スワン

何個でも食べられちゃう!「あのころ」の気持ちを大切にしたケーキとパンのお店(新得町)

北海道の中心に位置する新得町は、日高山脈と東大雪の山々に抱かれ豊かな自然に囲まれています。そばの町としても有名で、新そばのとれるころに開催される『しんとく新そば祭り』は最大2万5千人もの人々が集まる大きなイベントです。

そんな新得町の駅前の一角にある「ケーキ屋スワン」。オープン当初から地元民のみならず帯広からもファンが足を運び、たびたび行列ができる人気店です。今回は店主の平村さんにお話を伺いました。

あのころの気持ちが今も胸に!「ケーキ屋スワン」店主の夢

平村さんがパティシエになったきっかけは、なんと小学生のころ。自宅でよくお菓子作りをしていたお姉さんの影響で、ご本人もじわじわとハマっていったんだとか。

どうしてもうまく作れなかったのがスポンジ。何度作っても納得がいかず、「なんでだろう」という想いがどんどん強くなります。ついに「学びにいこう」と心に決め、製菓の専門学校へと進学しました。

その後、大きなケーキ屋さんに就職。そこで1日に20回もスポンジケーキを作るうちに、コツをつかんでいきました。今ではスポンジが一番得意です。

素材へのこだわりは生産者さんへの想いから

スワン

ケーキやパンに使用している素材は店頭でも販売されています 出典: 北海道Likers

「ケーキ屋スワン」の人気の理由は、何といっても「ついついもう1個」と手を伸ばしたくなる控えめな甘さやあっさり感、そして食感。その秘訣は素材へのこだわりです。

もともと平村さんが修行していた函館のお菓子屋の社長さんは、食材にこだわり質の良いものを使っていました。平村さんは十勝へ来て、さらに素材一つひとつの成り立ちを見て驚き、感動して、「より大切に使おう」という気持ちが強くなったそうです。

「ケーキ屋スワン」のお客様の多くは生産者さん。とくに酪農家さんが多いとのこと。

平村さんはほかの何よりも酪農家さんのお仕事が一番大変だと感じているため、尊敬の念がとても強いといいます。

ケーキにもパンにもたくさんの牛乳、バター、生クリームを使用しているからこそ、ますます酪農家さんへの想いが深まり、お仕事にも力が入るのだそうです。

十勝での活躍は第4ステージへ

平村さんは修行をしていた函館から十勝へ来た際、物件を探していると、スイーツ店「ペイストリーストーブハウス」の塚田社長に出会いました。

2人は意気投合し、塚田社長は運営・平村さんは職人として、狩勝峠の1合目にあるパーキングにて、小屋でケーキを出すカフェをスタートさせたのだとか。

やがてパンも出すようになり、徐々にお客様が増えて知名度が上がっていきます。そんな矢先に、帯広競馬場隣接の「とかちむら」へ移転。店舗が広くなり、お客様も増えて忙しい日々が続きました。

広い厨房ににぎわう店内。嬉しい反面、常連さんとおしゃべりができなかったり、商品について説明する機会が減ったりしていることも気になっていたそう。

何よりも平村さんを動かしたのは、ある新得町の酪農家さんとの「自分のところのフレッシュチーズでチーズケーキを作ってほしい」という言葉。なかなか果たせずにいたことが気がかりでした。

そこで始めたのが、自分のお店「ケーキ屋スワン」。町が起業者を支援する『チャレンジショップ』を利用しました。帯広と行き来しながら、少しずつやりたかったことを実現していきました。

地元のお客様はとてもあたたかく、顔を見ておしゃべりしながら作り、販売できることに喜びを感じているそう。

駅前の店舗は開店から間もなく2年。2023年3月中旬には一度閉店となります。現在、JA新得町の向かいの一軒家を改装し、新しいお店を準備しています。オープンは2023年4月の予定。駐車場も2台分あるそう。店内も自分で選んだ壁紙、什器、配置でより”ケーキ屋スワンらしさ”を発揮できそうです。

 

平村さんのお人柄が表れたやさしいケーキやパンは、何度食べても飽きることはありません。筆者ももちろん大ファン。新しいお店でより多くの人に「ケーキ屋スワン」の味を知ってもらいたいです。

<店舗情報>
■ケーキ屋スワン
■住所:北海道上川郡新得町本通南1丁目
※移転後の新住所:北海道上川郡新得町本通南3丁目21
⇒営業時間など詳細はこちら

※2023.04.06…<店舗情報>を一部修正いたしました。

⇒こんな記事も読まれています
話題の新店も!おすすめテイクアウトグルメまとめ
絶品グルメの宝庫!よらないともったいない道の駅


LINE友だち追加