【北海道宇宙サミット2022・全文掲載】山崎直子氏、辻岡義堂アナらが登壇!宇宙エンタメの最前線(Session4)
“2040年の世界に開かれた北海道(HOKKAIDO)”をテーマにした特別連載「HOKKAIDO 2040」の特別編として、2022年9月29日に行われた、国内最大規模の宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット2022」の様子をお届けします。現地約700人、オンライン約4,000人の方が視聴したトークセッションでは、日本で宇宙に携わるフロントランナーが一堂に会し、様々な視点で議論が交わされました。
今回は、Session4「フロントランナーが語る、宇宙エンタメ最前線」で語られた内容を全文掲載します。
他セッションのアーカイブはこちらから登壇者
一般社団法人Space Port Japan代表理事 山崎 直子氏
ソニーグループ株式会社 事業開発プラットフォーム 新規事業探索部門 宇宙エンタテインメント推進室 事業企画リーダー 見座田 圭浩氏
株式会社日本旅行 事業共創推進本部 宇宙事業推進チーム マネージャー 中島 修氏
株式会社 ナンバーナイン 代表取締役社長 小林 琢磨氏
日本テレビ放送網株式会社 アナウンス部 辻岡 義堂氏(モデレーター)
登壇者紹介
辻岡氏:改めまして、13年ぶりの宇宙飛行士選抜、箸にも棒にもスプーンにもフォークにもかかりませんでした。日本テレビの辻岡義堂が担当いたします。どうぞよろしくお願いします。
すごいですね。縦長の会場でびっくりですね。後方の方々、見えていますか? 大丈夫でしょうか? どうぞよろしくお願いします。控え室にいるときにはこんなに人が集まっている状況がわからなかったので、大変びっくりしていますけれども、早速、見座田さんから自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
見座田氏:はい。見座田(みざた)圭浩と申します。ソニーグループ株式会社の宇宙エンタテインメント推進室でプロジェクトをやっております。ちょっと名前が珍し過ぎて、お店を予約するときは結構苦戦するんですけれども……。
辻岡氏:絶対そうでしょうね。見座田さんなんて初めて見ました。
見座田氏:「ピザた?」みたいなことをたまに聞かれて「いやいやピザはないです」みたいな……。
辻岡氏:どうしました? 冒頭からどすべりするのはやめてください。ピザた、じゃなくて見座田さんですよね?
見座田氏:はい。ちょっと珍しい名前でよろしくお願いいたします。
辻岡氏:お願いします。
見座田氏:私は、『STAR SPHERE』というプロジェクトをやっています。このプロジェクトは、宇宙をこれまで以上に少し身近にして、宇宙の視点を発見、獲得していきたいというものです。我々はこの宇宙の視点を2つの意味で使っております。一つは、人工衛星を今回飛ばしますので、その人工衛星から自分で地球や宇宙を見るというビューの方です。もう一つが、宇宙ならではの考え方とか、観点の2つの意味で、我々は宇宙の視点を発見していきたいと考えています。
ソニーという会社は、テクノロジーとクリエイティビティで世界を感動で満たすというビジョンを持っておりまして、それを宇宙でやりたいというのがわかりやすいかと思います。今、宇宙を身近にするための人工衛星を作っていて、今年末に打ち上げたいと思っています。実際にそれで写真を撮って「綺麗だな」で終わってしまうとやっぱり勿体なく発展性もないので、写真を撮る行為にいろんな意味合い、付加価値をつけていきたいと、2つのミッションを掲げて取り組んでいます。よろしくお願いします。
辻岡氏:どうぞよろしくお願いいたします。皆さんもお名前を覚えたと思いますが、続いて中島さんもよろしくお願いいたします。
中島氏:はい、皆さんこんにちは。株式会社日本旅行で宇宙事業を担当しております中島修と申します。よろしくお願いします。ちょっと簡単に自己紹介と私達の取り組みもお話させていただきたいと思います。名前が普通ですいません。全然面白くなくてすいません……。
私達、日本旅行という旅行会社ではあるんですが、私はちょうど2011年からJAXAさんの仕事に携わらせていただいた関係から、今宇宙事業推進チームという部署を作って、まさにここであればHOSPOさんの仕事をしたりとか、いろんな仕事をしています。小田切社長をはじめ北海道スペースポートの皆さんと7月にオーランドに視察に行ったりもしています。私は元々文系の人間でして、宇宙に興味もなく、一番嫌いな授業が星の名前を覚えることだったので、まさかこうしてお話するとは思っていませんでした。今は、『星のソムリエ????』という資格を持って私自身もいろんな方にガイドすることもありますし、小、中学校や高校で宇宙教育をやったりと、幅広い事業を行っています。
我々はロケットを開発することもできませんし、人工衛星を作ることも、そういう技術も持っていないですが、旅行観光業ソフトの会社として培ってきたいろんなノウハウを生かして人と宙の架け橋にということで、旅行業界として宙を身近に感じていただくことが、旅行事業から宇宙ビジネスへ領域を拡大していく一つのミッション、プロジェクトだと考え日々仕事をしております。はい、ざっくりですが以上になります。よろしくお願いいたします。
辻岡氏:よろしくお願いいたします。旅行会社からということで。続いて、小林さん。
小林氏:初めましての人もそうでない人もこんにちは。漫画大好きっ子38歳、No.9(ナンバーナイン)の小林です。
辻岡氏:どうしました、どうしました、小林さん。いきなり切れ味の鋭い挨拶をありがとうございます。僕もTシャツで人のこと言えませんけれども、ジャケット、ジャケット、パーカーって(笑)
