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小樽を語る上で外せない!名物は「イカメンチ」地元で50年愛される惣菜店

JR小樽駅近く「小樽中央市場」の「そうざいのさかた(坂田商店)」は、客足が絶えない人気店。名物の『イカメンチ』が飛ぶように売れ、一人で大量に買っていく人も少なくありません。

小樽市民を虜にするソウルフード“さかたのイカメンチ”を紹介します。

バラック小屋から始まった「小樽中央市場」の歴史

「そうざいのさかた」は、「小樽中央市場」第3棟に店を構えています。戦後の「小樽中央マーケット」が前身で、混とんとした街に中国東北部などから引き揚げてきた人たちと地元有志の協力によって、この場所にバラックの仮店舗が開かれました。

「小樽中央マーケット」は、市民の台所として利用されましたが、やがて市街地整備区域となり、市から解体・移転を迫られます。創設の中心的存在だった秋田民武氏が何度も市役所を訪れ、「市場は引揚者が苦労してつくりあげた場所」と訴えたことで存続が決定。バラック小屋から常設にすべく秋田氏自ら理事長に就任し、市場組合は法人化されました。

昭和28年5月に第1棟が落成し、翌年には第2棟も完成。第3棟は昭和31年に完成しました。今でこそレトロな雰囲気ですが、当時は近代的設備が話題を呼び、全道から反響があったそうです。

約50年の歴史を刻む「そうざいのさかた」

「そうざいのさかた」は、惣菜一筋50年以上のお店です。長らく「入船市場」で営業していましたが、市場の閉鎖に伴い2017年5月に「小樽中央市場」に移転しました。『イカメンチ』は「入船市場」時代からの看板商品です。

お店は酒田さん夫妻で切り盛りしています。店主の坂田昭之輔さんが80歳を超えているとは思えない動きで惣菜を作る姿は神の領域と思えるほど。酒田さんの仕事ぶりを見ているだけで元気をもらえます。

『イカメンチ』は、約30年前に「市場にあるイカゲソを使って何か新しいメニューができないか」と考えたのが始まりでした。すり身に使う魚をいくつか試したのちに、タラと相性が良いことを発見。湯通ししたイカを細かく刻んで、玉ねぎやキャベツと混ぜて油で揚げると、驚くほど美味な惣菜が完成しました。

味付けは酒田さんオリジナル。翌日でもおいしく食べられるようにパン粉の配合や揚げ方を工夫しているそうですが、できればアツアツ、サクサクを食べたいもの。買ってすぐに「小樽中央市場」の休憩スペースで味わうことをおすすめします。

「入船市場」時代は週2回の販売のみで、売れ切れることも多かったそうですが、「小樽中央市場」への移転により小樽市外からも訪れるお客さんが多くなったため、毎日販売するようになりました。品切れしないよう『イカメンチ』だけで、1日に約350個も揚げているそうです。

ほかにも約50種類もの惣菜を作っているなど、仕事ぶりに頭が下がります。

幻の味「タコメンチ」

あまり知られていませんが姉妹品として『タコメンチ』もあります。積丹産のタコにこだわっているためタコが入手できないと作れず、めったに店に並ばないとのこと。『イカメンチ』の“あっさり”に対し、こちらは“スパイシー”。生姜をきかせて、たこ焼き風に仕上げています。

 

「そうざいのさかた」の『イカメンチ』や『タコメンチ』は、「これを食べずして小樽を語るなかれ!」と、観光客に触れまわりたいほどのおいしさ。

おやつにも酒のつまみにも最適ですが、バンズに挟んでハンバーガーを自作するのもおすすめ。酒田さんは「カレーにのせてもおいしいですよ」と教えてくれました。インターネットと無縁の営業スタイルなため、通販などは行っていません。小樽に足を運んで、できたてを味わってくださいね。

<店舗情報>
■そうざいのさかた(酒田商店)

■住所:北海道小樽市稲穂3丁目11番3号「小樽中央市場」3棟内
■電話:0134-22-1635
⇒営業時間など詳細はこちら

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