650円のランチセットがお得すぎ!「日本で一番畑に行く」勉強熱心なパン屋さん
北海道の十勝地域は日本一の小麦産地。さまざまな品種の小麦が栽培され、毎年7月下旬には“秋まき小麦”の収穫が行われます。
まちにはおいしいパン屋が豊富。今回は、超お得な『ランチBOXセット』がある帯広のパン屋「はるこまベーカリー」へ取材に伺いました。
2023年で24周年を迎える「はるこまベーカリー」
「はるこまベーカリー」は帯広駅から車で10分ほどの場所にあります。バスを利用する場合は「西19条5丁目」のバス停が最寄り。
1999年6月にオープンし、2023年で開店から24周年を迎えました。
店内にはイートインコーナーがあり、焼き立てのパンやコーヒー、紅茶、ミルクなどのドリンクをいただけます。10~14時まではお得な『ランチセット』もありますよ。
店主の栗原さんにお話を聞きました。
栗原さんは埼玉県出身。実家が自転車屋だったこともあり、高校卒業後に自転車で日本1周をしました! 日本1周にかかった期間は約1年8か月ですが、そのうち約1年間は、北海道の川湯にあるホテルで住み込みのアルバイトをしていたそう。そのころから「いつか北海道に住みたい。そのためには手に職が必要」と考え、調理師の専門学校に通いました。
在学中にパン作りに魅力を感じ、卒業後は新宿の小田急百貨店にあったレストラン「トロワグロ」の製パン部門に4年間在職。
その後、29歳のときにワーキングホリデーを利用して、ニュージーランドに行きました。ニュージーランドでは、南側の島を自転車で1周したり、趣味のトレッキングを楽しんだり、牧場やパン屋を巡ったりしていた栗原さん。そのとき、生地の味をいかせるハード系のパンのおいしさを改めて感じたのだそう。
日本に戻ってからは、「十勝サホロリゾート」や札幌のパン屋「ムーラン・ド・ギャレット」(現在は閉店)、知床のユースホステルなどさまざまな勤務経験を経て、帯広で自分の店を開くことに。
日本で一番畑に行くパン屋
帯広で開店してからも、『フードバレーとかち』や『十勝ベーカリーキャンプ』(現在の『北海道小麦キャンプ』)、『十勝パンを創る会』などに参加して勉強を続けてきた栗原さん。『十勝パンを創る会』では、「満寿屋商店」の天方(あまがた)さんたちと共に、自分たちにしか作れないパンを模索してきました。
「十勝の小麦は世界でもトップクラスの品質ですが、ほかの北海道産や外国産の小麦と比べてこそ良さがわかります」と栗原さんは言います。より良いものにするためには比較検討が必要です。お店で使っている小麦も、十勝産100%にはこだわっていません。パンによってブレンド比率を変えています。
「日本で一番畑に行くパン屋」を目指している栗原さん。実際に小麦の刈り取り現場に行き、農家さんと親しくなって教えてもらったことも多いそう。
「現場に行かないとわからないことも多いです。農家の現状を少しでもお客様に伝えられれば。現場を知るのはパン屋としての使命だと思います」
農家さんに消費者からの「ありがとう」を伝えるため、“畑の中で農家さんに感謝状を渡す”といった取り組みもしてきました。小麦農家はなかなか直接消費者の声を聞けないので、とても喜ばれたそう。「これからも“ありがとう”を伝えに行きたい」と栗原さん。
「最近は無農薬や有機農法が注目され、“農薬は悪いもの”のように言われていますが、きちんと勉強すれば、そうではないとわかります。正しい知識を身に着け、自分の目で判断してほしい。人の意見に流されず、自分の舌で確かめて、好きなパン屋を見つけてほしいです」と話します。
お得すぎる「ランチBOXセット」
筆者は今回、木曜・金曜限定の『ランチBOXセット』をいただきました。この日のセットは、『日替わりのメンチカツと爽やかコールスローサラダのサンド』、『トロッと焼きチョコ生チョコのデニッシュ』、『粗挽きポークソーセージのドーナツ』の3品。内容は栗原さんの気分で変わります。その日のメニューはTwitterやFacebookでお知らせされるので、要チェック。電話予約も可能です。
『日替わりのメンチカツと爽やかコールスローサラダのサンド』はふわふわの分厚い食パンに挟まれたメンチカツと、さっぱりしたコールスローの相性が抜群。
『トロッと焼きチョコ生チョコのデニッシュ』は、サクサクのデニッシュをかじると、中からトロッとしたチョコレートが出てきます。
『粗挽きポークソーセージのドーナツ』は、食べ応えのある大きなポークソーセージとふわふわの揚げドーナツがボリュームたっぷりの一品。
この3品で650円(税込)! お店のスタッフからは「やりすぎ」と怒られるそう。
おすすめ商品2つ
ほかにもおすすめをご紹介します。
夏季限定の『リアルメロンパン』。ブリオッシュ生地に「ウエダオーチャード」(富良野市)の有機栽培メロン、アーモンドクリーム、手作りカスタード、生クリームをブレンドした自家製クリームを贅沢にサンド。
一口かじると、みずみずしいメロンの果汁が口いっぱいに広がり、ブリオッシュ生地とクリームとの相性が最高です。パン好きで有名な俳優の木南晴夏さんも、来店した際に食べられて絶賛されたそう。例年お盆過ぎまで販売されますが、早い時間に売り切れることもあるので電話での予約がおすすめです。
こちらは『白いクリームパン』。
「はるこまベーカリー」では、遺伝子組み換えではない飼料を食べて育った鶏が産む、黄身が白い卵を使っているので、白いカスタードクリームができます。普通のカスタードと比べてさっぱりとした印象。生地も普通のクリームパンとは違ってボリュームがあり、食べ応え十分です。
パン屋でなければできなかったこと
「小麦農家と消費者の橋渡しとして、農家からも消費者からも感謝されるパン屋は良い商売」と栗原さんは言います。
「偶然が重なって十勝でパン屋になりましたが、パン屋でなければできなかった仕事がたくさんあります。十勝は、身近に農家さんがいるなどパン作りに向いている場所なので、住んでいるからこそ受け取れるメリットを大事にしていきたいです」
栗原さんは今でも研究を続けていて、現在は大麦を使ったパン作りに取り組んでいます。全国のパン屋に大麦パンのレシピを送って、普及させようとしているんだそう。
「これからも研究を続けて、より進化したおいしいパンを作っていきたい。まだまだ伸びしろがあるので、悩むのも楽しいです」
みなさんも、ぜひ「はるこまベーカリー」を訪れてみてください。おいしそうなパンの数々に、目移りしてしまうこと間違いなしです。
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■はるこまベーカリー
■住所:北海道帯広市西19条南5丁目43-11
■電話番号:0155-38-5311
⇒営業時間やSNSなど詳細はこちら
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