小林氏:今日はスーツの方が多くて、ちょっと場違いなのかなと思います。
辻岡氏:でも漫画業界のスタンダードかもしれませんけど。
小林氏:そうなんですよね。漫画業界はパーカーがスーツみたいなところがあるのでこんな感じでやらせてもらっています。
辻岡氏:業界のことをいろいろ教えてください。
小林氏:No.9、なんじゃそりゃと皆さん思っているかと思うんですが、弊社「すべての漫画を、すべての人に。」をミッションに掲げているデジタルコミックエージェンシーです。デジタルコミックエージェンシーもなんじゃそりゃという感じだと思うんですが、電子書籍に特化した漫画の出版社、何でも屋さんだと思っていただければいいかなと思います。漫画の何でも屋がなぜここに来ているのか。今、WEBTOONというスマホに最適化された縦読みフルカラーの漫画があるんですね。ちなみに、縦読みフルカラーのマンガを読んだことある方、手を挙げてもらってもよろしいですか。
辻岡氏:どれくらいですか。
小林氏:結構挙げていただいて、ありがとうございます。今、漫画業界ではWEBTOONがすごく注目されています。No.9は国内でもトップクラスのWEBTOON制作スタジオで、(会場で配布された)袋の中に『晴天のデルタブイ』のチラシが入っていますが、その漫画を作っている会社です。今回の北海道宇宙サミット限定で、2話分が先行で見れる形になっていますのでぜひ見ていただければと思います。
WEBTOONについて、最近だとテレビドラマ化された『六本木クラス』ですが、実はWEBTOONが原作になっています。また、9月14日にNo.9初のオリジナルWEBTOON『神血の救世主』がLINEマンガさんとe book japanさんで独占配信されて、一応日本一を取った作品になりました。デイリーのランキングでウィークリーではないんですが、この日、日本で一番読まれた漫画になったので、ぜひ皆さん読んでいただければなと思っています。宣伝ばかりですいません。あと他にも、『カットアクション』という作品だったりとか、『Vtuber転生(仮)』だったりとか、『if偉人大戦(仮)』だったりという作品があります。『晴天のデルタブイ』はインターステラテクノロジズさんにしっかり取材をさせていただいて、実話に基づくフィクションになっています。本日登壇していた堀江さんが美少女化して出ているところが、注目ポイントになってるのかと思っています。よろしくお願いします。
辻岡氏:堀江さんが美少女化しているんですか?
小林氏:そうなんです。美少女のキャラクターがいるんですが、堀江さんがモチーフになっています。
辻岡氏:堀江さんをどこにも感じないんですけど。
小林氏:いや堀江さんに見せたときに、「俺そっくりじゃん」「俺かわいいな」と言っていました。
辻岡氏:そうでしたか。失礼いたしました。いろいろとありがとうございます。
今回、宇宙エンタメといたしまして、総合エンタメ企業、旅行会社または漫画業界からお伝えしていきたいと思います。皆さん、大変長らくお待たせいたしました。これは中継が繋がっているということでよろしいでしょうか? 我々の女神もご紹介したいと思います。山崎直子さん。
山崎氏:はい、皆さんこんにちは。そして辻岡さん、こんにちは。
辻岡氏:よろしくお願いします。大変恐縮なんですけれども、山崎さん、改めて自己紹介をお願いしてよろしいですか。
山崎氏:はい、もちろんです。ごくごく普通の名前の山崎直子といいます。
辻岡氏:いや、見座田さんが強すぎるから。
山崎氏:本当ですよね。私自身は2010年に国際宇宙ステーションの組み立て補給ミッションに参加をして、そしてスペースシャトルに搭乗してロボットアームを操作して、そして宇宙から見るこの地球の姿にとても感動しました。その後、今度は宇宙と地上を繋ぐ活動をしたいと、政策面だったり宙ツーリズム、これは中島修さんと一緒にやっているものです。そして、Space Port Japan。こちらはこの北海道スペースポートの皆さんと一緒に取り組んでいるものですね。教育とか、環境のアースショット賞とか、万博とか、そうした活動をしています。
Space Port Japanに関してなんですが、2018年に設立をしました。北海道スペースポートはもう30年以上の長い歴史があります。私達は後から立ち上がった組織で、北海道さん、それから日本中のいろいろな自治体さんが会員になっています。和歌山県さん、大分県さん、そして沖縄県さんにある下地島空港さんなど、スペースポートの候補地として取り組んでいるところと一緒に整備を加速していくことをプラットフォームの目的としています。世界、アメリカでは14のスペースポートが認可済みです。その他にもイギリス、そしてイタリア、アジア諸国、韓国、そしてオーストラリアだとかシンガポールだとかいろいろな国が関心を持って、そして誘致をしている状況です。その中で、先ほどもお伝えしましたけれども、北海道スペースポートさんはインターステラテクノロジズさんが既に宇宙に到達した垂直型の打ち上げ射場があり、これから滑走路をどんどん延長していく中で水平型の宇宙港も備え、日本でも世界的にもとても珍しく、そして開発から運用までできる複合型のスペースポートになっていくことを期待しています。私達も一緒に取り組みたいと思っています。はい、以上です。
辻岡氏:どうぞよろしくお願いします。
山崎直子氏が語る!宇宙空間でのエンタメ
辻岡氏:山崎さん、今日会場に集まっている皆さんは宇宙エンタメについても非常に関心があるんじゃないかなと思うんですけれど、改めて可能性についてどうお考えですか?
