ホタテ 大きさ

ずるいくらいの別格ホタテ。驚きの大きさ・旨味の秘密を魚の専門家に聞いてみた

別海町というと“牛乳”のイメージがありますが、独特な形をしている「野付半島」のおかげもあり、豊富な魚介類が水揚げされる町でもあります。その中でも『野付のほたて』は驚くほどの大きさで、ふるさと納税の返礼品としても人気の一品。しかも、大きさだけではなく旨味や甘味も強いのが特徴です。

今回は「おさかなコーディネータ」として魚に関するセミナーや執筆など多数活動されている、“お魚のプロ”ながさき一生さんに『野付のほたて』の大きさや旨味の“秘密”についてお話を伺いました。

また、『野付のほたて』ならではのおいしい食べ方や、冷凍ホタテの解凍方法も教えていただきました!

ながさき一生(いっき) 1984年生まれ。新潟県糸魚川市筒石出身。漁師の家庭に生まれ、家業を手伝いながら18年間海と共に育つ。東京海洋大学卒業後、築地市場の卸会社に就職。その後、同大学院で修士を取得。現在は、東京海洋大学で非常勤講師を行いながら、魚を食べることが好きな人のためのコミュニティ「さかなの会」を主宰。食材としての魚に関するセミナー・イベントを多数開催。2016年には著書を出版。テレビや雑誌・新聞など多くのメディアにも出演している。

味が濃厚で大きいのは「野付半島」のおかげ

ながさき一生さん

今回の取材はオンラインで行いました

北海道Likersライターオオイ:別海町のブランドである『野付のほたて』と、他の産地のホタテの違いを教えてください。

ながさきさん:まずは、ホタテの生産方法の違いについてお話ししますね。ホタテの生産方法は大きく2種類あります。

1つ目は“垂下(すいか)式”といって、ロープに稚貝をつけて海中で成長させたあと、漁獲する方式のことです。北海道の日本海側や噴火湾、東北地方だと青森や三陸などで行われています。“垂下式”の特徴としては、貝が動かない分栄養を蓄えられるので、コッテリとした濃い目の味になります。一方で、貝柱の食感がやや乏しくなりがちです。

2つ目は“地撒(じまき)式”といって、稚貝を海へ放流して2〜4年後に桁網で漁獲します。別海町をはじめとするオホーツク海周辺はこの方式が行われています。海で放流中の貝はたくさん動きます。動いて鍛えられるため、いい食感を味わえるのが“地撒式”の特徴です。その分栄養を消費するため、味はすっきりとした印象になります。北海道ではよくホタテのバター焼きが食べられますが、オホーツク海のホタテは味が淡白だから、バターでコクを足すと味がちょうど良くなるんです。

ホタテ

出典: 別海町

北海道Likersライターオオイ:ということは、別海町のホタテはすっきりした味ということですか?

ながさきさん:ところが、別海町のホタテはめちゃめちゃ味が濃いんです! そして大きいんですよ!

野付半島

出典: 別海町

別海町の漁場である野付半島沖に向かって、オホーツク海からたくさんのプランクトンが流れ着きます。その栄養状態の良い漁場でホタテが育つので、大きさも群を抜いているうえ、味が濃いんです。

また、放流期間も影響しています。“地撒式”は通常2〜4年の間放流しますが、別海町のホタテは3~4年間海で育てます。大きく育つ理由の一つです。

味は濃いし、食感はいいし、そして大きい。『野付のほたて』っていいとこ取りなんですよね。

優れた加工技術でおいしいホタテを食卓へ

ホタテ剥き

出典: 別海町

北海道Likersライターオオイ:自然環境以外にも『野付のほたて』のおいしさの秘密はありますか?

ながさきさん:漁場の資源管理がきちんと行われているのはもちろんのこと、加工技術が優れています。

ホタテ 加工

出典: 別海町

今でこそ冷凍した貝柱は一般的ですが、当然ながら昔はありません。加工会社の方から聞いた話によると、貝柱の冷凍技術をいち早く取り入れた事業者のひとつに別海町の会社があったそうです。つまり、冷凍技術に関しては歴史が長いということですね。

そして、貝類は特に鮮度が大事なので処理速度も重要です。手剥きの技術が遅いと、体温で貝が劣化してしまいます。別海町の加工工場へ行くと、5秒に1個くらいペースで剥く速さにびっくりしますよ。そんな技術の高い職人さんが多くいるのも、おいしさの秘密なのかもしれません。

北海道Likersライターオオイ:冷凍ホタテのおすすめの解凍方法を教えてください。

ながさきさん:貝柱が袋にまとめて入っているものであれば、使いたい分だけ皿やラップに取り出し、冷蔵庫でゆっくり解凍する方法が良いと思います。解凍時間は、6時間程度が目安です。

すぐに使いたい時は、ジップロックのような保存袋にホタテを入れ空気を抜きます。そして、その状態で氷水解凍をすれば1時間程度で食べることができます。

一番よくないのは、温度差のある状態で解凍することです。細胞が壊れてホタテの食感が損なわれるのと、当然ながら旨味成分が失われてしまいます。

魚の専門家おすすめの食べ方とは?

北海道Likersライターオオイ:ながさきさんは魚を食べることが好きな人のためのコミュニティ「さかなの会」を主宰されています。ながさきさん自身が『野付のほたて』を食べるなら、どんな食べ方がおすすめですか?

野付のほたて

出典: 別海町

ながさきさん:えっと……そのまま食べます。

北海道Likersライターオオイ:それは、なにもつけずに、ということですか?

ながさきさん:醤油やわさびもつけずに、そのままです(笑) それが一番いいですね〜。『野付のほたて』は味が濃いので、素材そのままでも充分ですよ。

生で食べるにしても大きいので包丁で切りますが、切り方次第で味や食感が変化します。縦に切ると食感が良くなりますし、横に切ると舌で味わう面積が広くなるため、より旨味を味わえます。大きいからこそできる、切り方での味の違いを楽しんでみるのもおもしろいと思います。

ホタテの甘さをより味わいたい人は、焼くのがおすすめです。焼くことでタンパク質の成分が変化し甘みが増します。表面だけパリッと焼いて、中は生の状態にするのもおいしいですよ。油などを引かないフライパンに、強火と中火の間くらいの火力で、表と裏を1分ずつ程度焼きます。表面の香ばしさの中にある甘さと生の食感を同時に味わえる一品です。

ホタテ バター

出典: 別海町

別海町はバターも特産品なので、一緒に焼いてもいいですが、『野付のほたて』は味がしっかりしているので、まずは素材そのままの良さを味わってほしいですね。

 

———想像しただけで食べたくなる『野付のほたて』。大きい上に味が濃くて食感がいいなんて、ずるいくらいに“別格”ですよね。しかし、その“別格の秘密”は豊かな自然環境と、別海町の人々による様々な努力によって成り立っています。

ふるさと納税の返礼品としても人気で、なんと年末年始に数量限定で特別価格となる感謝祭を開催するんだとか。お得に『野付のほたて』を味わえるチャンス。ぜひ“別格”の味をご家庭で楽しんでみては?

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