田尻洋輔選手 アイキャッチ

「ルーズボールとチャンスには飛び込め」田尻洋輔選手インタビュー前編

こんにちは!HOKKAIDO IWAMIZAWA FU(ホッカイドウ・イワミザワ・エフユー)ライターチームの栗林千奈美です。今回は、HOKKAIDO IWAMIZAWA FU選手兼共同代表の田尻洋輔さんインタビューの前編をお届けします。子どもの頃からバスケットボールを続け、現在はプロとして活躍されている田尻さんに、子ども時代のことやバスケットボールへの想いについて聞きました。

田尻洋輔

1987年札幌市生まれ。東海大四中、仙台高校を経て北海学園大学へ進学、全日本学生選抜大会や全国クラブ選手権大会に出場。現在は、HOKKAIDO IWAMIZAWA FUプレイヤー兼GMとし選手の育成や競技の魅力発信にも注力している。同時に、5人制の地域リーグに参戦するバスケットボールチーム「Camelia」の現役プレーヤーでもある。

仲間と一緒に負けた経験で自分が変わった

―バスケットボールをはじめたきっかけを教えてください。

幼い頃は、サッカーや野球などさまざまなスポーツをやっていたのですが、小2の終わりに、ミニバスをやっていた同級生に誘われて始めました。当時、『スラムダンク』の影響もあって、単純に「かっこいいなあ」という気持ちだったのですが、いざやってみるとすごく楽しかったんですよね。特にシュートが決まった瞬間はとても気持ち良かったです。

―どんな子どもだったのですか?

どちからかというと穏やかな性格で、子どもの頃は勝ち負けに執着がありませんでした。走ることが得意だったのですが、マラソン大会などではいつも2位、3位。なかなか1位がとれないんです。両親は、どうして勝ちに行かないんだ?と、はがゆかったようですが、自分としては「僕は僕なりにやっているからこれでいいのに」という気持ちでした。負けて悔しいということがなかったんですよね。

ところが小5の時、あるバスケットボールの大会で負けた時に、ものすごく悔しくてチームの仲間と泣いたんです。その後、小6では全道大会3位という成績を残すことができたのですが、それは、「悔しい」と思ったことがエネルギーになったからだと思っています。個人ではなく、仲間と一緒に負けたという経験は、今も深く自分に残っています。

「チャンスがあるなら勘違いでもいいからトライしろ」父の言葉が後押しに

―その後バスケットボールを続けていくことに迷いはありませんでしたか?

中学は私立の東海第四に進んだのですが、さらにバスケットボールに打ち込める環境に自分を置きたいと思い、高校進学は強豪校の仙台高校を希望しました。当時、僕は札幌や北海道選抜にも入れていなくて、バスケットボールでスカウトされたり推薦してもらえたりするようなこともなく、「自分はトップレベルの選手じゃないのに無謀なチャレンジなのではないか」と、実はとても迷いました。その時、父が、「チャンスがあるなら勘違いでもいいからトライしろ!」と僕の背中を押してくれたんです。父のこの言葉のおかげで勇気が持てました。

―子どものスポーツへの保護者の関わりは難しいところがありますよね。

僕も、中学時代は試合を見に来ていろいろ口を出してくる父に「うるさい!」と言ったこともありますが、バスケットボールを続けることに協力的だった両親には感謝しています。自分の経験として、親が試合中や練習に口を出すのは、子どもにはプレッシャーになると思うので、普段は黙って見守っていて、ターニングポイントの時に子どもを後押しするという関わりがいいのかもしれませんね。

バスケットボールを通じた人との出会い

―バスケットボールを続けていて良かったことはなんでしょうか?

一番は、今もですが、バスケットを通じていろんな人との出会いがあるということです。学生時代は素晴らしい恩師や仲間に恵まれ、社会人になってからはバスケットボールを通じて仕事以外のコミュニティづくりができました。FUの活動もそうですが、地域活動をされている皆さんに会えたのもバスケットボールを続けてきたからだと思います。

また、バスケットボールを通じ、もっと上を目指したいという向上心が芽生えました。年齢に関係なくチャレンジし続けられているのも、バスケットボールを続けて良かったことの一つです。

そして、単純にバスケットボールが楽しいです。今もシュートが入る瞬間はとても気持ちがいいんですよね。どうやったら自分の良さを活かしていいシュートを決められるか?といつも考えています。

「ルーズボールとチャンスには飛び込め」

―これからバスケットボールをやってみたいと思っている子どもたちや保護者へメッセージをお願いします。

体育館にはだいたいリングがついていて、シューズとボールがあれば誰でも気軽にできるスポーツです。競技人口が多いので、つながりもたくさんできます。チーム内の役割をそれぞれが全うできた時結果がついてきて、協調性も育まれます。

ぜひ、バスケットをやってみてください。そしてシュートを決める気持ちよさを体験してほしいです!

―最後に、座右の銘は?

「ルーズボールとチャンスには飛び込め」です。ルーズボールとは、どちらのチームも保持していないボールのこと。人生のチャンスも同じことです。どちらにも飛び込んでいけと自分に言い聞かせています。

 

田尻選手へのインタビューは後編に続きます。

 

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