山崎氏:宇宙に行くと、もう全てが日常と変わるんですよね。だから、非日常を味わえるという意味で、全てがエンタメだと思っています。国際宇宙ステーションでもいろいろな科学実験をもちろんやるんですが、日本では実はその他にアート実験などに力を入れてきた歴史があります。水の玉を作ってその中に絵の具を入れると立体型の墨絵のようなものができたり、あるいはLEDをずっとくるくる回して写真で撮ると、地上ではすぐ落ちてしまうのにずっと回ってくれるので綺麗な軌跡が撮れたり、様々な発想に基づいたアートの実験、エンタメの先駆けが行われてきています。すごく期待しています。
辻岡氏:あとちなみに山崎さん、本当に申し訳ないですが、後ろの素敵な絵は何ですか?
山崎氏:ありがとうございます。辻岡さんのTシャツも素敵です。
辻岡氏:とんでもないです。そらジローをただ会社の馬としてPRしてるだけですから(笑) 本当に恐縮です。
山崎氏:後ろにあるのは私が2010年に宇宙に行ったときに撮った写真ですが、下の方が日の出のときの空気の層です。空気だけがスーッと虹色に浮かび上がるんですけれど、空気が実はとても薄いことにも驚きました。その上が国際宇宙ステーションです。これはスペースシャトルが離脱をした後に、国際宇宙ステーションから離れながら撮ったものなんです。
辻岡氏:それだけでももうエンタメの力を感じてしまうんですけども、中島さん、旅行会社としてはどういった意識から宇宙に興味をお持ちなったんですか?
中島氏:そうですね。一番旅行会社としてわかりやすいのは、山崎さんのように宇宙へ行くこと。むしろ遊びに行くことだと思うんですが、なかなかまだまだ安心だったり安全だったり、あとは快適さの問題があります。山崎さんもよく、「宇宙酔いじゃなくて地球酔いの方がきつかった」と仰っていますが、そういったところも含めて改善する必要があると思っています。我々もその手前で、ちょっと宇宙って遠い世界かなとか、SFの世界かなとかと思っている人たちを宇宙に繋げてあげる架け橋になっていこうと。それが段々成熟してくると、我々がまさに旅行業として、月に行く、火星に行くという人類の活動領域を広げるところをできるんじゃないかと。私が生きてる間にできるかどうかわからないですけれど、そういった目標に向かって頑張ろうと思っています。
辻岡氏:山崎さん、宇宙旅行はもう着々と近づいていると見てよろしいですか?
山崎氏:はい。昨年、前澤友作さんと平野陽三さんも国際宇宙ステーションを訪れましたけども、昨年は民間の宇宙飛行士の数が、国の宇宙機関から派遣されて宇宙に行った人の数を初めて抜いた年だったんですね。“宇宙旅行元年”と呼ばれています。これからどんどんその傾向が強まると思います。
辻岡氏:また、ソニーの見座田さん。これまたソニーが宇宙に関心をもったきっかけは何だったんですか?
見座田氏:ソニーの中で宇宙をやりたいとか、宇宙が好きなメンバーが集まって始まっています。ソニーならではのやり方でどんなことができるんだろうと考えた結果、やはりテクノロジーの領域では自分たちで人工衛星を作ろう、そしてエンターテイメントの力とクリエイティビティの力を掛け合わせてソニーらしいサービスが作れないかと考えて今日に至っています。
辻岡氏:ソニーとしてのビジョンはどうなんですか?
見座田氏:そうですね。ソニーとしてのビジョンはまだあんまり言えることが無いんですが、私としては宇宙で新しいライフスタイルを作っていきたいなと思っています。ソニーでいうと、過去にプレイステーションでゲームを普及させたとか、ウォークマンで音楽を外に持ち出したようにライフスタイルを変えるようなものを作っていますが、それを宇宙でやれるといいなと思っています。
辻岡氏:山崎さん、宇宙でのライフスタイルは過酷な環境だと思うんですけども、音楽を聴いたりとか、何かソニー製品の家電に助けられたり、今後あるのかもしれませんがそのあたりはいかがですか?
山崎氏:宇宙船の中の生活は案外慣れると日常になってくるんですね。いろいろな撮影機材ももちろん地上から持っていって使えますし。案外特別だと思っていたけれども、それがニューノーマルになっていくという不思議な感覚があります。
辻岡氏:そうなんですね。音楽を聴いたりすることもあるんですか。
山崎氏:もちろんです。私達はこうした電子機器に音楽を何百曲と入れることができるので、それを空き時間にイヤホンで聴いていました。
辻岡氏:小林さん、漫画業界も宇宙エンタメに関心を持ち始めた経緯を教えてもらえますか?
