道外からの来客も。「愛情と真心が詰まった」ボリューム満点!懐かしの母の味

みなさんは“おふくろの味”というとどんなものを思い浮かべるでしょうか?

今回は、“十勝のお母さん”が営む「Farm Kitchen 佐倉cafe」へ取材に伺いました。

お母さんの味を楽しめる「Farm Kitchen 佐倉cafe」

「Farm Kitchen 佐倉cafe(以下、佐倉cafe)」は道東・十勝の士幌町(しほろちょう)の佐倉地区にあります。帯広駅からは車で約40分。最寄りの道の駅「ピア21しほろ」からは車で10分。「しほろ温泉 プラザ緑風」からも車で10分です。

帯広駅から車で行く場合は、この看板が目印。見落とさないように注意しましょう。

店内は落ち着いたおしゃれな雰囲気。各席の間には仕切りがあるので、プライベート空間が確保できます。

おひとり様用の、オープンキッチンに面したカウンター席もあります。大きな窓から見える景色も素敵。

お母さんの想いがかたちに

お母さんと北出さん

北出さん(右)と母の厚子さん(左) 出典: 北海道Likers

「佐倉cafe」の北出(旧姓:山岸)さんにお話を聞きました。

「佐倉cafe」は北出さんの母・厚子さんの「たくさんの人が集まり、ほっとできる空間をつくりたい」という想いから、2018年にオープンしました。厚子さんは昔から料理が大好きで、「いつか自分でお店を開きたい」と思っていたんだそう。その想いをかたちにしたのが「佐倉cafe」です。

「佐倉cafe」の母体は北出さんのお父様、山岸利明さんが経営している「山岸牧場」。厚子さんは「うちの牧場の牛乳はおいしい。士幌独自のお土産がないので、あったらいいな」という想いから、2008年「山岸牧場」内に「さくら工房」を立ち上げました。

「さくら工房」では「山岸牧場」の生乳100%と乳酸菌のみで作ったヨーグルトを2010年から販売しています。

こちらは「さくら工房」で作られた、開封直後のヨーグルト。生クリームとヨーグルトの二層に分かれています。生クリームの層は、クリームチーズのような濃厚な味わい。

よくかき混ぜると飲むヨーグルトのような、とろりとしたクリーミーな状態に。また違ったおいしさを楽しめます。

ヨーグルトは『プレーン』と、少しのグラニュー糖とスキムミルクを加えた『セミスイート』の2種類。スキムミルクは、地元の「よつ葉乳業」のものを使っています。

『プレーン』はジャムやハチミツをトッピングしてもおいしいですが、そのまま食べると生乳のほのかな甘みを感じられます。

このヨーグルトは「佐倉cafe」や「Aコープ士幌店」、「しほろ温泉 プラザ緑風」、「道の駅 ぴあ21しほろ」、東京・自由が丘にあるアンテナショップ「MILKLAND HOKKAIDO→TOKYO」で販売中(販売は『プレーン』のみ)。地方発送も可能で、ふるさと納税の返礼品にも選ばれています。

ふるさと納税でヨーグルトを食べてそのおいしさに感動し、わざわざ福岡からカフェに来たお客様もいたのだそう。

ボリュームたっぷりの「今日の気まぐれランチ」

ランチメニューは『今日の気まぐれランチ』1種類のみ。家庭料理にひと手間加えて丁寧に作られています。

この日はキノコのかき揚げがついていましたが、キノコも一度干して旨みを強く引き出しているのだそう。

上にミニトマトがのっているのは、ブロッコリーのポテトサラダ。にんじんは音更産を使っていて、甘くて驚きました。ポテトサラダ横のハスカップゼリーは自家製ソースを使っています。

お味噌汁は広尾産の昆布で出汁を取っていて、地元産の素材にこだわった料理の数々は「おいしい」以外の感想がありません。

自家菜園やご近所の農家さんで採れた新鮮野菜、近隣で採れた山菜など、季節の素材にこだわった料理は、一品一品ごとに厚子さんの愛情と真心が込められています。昔おばあちゃんの家で食べたごはんを思い出すような、どことない懐かしさを感じます。

写真には写っていませんが、もちろんごはん付き。普通の定食と比べるとごはんが少なめなので、たくさん食べたい方は大盛りを注文してください(+50円)。プラス100円でおかわりも可能ですよ。

「ランチはボリュームたっぷりなんですが、残す人がいないんです。みんな残したら悪いと思って、無理して食べてるんじゃないかな(笑)」と北出さん。しかし、実際に食べ始めると箸が止まらず、気づくと完食していました。定食は数量限定なので、予約がおすすめです。

「デザートも食べたいけど、ランチだけでお腹いっぱいで食べられない」というお客さんも多く、少しボリュームを減らしたメニューも検討中なのだそう。「メニューもどんどん進化して、変化を続けています」と北出さん。

こちらは「佐倉cafe」で販売している『ヨーグルト入りチーズケーキ』。「さくら工房」のヨーグルトがたっぷりと使われています。

まわりのサクサク生地に、中のチーズクリームの濃厚さがベストマッチ。カフェメニューとしても提供されています。

「来て良かった」と思ってもらえる空間に

「佐倉cafe」のスタッフは、小さなお子さんがいる女性がほとんど。子どもがいても働きやすい環境を実現しています。

最近はSNSを見て来店するお客様も多いのだそう。リピーターがとても多く、お客様がさらに別のお客様を連れてくることも少なくないのだとか。アットホームな雰囲気の素敵なお店なので、人に教えたくなるのもうなずけます。

「これからも細く長くお店を続けていきたいです。自分たちも楽しく働けて、お客様にも来て良かったと思っていただける空間をつくっていければ」と北出さん。「ここを好きだと思った人が、来てくれる場所にしたいですね。手を広げすぎず、自分たちも楽しめる範囲でやっていければと思います。お客様を楽しませるには、まず自分たちが楽しまないと!」と話します。

カフェの営業日は木~日曜日で日曜日は完全予約制です。12月中旬~3月までの冬期間は休業で、2024年4月からは完全予約制になるそう。

 

みなさんもぜひ「佐倉cafe」を訪れて、お母さんの『今日の気まぐれランチ』でお腹いっぱいになってくださいね。料理のおいしさと素敵な雰囲気のお店に、癒されること間違いなしです。

<店舗情報>
■Farm Kitchen 佐倉cafe
■住所:北海道河東郡士幌町佐倉南2
■電話番号:01564-7-7780
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