際にさまざまなスパイスを調合する手間を省くために、カレー粉が発明されたといわれています。

日本では1870年ごろ、のちに日本初の物理学者となる山川健次郎が米国留学に向かう船上で初めてライスカレーを食べたといわれています。1876年に開校した札幌農学校では、クラーク博士の提案によりライスカレーを1日おきに食べることが奨励されていたのだとか。※諸説あります

札幌の本格的インドカレーの草分け的存在「モハンディッシュ」

「モハンディッシュ」は、札幌市内6店舗で本格的なインドカレーを提供しています。オーナーのモハンさんは、インドのデリーご出身です。本国でカレー料理人としての経験を積み、20年以上前に知人の紹介で札幌にやってきました。

職人

「モハンディッシュ 新さっぽろ店」の職人さん 出典: 北海道Likers

インドには28の州があり、それぞれ独自のカレー文化があります。「モハンディッシュ」では、生クリームやバターなどの乳製品を使用した濃厚な味わいと、とろみのあるソースが特長的な“北インドカレー”を提供しています。

常に最高の美味しさを引き立てられるよう、配合するスパイスは40種。デリーの美味しさを札幌で味わうことができます。

ボウリング場に漂うスパイシーな香り

「モハンディッシュ 新さっぽろ店」は、惜しまれて閉店した「名水ラーメン 厚別店」の店舗に、持ち帰り専門店として2022年10月にオープンしました。

本格的インドカレーの美味しさが評判となり、「ゆっくり食事ができるスペースがほしい」という要望を受けて、2023年2月に「厚別パークボウル」内に移転しました。

テーブルからレーンを望め、ボールが転がる音やピンが倒れる鈍い音が聞こえてきます。ボウリングファンにはたまりません。

平日限定のランチは、最初にお好みのカレーを6種の中から選び、次にナンかライス、またはハーフ&ハーフを選びます。最後に5段階からお好みの辛さレベルを決定して、できあがりを待ちます。

筆者はまず『チキンカレー』を注文しました。

テーブルに運ばれてきて、びっくり。奥行きのある器にカレーがたっぷり入っています。ナンは直径40cmほどの大きさで、皿からはみ出ています。

ナンの原材料は生クリーム多め。バランスの良い甘味で、柔らかくリッチな食感を楽しめるように仕上げられています。

スタンダードな味を楽しむために、『レベル2』の“辛さひかえめ”を選びましたが、個人的には「もう少し辛くてもいいかな」という感じです。普段中辛を好む人は『レベル3』でもいいと思います。

『レベル5』以上の場合、『20~49レベル』は+100円、『50~100レベル』は+150円でオーダーできます。興味がある人は挑戦してください。

これも食べてほしい!モハンさん自慢の「ほうれん草カレー」

「一番人気は『チキンカレー』ですが、スパイスを贅沢に使った自信作もありますし、『ほうれん草カレー』もおすすめです。さまざまな味を楽しんでほしいのですが、みなさん、一度気に入ったカレーを食べ続ける傾向があります」と、モハンさんは嘆きます。

その言葉を受けて、翌日に『シーフードほうれん草カレー』をいただきました。辛さはワンランク上げて『レベル3』、ライスはなしでナンだけでいただきます。

さすがはモハンさん渾身のカレー。深い味わいで、さまざまなスパイスや素材が絡み合っている感じが伝わります。ワンランク辛さをアップするとスパイシーさが増しました。辛さの中にうまさがあり、器の中のカレーが減っていくのが寂しくなるほどの美味しさでした。

 

みなさんもぜひ本格的インドカレーとボウリングを楽しんでください。

<店舗情報>
■モハンディッシュ 新さっぽろ店
■住所:北海道札幌市厚別区厚別中央3条4丁目5-1 厚別パークボウル1F
■電話番号:011-891-3030
⇒営業時間など詳細はこちら

【参考】農林水産省、エスビー食品株式会社、ハウス食品株式会社
カレーはどこから来たの? / 農林水産省
カレーの日本史 / エスビー食品株式会社
カレーの日本史 明治 / ハウス食品株式会社

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