小林氏:はい。そもそも漫画業界でいうと、宇宙漫画にハズレなしと結構言われていて、有名作品がたくさんあります。『宇宙兄弟』だったりとか、『プラネテス』だったりとか。実は、この『プラネテス』が一つのきっかけになってまして。僕も大好きなんですが、10年以上前のSF漫画で、もちろん漫画なので全然問題はないんですがちょっと事実と違う、ありえない描写も当然あるんです。あまりにも有名すぎてそれが普通だと思われちゃっている現状もあったので、改めて今のリアルな宇宙業界、宇宙について啓蒙的に発信できるものを作りたいと思って今回作らせていただいた感じですね。
辻岡氏:山崎さんは、宇宙関連の漫画など読まれることありますか?
山崎氏:もう大好きですね。『宇宙兄弟』もどちらも好きです。
辻岡氏:いいですね。
宇宙エンタメ×ビジネスの課題と可能性
辻岡氏:当然宇宙に関心がない方もいらっしゃる中で実際ビジネスとしてお金を稼いでくるにはどうしたらいいか、皆さんお考えをお持ちだと思います。中島さん、今の課題を教えてもらえますか?
中島氏:そうですね。私達は自分たちで宇宙機を作ったり、ロケットを作ったりができないので、我々が持ってないところ、例えばソニーさんの人工衛星だったりとか、技術を持ってるところに協力してもらわないといけないので、その仲間作りまず一番大変なところかなと。ただ、意外と物を持っていらっしゃるところは、逆に普及とか、エンタメ化とか困っているところも多いので、まさに宇宙ビジネスが今段々大きくなってますが、創成期なんだなと日々感じていますね。
辻岡氏:実際、会社の中はどうなんですか? 宇宙旅行に向かって動き出す流れなんですか?
中島氏:そうであればいいんですけどなかなか……。社内ですら、社内広報が足りていないこともあるんですが、あの人何やってるんだろうと思われているかなと。ただ一つ言えるのは、旅行業界はこの数年間あまり良い話題がどうしてもない業界でしたので、今回の大樹町さんとの取り組みだったりとか、SPACE COTANさんとの取り組みだったり、ソニーさんとの取り組みだったりを通して社員たちにこういうことやってるんだと知ってもらう意味合いではちょっと貢献してるかなと思っています。
辻岡氏:もう宇宙に行けるようなハード面が整ったとして、旅行会社としてはまだまだこんなところが担保されないと宇宙旅行は難しいとか、実際の具体的な課題ってどうですか?
中島氏:そうですね。先ほど山崎さんがおっしゃった通り宇宙旅行元年となって、民間の人も行けるようになりました。それがどのようにしていわゆる“普通の旅行”になるかを考えると、安全が担保された次の安心と快適の部分がやっぱり一番大事かと思っています。安心は心の問題なので物差しで計れないんですよね。それこそ保険っていうところもあるでしょうし、ご飯もあるでしょうし、行って何するのという話もあるでしょうし。例えば火星に行くとなると何年間も往復にかかるわけですから、まだまだ考えるべきことがあって、行くだけでなくその先をつくっていきたいと思っています。
辻岡氏:山崎さん、そのあたりはいかがですか?
山崎氏:安全は計れるにしても安心は積み重ねかなと思うんですよね。ですから、初期の頃は試行錯誤ですけれど培っていくと。日本には、北海道のようなスペースポートがあって、そこから相談ができる日本の旅行会社があって宇宙旅行にいけるとなると、安心感は出てくるのではないかなと思います。いろいろな企業さんが宇宙旅行のアンケートをとったことがあるんですが、日本から宇宙旅行に行きたいという方は多かったんですね。
辻岡氏:Space Port Japanとしてはこれからどんなことがしていきたいなど、考えていることはあるんですか?
山崎氏:Space Port Japanとしては、スペースポートっていわゆる射場、港だけではなくて周りも含めたまちづくりだと思っているんですね。これから日本に複数のスペースポートができていくときに、それぞれの地域に根ざした地域の特色があるスペースポートになれたらいいなと思っています。
辻岡氏:なるほど。
山崎氏:宇宙産業もどんどん伸びているという話が(今までのセッションで)あったと思うんですけれども、ロケットを打ち上げたり人工衛星を作ったりという部分はもちろん伸びているんですが、もっと伸びているのが環境やデータを使ってサービスを作る部分なんですね。エンタメももちろんその中に含まれるんです。だからそうした意味だと、スペースポートづくりも宇宙産業づくりも本当にみんなとのアイディアの出し合いなのかなと思います。
辻岡氏:漫画業界からすると、スペースポートなどがどんどんどんどん具体的になって、社会が宇宙に関心を持つと、漫画の売れ行きも影響は受けるものなんでしょうか?
