すぎもとファーム

塩コショウもいらない…最高の「普通の豚」。ハム・ソーセージ職人が生み出す旭川の名品

2023.09.29

日本人の食卓に欠かせない豚肉。そのままいただくのはもちろん、ハムやソーセージに加工した豚肉を活用している人も多いでしょう。

北海道旭川市には、少しずつ口コミでおいしさが広がり、今や多くの人が知るハムとソーセージの加工をしている人がいます。スーパーで販売しているソーセージとは違うおいしさは、誰もが納得する味。生産者である「すぎもとファーム」の代表取締役・杉本幸司(すぎもとこうじ)さんに、お話を聞きました。

北海道旭川市の「すぎもとファーム」とは?

杉本さんは、地元の高等専門学校を卒業後、大手企業に就職。最前線で最先端技術を扱う仕事に就き、活躍していました。

しかし、3人兄弟の長男の杉本さんは、次弟と一緒に家業を継ぐことに。1989年、同じく志を持つ仲間と豚肉や加工食品の販売をスタート。工場の立ち上げまでアイデアを広げ、さまざまなことにトライしようとしましたが、残念ながら杉本さんの提案は仲間に通らず断念しました。

1997年には「すぎもとファーム」を立ち上げていましたが、仲間との計画がなくなったことで、2005年に再度「すぎもとファーム」を屋号として再出発。今は、弟さんが養豚業を、そして杉本さんが豚肉の加工業を営んでいます。

「父親の代から、お金の面で苦労が多くて。けれど周囲の人、市役所の農政部の人など多くの人に支えてもらい、ここまでやってこられた。借金は数年前に完済したから、もう頑張ることはせず、“明日できることは明日にしよう”と思いながら続けているよ」とお話しくださいました。

「何も特別なことはない、普通の餌で育った普通の豚です」

「お客さんによく聞かれるんだ。“なんか特別な豚なのかい?”って。なんも特別じゃないよ。普通なの。餌も普通。わかってくれる人だけわかってくれればと思ってる」と杉本さん。

「すぎもとファーム」には販売スペースと加工場がありますが、入り口の冷蔵ケースには、きれいな豚肉の色をしたソーセージや、燻製されたソーセージやベーコン、美しく切り分けられたスライス肉が並んでいます。

筆者が手に取ったのは、大きく美しい5本のソーセージ『ブラートヴィルスト(230g)』。「すぎもとファーム」の商品は、肉そのものを食しているような、まさに“素材の味がする”ソーセージです。見た目からおいしさが感じられます。

「必ず加熱してお召し上がり下さい」と注意書きがあったので、フライパンで焼くことにしました。

焼く前は柔らかだったソーセージは、火を通すとぷりぷりに。火が通るごとに肉汁があふれ、いい香りが漂います。

ポーク100%の生ソーセージである『ブラートヴィルスト』は、あふれる肉汁がジューシー! 塩コショウなどの味付けをしないで、そのままでいただいた方がおいしいんです。

自分の子どもに食べさせたいものを…!

「私の子どもに食べさせたいものを……」杉本さんの名刺には、そう書き添えられています。未来ある大切なわが子に食べさせたいものとは、どんな食べ物だろう。名刺を拝見したときに、自分の胸に自然と聞きたくなりました。

「何も特別なことはないよ」と繰り返し話していた杉本さん。手と心をかけ毎日一生懸命にソーセージを作る杉本さんのお姿から、食べてくれる人たちへの想いが感じられました。

 

「わかる人にだけ食べてもらえれば。おいしさをわかってくれればいい」

「すぎもとファーム」のソーセージは、レストランや飲食店でメニューにされているほか、北海道旭川市のふるさと納税の返礼品にもなっています。ぜひ一度、この味をいただいてみませんか?

<店舗情報>
■すぎもとファーム
■住所:北海道旭川市西神楽2線6
■電話番号:0166-65-9303
⇒営業時間など詳細はこちら

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