気付いたら言わさってる!? 北海道弁の頻出リアクション3つ
思わず出てしまった言葉には、その人の素が出ます。道産子なら北海道弁が出ていることも。会話をしている中で相手がリアクションした言葉に、「えっ、どういう意味?」と思ったときはありませんか。それ、方言かもしれません。今回はリアクションを取るときに使う、北海道弁をレベル1~3までご紹介します。
レベル1:汎用性が高い「なんも」
【標準語】「気にしないで」「大丈夫だよ」
「ありがとう」に対しても、「ごめんね」に対しても使える、汎用性の高い北海道弁が「なんも」です。「気にしないで」や「大丈夫だよ」という意味があります。「ありがとう」と感謝されたときの「なんも」は「どういたしまして」という意味に近いですね。
「ごめんね」に対しては、相手に気を遣わせないために「なんも」と伝えます。「なんもなんも」と繰り返す使い方もあり。「なんもだよ」と語尾をプラスすると、よりやわらかい言い回しになります。
アラサーである筆者の同世代も、年配の方も使っているので、いろんな世代で聞く方言といえるかもしれません。
【もっと詳しく】「ありがとう」「ごめん」と言われたらどう返す?汎用性高めな北海道弁はこれ
レベル2:肯定したいときは「んだ」
【標準語】「そう」「そうだよ」
話を聞いているときに、カジュアルに肯定したいときは、「そう」や「そうだよ」といいますよね。同じくらいラフに肯定したいとき、北海道弁では「んだ」といいます。「んだな」は「そうだな」の意味です。
この北海道弁も「んだんだ」と繰り返して使えて、「そうそう」と相づちを打つようにも使えます。
ただ、アラサーの筆者は生まれも育ちも北海道ですが、自分と同世代ではあまり使わない方言です。70~80代以降の祖父母世代が使っているのを聞いたことがあり、なじみ深い方言ではあります。また道南地域の方言でもあるので、広い北海道では「使わないよ」という道産子もいるかもしれません。
レベル3:北海道弁の合わせ技「なまらわや」
【標準語】「とんでもなくめちゃくちゃ」「ものすごくひどい状態」
2つの北海道弁を組み合わせたリアクションも。「なまら」は標準語で「すごく」、「とても」という意味。「なまらおいしかった!」「なまら疲れたわ~」など、次に続く言葉を強調する方言です。
「わや」は「めちゃくちゃ」、「ひどい状態」という意味。心理的に「めちゃくちゃな気持ち」だとか、掃除をしていないから部屋が「ひどい状態だ」など、いろんなシチュエーションで使える方言です。短いのに感情が凝縮されている方言なので、筆者もつい使ってしまいます。独り言で「あー、もうわや!」とぼやいてしまうことも。
つまり、「なまらわや」とは、「とんでもなくめちゃくちゃ」や「ものすごくひどい状態」という意味です。現代的な言葉でいえば、「ガチでヤバイ」という感覚に近いかも。リアクションとしては、とんでもない話に対して「なまらわやだわ~」と感情を表す意味合いで使われます。
少し前のことですが、筆者は仕事の締め切りに追われていたにもかかわらず、作業途中にパソコンが壊れてしまいました。そのときは「なまらわや!」な気分でしたね。ちなみにパソコンは修理をしてもらい、無事に直ったのでこの記事を書けています(笑)
【もっと詳しく】veryの意味だけじゃない!? 生粋の北海道民が「なまら」の使い方、教えます
【北海道弁クイズ】これって方言だったの?一度使うとやめられない「わや」
道産子から出たリアクションを見たときは、この記事を読んで「そういう意味だったんだ!」と思っていただければ幸いです。北海道にいらした方は、ぜひカジュアルに使ってみてくださいね。
【参考】
北海道の方言 / 北海道外国人相談センター
道南方言集(方言→標準語 ら・わ行) / 北海道 渡島総合振興局
【画像】Ushico、アン・デオール、kikuo、horiphoto、rainmaker、mapo / PIXTA(ピクスタ)