小林氏:そうですね。今回『晴天のデルタブイ』という漫画を作った一つのきっかけが、宇宙飛行士にならなくても宇宙業界に携われることをもっともっと出していきたかったからです。
辻岡氏:なんてありがたいんですか。個人的にありがとうございます。
小林氏:というのも、宇宙がどんどん注目されても、宇宙に行ける人は本当に一握りしかいないなと思っていて。でもそのロケットを作るとか、エンタメに携わるとか、そういうのでも宇宙業界に携われるんですよね。なので『晴天のデルタブイ』では、宇宙飛行士が主人公になる漫画が多い中、ロケットを開発する人たちを主人公にしています。宇宙に興味ある人が増えれば増えるほど、『晴天のデルタブイ』が売れてくれると思うので嬉しいですね。
辻岡氏:確かに。相互関係というか、宇宙漫画が社会に宇宙を広めるきっかけにもなる可能性がありますもんね。
小林氏:もちろんそうです。昔で言うと『スラムダンク』という作品がありますが、この作品が登場してバスケットボールをやる人がめちゃくちゃ増えた。
辻岡氏:私もその1人ですもん。小中高大バスケですもん。
小林氏:本当ですか。同じように、漫画だけではなくエンターテインメントには人の心を動かす力があると僕は思っているので、今回の宇宙漫画を読んで、宇宙飛行士になりたいっていうのと同じようにロケット開発者になりたい人を増やしたいとすごく思ってますね。
辻岡氏:そういうとあれですね、皆様の声とか聞きたくなるんじゃないですか?
小林氏:もうめちゃくちゃ聞きたいです。取材したいですね。
辻岡氏:どういうご苦労があってとか。ゆくゆくは山崎さんにもお話聞きたいんじゃないですか?
小林氏:そうですね。『晴天のデルタブイ』はシーズン1でロケットを打ち上げるところまでなんですが、当然その後は宇宙に行く話になっていくと思うので、何か漫画にできそうな話があったらぜひ教えていただきたいなと思います。
山崎氏:じゃあ、後でこそっと(笑)
小林氏:ありがとうございます(笑)
辻岡氏:いろんな局面があるでしょうからね。ちなみに、ソニーも全員が全員やっぱり宇宙に関心があるわけではないんですか?
見座田氏:そうですね。ソニーの中でも「宇宙って何?」みたいな方は結構いるので、会社の中でも苦労するところもあります。実際我々は今年の冬に衛星を打ち上げて来年の春くらいからサービスを始めようと思っています。コンシューマー向けサービスをやりたいと思っているんですが、これまであまり世にないサービスなので、人工衛星を使ったサービスのイメージを持ってもらえる方が少なくて、使おうという気にまだまだならないのが課題かなと思います。
辻岡氏:人工衛星はまもなく打ち上がるんですよね。
見座田氏:はい。今年の冬ですね。年末には打ち上げたいなと思っています。
辻岡氏:私も実際に品川のソニーで拝見したんですけども、ちょっとバスケットボールより大きいぐらいの衛星ですよね。
見座田氏:そうですね。アタッシュケースくらいの大きさですね。
辻岡氏:それを使ってソニーさんとしても何をやっていくか。実際にビジネスとなると、いろんな問題点もあるような感じもするのですがいかがですか?
見座田氏:そうですね。ビジネスをやっていくときに課題になるのが、お客さんに使おうと思ってもらうところなんですが、世にないサービスなので使おうと思うサービスのイメージがなかなかつかないことがなかなか難しいところだと思っています。
辻岡氏:あれ、これ皆さん寝てたりしてないですよね? 大丈夫ですよね。誰もソニーさんに感心を示さないのかなと私もドキドキしてますけど。実際に打ち上げる能力もあって、いろんな分野のエンタメに精通していても、問題点があるんですね。
見座田氏:そうですね。ただ我々はグループの中で音楽、映像コンテンツ、ゲームをやっているので、我々の身近なところとうまく連携をさせて多くの人に興味を持ってもらいたいなと思っています。
辻岡氏:今日はいろんな方いらっしゃると思うんですが、こんな分野の知識が欲しいなとか、アイディア欲しいなとか、見座田さんいかがですか?
見座田氏:はい、いただきたいですね。ソニーのカメラを積んだ人工衛星でまずはコンシューマー向けとか、映像制作企業向けにやりたいと思っているんですが、例えば一次産業向けにも使える可能性はないかなとチャンスを探しています。北海道ですと、一次産業での活用アイデアとか、一緒にやろうとか、是非お声がけいただきたいです。
辻岡氏:中島さん、宇宙旅行は、5年後、10年後、15年後と具体的に年数を考えるとどれくらい細かく決まってきているものなんですか?
中島氏:未知、ですね。
辻岡氏:未知。
中島氏:誰もわからない。未知。でも確実にそういう世界はやってくるとは思ってます。なので、先ほど漫画を見てロケット作る人になってほしいとの話もあったと思うんですが、やっぱり我々は宙と地上との架け橋になりたいので。会社にいても「宇宙ってなんだろう」「よくわかんないな」とうちの社員もソニーさんの社員も思ってしまうので、「遠い世界じゃないよ」「こういう仕事できるよ」と、リテラシーを上げるような取り組みをどんどんしていくことで、近づいてくるんじゃないかなとは思っています。
辻岡氏:なるほど。
今日は会場の皆様からの質問もどんどん受け付けているんですけれども、既に一つ届いてるのでちょっとご紹介してもよろしいでしょうか? 山崎さん宛に質問が来てまして。「宇宙に行った際に『これ持っていけばよかったな』『これやってみればよかったな』と思うことはありますか(エンタメ目線で)」とあるんですけども。いろいろと制約があると思いますが、あえてエンタメ目線で、山崎さんいかがでしょうか?
山崎氏:ご質問ありがとうございます。まずこれは当時、今でも電子機器を持っていくときに安全のチェックをしないといけないので厳しいんですけれど、手持ちというのかな、『GoPro』のようなピタッとくっつけておけるカメラが欲しかったですね。
辻岡氏:え、なんでですか?
山崎氏:はい。いい景色とかいいシーンがあったときにカメラを持ってきて撮ろうとするとシャッターチャンスを逃しちゃうんですよね。ずっと常に撮っておけるものが欲しいですね。
辻岡氏:それがまず物ってことですよね。小型カメラがあればいいなってことですね。中島さんこれは宇宙旅行の際は。
中島氏:旅のしおりの持ち物に書くやつですね。スタッフおすすめ。これ持っていくと便利。
辻岡氏:山崎さん、宇宙って撮ろうと思ってもすぐに景色が変わっちゃったりするものなんですね。
山崎氏:地球の景色もそうですね。90分で地球を一周してしまうので、特にズームで撮りたいときとかはパッと撮らないと間に合わなかったりします。あと宇宙船の中でいろんなシーンがあったときに撮り過ごしてしまうんですよね。
辻岡氏:そうか。ずっと取れる小型カメラは確かにリアルなエンタメ目線ですけども。「これやってみればよかったな」ということはございますか? 宇宙にいらっしゃるときにどれくらい自由時間があるのかも問題かもしれませんけども。
山崎氏:そうですね。今少しずつレタスとか育ててますけれど、植物とか野菜とかもっと育てられたらよかったなとか。あと、最近日本が作った『Int-Ball』というプカプカ浮かぶロボットがあって、ロボットが私達のときにはまだなかったのでロボットと遊べたらよかったなとか。あと、絵を描いたり、何かデッサンしたりできればよかったと思います。
辻岡氏:なるほど。中島さんどうですか、宇宙旅行に絵を描く時間を。
中島氏:持ち物に画用紙とペンを書きます。
辻岡氏:めちゃくちゃ盛り込もうとしてるじゃないですか。でも、山崎さんがぱっと思いつくのが絵を描くとか、地球上だったら普通にできることが頭に浮かぶんですね。
山崎氏:そうなんです。持っていけるものがどうしても限られてしまうので、事前の準備が大切なんですよね。全ては持っていけないのであるもので使わないといけなくて。例えば習字をしたかったときにはコーヒーを使って習字をしたりとか、赤色を出したいときにはトロピカルジュースを使って赤色をつけたりとか、あるもので工夫することも大事になりますね。
辻岡氏:そうですか。ある意味付随した質問かもしれませんが、「地球に帰ってきたとき、こんなことがしたくなった」というのは、どうだったんですか。
山崎氏:これも素敵なご質問で、先ほど中島さんが地球酔いが大変だというお話をしてたんですけれども、本当に重力が重いんですね、ぐっと潰されるようでフラフラしてきます。まず地球に戻ると恋しくなるのがシャワー、お風呂です。もう汗を流したいというのと、あとはなぜか私はツルっとしたざるそばのようなものを食べたくなったので、やっぱり食べ物も大事ですよね。
辻岡氏:このあたりも宇宙旅行の快適さを考えると、何かツルっとしたものはキーワードになるかもしれませんね。
中島氏:そうですね。まずアドバイザー契約を結ばせていただいて(笑)、一緒に作りたいですね。
辻岡氏:宇宙に行った山崎さんしかわかりませんからね。あと先ほどソニーの見座田さんから衛星を飛ばす話がありましたけど、山崎さんは数々写真は撮られたかもしれませんが、こんな写真を撮ってみたいとか、衛星を自由に民間で使えるんだったらこんなことやってみたいなとか、いかがですか?
山崎氏:はい。写真は時間と空間の両方を切り取るもので、そのときの一期一会だと思うんですよね。だから記念の景色をもっと撮れれば本当に理想だなと思います。私達も宇宙に行く前に、こんな写真撮りたい、ナスカの地上絵撮りたいなとか、もちろん富士山撮りたい、エベレスト撮りたいなどリストアップして地図にマークをつけて、そこに来たらアラームを流してくれる機能もあるんですけれど。
辻岡氏:そうなんですか。
山崎氏:はい。実際には他の作業をしていて、なかなか撮れなかったのが心残りです。
衛星を動かして宇宙の写真が撮れる!? 宇宙エンタメの最前線
辻岡氏:そうなんですね。見座田さんにも今質問が来たんですが、「ソニーさんのサービスは普通の人が簡単に使えるのでしょうか? 難しくないのでしょうか? ぜひ具体的に聞きたいんです」とのことです。
見座田氏:はい。今、2種類のサービスを考えていまして、一つは全部がオートで、カメラワークとか、カメラのパラメータとかも決まっていて、自分がシャッターを押すタイミングを決めるだけのサービス。もう一つはプロ向けで、カメラワークもこだわりたいとか、カメラのパラメータもこだわりたい人向けにいろいろな設定ができる2種類を用意しようとしています。我々は宇宙撮影体験ツアーという名前で考えていますが、そのオートの方であればかなり簡単にやっていただけるかと思っております。
辻岡氏:実際に具体的にどんなものが、地球上のものは撮れるんですか?
見座田氏:はい。地球上も撮れますし、宇宙側も撮れますね。衛星自体が上下左右に動くので、衛星自体の動きをカメラワークみたいな形で決めることができます。
辻岡氏:例えば星なども撮れる?
見座田氏:はい。最初は宇宙の方を向いていて、そのまま目線を下に下げるように地球の方を向いていくこともできますし、逆もできます。クルッと回転することもできます。
辻岡氏:写真だけではなく映像も撮れてしまう?
見座田氏:映像も撮れます。
辻岡氏:これはいくらになるか決まってきていますか?
見座田氏:2種類あると申し上げたんですが、プロ向けのものは50万円くらいでちょっとお高めです。自分でオートで1枚撮る方は、なるべくいろんな方に使ってもらいたいのと、写真1枚なので、1、2万円くらいで考えたいと思っています。
辻岡氏:1、2万円くらいで。それはお子さんなどでも使えるんですか?
見座田氏:お子さんにも使えるようなものにしたいなとは思いますね。
辻岡氏:同時にこの時間のこれ撮ってとお願いすることはできるんですか?
見座田氏:山崎さんが仰っていたように時間と空間を切り取るものだと思っているので、その瞬間に撮るのはおひとりがいいのかなと思っています。
辻岡氏:ではある意味、そのときは衛星を独占できる、自分のものにできるということですね。
見座田氏:そうですね。
辻岡氏:それはすごいサービスですね。
見座田氏:はい。その価値をなるべく広めたいなと思っているんですが、結構まだ苦戦しています。
辻岡氏:50万円も高いような安いような、いい塩梅のような感じがしますけどね。
見座田氏:クリエイターの方に聞くと、もう全然その価格なら使いたいと仰ってくれる方もいらっしゃいますね。
辻岡氏:月や太陽など、本当にカメラを自由に動かせるんですか?
見座田氏:はい。いくつか制約があって。ズームをした状態で太陽を向くとセンサーが溶けてしまうなどの問題があるので、駄目な動きをしないように組んでしまって、限られた制約の中では自由に動けるものを作っています。
辻岡氏:山崎さん、このサービスを聞いていかがですか?
山崎氏:はい。私も実は品川で見させていただきました。すごくワクワクしますね。みんなと繋がれる感じがとてもいいなと思います。
辻岡氏:なるほど。また面白い質問がきています。「宇宙に興味がなかったり、現実感がない、今の仕事への結びつきが想像できない、そんな人を仲間に引き入れたいときに皆さんはどのように口説いているのか。どうやって苦労して声をかけて関心を持たせようとしてるのかを聞きたい」ということですが、小林さんですとどうですか?
小林氏:いやもう『晴天のデルタブイ』を読んでいただければ全て解決かなと思っているんです。多分、読んでいただいたと思うんですけど、面白いんですよ。
見座田氏:面白かったです。自分が宇宙に携わっているところもあってかなり入り込めますし、読むと宇宙に興味を持って自分もやりたいなと思う人が増えるんじゃないかと思いました。
小林氏:はい。ただの一般人とちょっと語弊があるんですけれども、大学生だった子が開発者を目指す話になっているので。エンタメとしてまず身近に見れるものが漫画だと思っているので、まず漫画を読んでいただく。今日も会場に来てくださっている皆さん、ぜひチラシの裏のQRコードから1話、2話を読んでいただいて、それを他の人にも見せていただけると。
辻岡氏:ここにいらっしゃる皆様は関心がありますから、関心のない方、ご家族なのか親戚なのかに漫画を紹介していただきたいなと。
小林氏:そうですね。今は先行公開になってまして、来年の1月にLINEマンガさんの方で配信が開始されて一般の方も見られるようになります。ぜひそのときに、親族の方に紹介していただけるとありがたいと思っています。
辻岡氏:中島さんはどうですか? 宇宙に興味がない方に今後宇宙旅行をプレゼンしなくてはならないことがあるかもしれませんが、その辺りの苦労話はいかがですか?
中島氏:そうですね。私は圧倒的に、ロケットの打ち上げを見ていただくことだと思っています。私自身が元々宇宙に興味がなく、宇宙をやりたいと思ったきっかけが、ちょうど今から十数年前にJAXAさんの打ち上げに種子島で立ち会ったときだったので。当然北海道スペースポートでも体験できますけれど、打上げを生身で体感するとそれが一番何よりも。私の会社の上司にあたる人間だったりとか、みんな来ていただいてまず見ていただく。「アルマゲドンの世界じゃなくて現実なんだね」とまず感じていただく。あの体験は一生ものの感動体験だと思っているので、「宇宙ってなんかすごそうだな」と感じてもらえると私は思っています。
辻岡氏:会場の皆さん、「打ち上げを生で見たことあるよ」って方はどれくらいいらっしゃるんですか? ちょっと遅れてあげるのはやめてくださいよ。でも10名いないぐらいなのかな。
中島氏:やっぱりタイミングが合わなかったりとか、行ったは良いけど延期になってしまうとか、巡り合わせがあるかもしれないですね。
辻岡氏:日本旅行さんは打ち上げを見るツアーはやってらっしゃるんですか?
中島氏:そうですね、一応一般向けのツアーも実施しています。ちょうど今、来週のイプシロンロケットの準備をしていますが、一般の方に裾野を広げたくてやっているツアーですね。まず体感していただきたいという想いです。
辻岡氏:でも体感したら変わりますか?
中島氏:どうですかね(笑) これは人によるかもしれないですけど。
辻岡氏:自信をもって言ってくださいよ。
中島氏:変わると思います。男性が行きたくて理由をつけてご家族を連れてくるケースがすごく多いんですが、意外と行って涙される方が多いんです。いつも行っている、もう20回目じゃないですかというスタッフが毎回涙してたりとか。何か生まれる感じがするんですよね。昼の打ち上げも昼の良さがあるし、夜の打ち上げであれば、すごく綺麗な星空にロケットがいきなり明るく光ってそのまま星になっていくのが見えたりとか。宇宙と繋がっていることが体感できると思うので、ぜひ日本旅行で来ていただければ大変嬉しいです。
辻岡氏:日本旅行さんでは延期になったりしたら対応していただけるんですか?
中島氏:大変です。現場は地獄のようですけれども。
辻岡氏:対応いただけるんですもんね。
中島氏:はい。宇宙ではエンタメとして絶対関わってくるところですが、例えば打ち上げができないとか星空が見えないときでも、同じくらい楽しんでいただくコンテンツを私たちは一生懸命揃えていて、ようやく整ってきたなと思っています。
辻岡氏:格安で、5,000円ぐらいでやってくださいよ。宇宙の裾野を広げるために種子島ツアーを5,000円ぐらいでやってくださいよ。
中島氏:多分、怒られちゃう。
辻岡氏:申し訳ございません。まず見るのは大事なんですね。宇宙に全く関心が無い方に対して、見座田さんはどうですか?
見座田氏:はい。私は関心のあることと組み合わせて口説くパターンをよくやっていますね。ゲームが好きな人はちょっとゲーム感覚で使えますよとか、さっきの漫画やアニメもまさにそうで、アニメと漫画と掛け合わせると多分宇宙がちょっと身近になって少しでも興味が出るかなと。
辻岡氏:なるほど。ちなみに山崎さんは宇宙に関心がない方にどうアプローチなさってるんですか?
山崎氏:そうですね。宇宙って遠いように思えてしまうんですけれども、実は宇宙に行ったときに私達の故郷だなと思ったんですね。なんかすごく懐かしい感じがしました。私達も元々は宇宙からみんな生まれているので、ふるさとを訪ねに行くような、自分のルーツを探りに行くような、宇宙を知ることは自分自身を知ることなのかなとすごく思っています。先ほど中島さんがロケット打ち上げの話をしてましたけれども、国際宇宙ステーションも地上から肉眼で見えるんですよね。国際宇宙ステーションが横切っていくのを見るのもやっぱり感動します。ぜひ見たら手を振ってあげてください。
さいごに
辻岡氏:ありがとうございます。もうあっという間にそろそろお時間ですね。本当にあっという間ですけれど。まだ全部の質問に答えられてなくて本当に大変申し訳ないんですが、今日トークをしてみて、皆様から一言ずつご挨拶いただければと思います。見座田さんからお願いしてもよろしいですか?
見座田氏:はい。今回、宇宙でエンターテインメントがテーマだったんですが、今日のセッションの中(Session2)で堀江さんがエンタメを含めてまちづくりのお話もされていました。今回の大樹町、帯広でもうまく宇宙でエンターテインメントを作っていきたいと思っておりますので、ご興味ある方は我々ともぜひタイアップしていただければと思います。よろしくお願いします。
辻岡氏:ありがとうございます。中島さんもお願いします。
中島氏:はい。私達はソフトコンテンツ、おもてなし、ホスピタリティ産業の会社ですので、その産業でも宇宙を舞台に頑張っていけることを実現したいですし、ぜひご一緒に進めていける方々はお声掛けいただければと思います。ぜひこれからもよろしくお願いいたします。
辻岡氏:ありがとうございます。小林さん。
小林氏:はい。今、僕らが作っている『晴天のデルタブイ』ですが、現場の方々にたくさんインタビューをして、嘘のない、リアルな宇宙漫画を作ろうと頑張っています。大樹町が舞台になっていますので、ぜひ応援していただければと思っています。
辻岡氏:ありがとうございます。全ての締めを山崎さんの前に、そらジローは何かありますか? 一緒に盛り上げていきましょうとそらジローも言っています。
山崎さん、宇宙に関心がある皆様が集まっているこの場ですが、宇宙エンタメについてメッセージをいただけますでしょうか?
山崎氏:はい。地域にスペースポートがあることはすごく素敵なことだと思います。宇宙への扉があるので、そこを通じて宇宙と地上を繋ぎながら、皆さんのアイディアで一緒にエンタメ、そして文化を作っていきましょう。よろしくお願いいたします。
辻岡氏:どうもありがとうございます。山崎さんのご挨拶をもちまして、宇宙エンタメ最前線のトークブロックは終了とさせていただきます。皆様、本当にどうもありがとうございました。
※本記事はカンファレンスでの発言を文字に起こしたものです。言い回し等編集の都合上変更している場合がございます。
連載「HOKKAIDO 2040」では、“2040年の世界に開かれた北海道(HOKKAIDO)”をテーマとして、大樹町を中心に盛り上がりを見せている宇宙産業関係者へインタビュー。宇宙利用によって変わる北海道の未来を広く発信します。連載記事一覧はこちらから。