田尻洋輔選手 アイキャッチ

3人制バスケットボール「3×3」の魅力とは?田尻洋輔選手インタビュー後編

こんにちは!HOKKAIDO IWAMIZAWA FU(ホッカイドウ・イワミザワ・エフユー)ライターチームの栗林千奈美です。今回は、HOKKAIDO IWAMIZAWA FU選手兼共同代表の田尻洋輔さんインタビューの後編をお届けします。

現在は5人制の地域リーグに参戦するバスケットボールチーム「Camelia」の現役プレーヤーでもある田尻さん。5人制3人制どちらもプレーする田尻さんだからこそわかる「3×3」の魅力について伺いました。

「3×3」の魅力とは?

―プレイヤーとして3人制バスケットボール「3×3」の魅力を教えてください

①「次行こう!」つねにポジティブになることができる

プレーしている立場で僕が感じていることは大きく3つあります。

一つ目は、切り替えのスピード感。攻守の切り替えがすごく速いので、一つ一つのプレーに対して気持ちが後を引かないように、どんどん前向きにプレーできる競技なんです。例えば、シュートが決まらなくて、「ああ、失敗した!」とやっていると、ディフェンスをしないことで相手にメリットが生まれてしまい、味方に迷惑をかけてしまう。なので、シュートを打ったら、入る入らない関係なく次のことを考えてどんどん他のメンバーのために動いていこうというのがこの競技の魅力です。

5人制ではボールを運ぶ時にコミュニケーションをとったり考える余裕もあるのですが、3人制はその時間がない。「次行こう」「気にしなくていいよ、もう一回チャンスあるよ」という声かけが自然に出てきます。実際、またチャンスが回ってきますしね。だから1回のミスくらい気にしないで、常にポジティブに闘えるチームが強くなっていくんです。

②プレーの新しい可能性にチャレンジできる

次に、「3×3」はノンポジションスポーツと言われ、ポジションがほとんどないので、一人でいろんなことができます。5人制はチームの中で役割があり、チームとして勝利を目指していく中で、だんだん役割に特化し、磨いていくことが必要になります。もちろん、それは良いことではあるのですが、新しいことにチャレンジしにくくなることもあるんです。「3×3」では役割がないので、自分の新しい可能性を見つけられるのが魅力だと思います。また、「3×3」は10分という短い時間で競技するので、それを習慣づけていけば、5人制でも序盤からしっかりリードを保って勝ちに行けるという練習にもつながります。バスケットボール共通でいいスキルが身に付くスポーツなので、5人制を続ける上でも勉強になります。ぜひ5人制をやりながら3人制もやってみてほしいです。

③プレイヤー同士の深い信頼関係を築くことができる

最後に、プレイヤーの人数が少ないのとコーチがいないことで、プレイヤー同士で信頼関係が深くなり、協調性もより生まれるということを、最近プレーしていて思いました。コーチがいないので自分たちで打開するために声をかけあってコミュニケーションをとることが必要になります。そもそも、コーチが話すとテクニカルファウルをとられるいうルールがすごくないですか?(笑) このことも含めてプレイヤー個人にフォーカスした競技なんだと感じています。

予想外のことが起きやすいスポーツ

―観客側にとってはいかがでしょう?

5人制とはルールが違うだけじゃなくて、全く違う感覚のスポーツです。5人制の選手が「3×3」をやると、慣れるまで何をやっていいか全然わからないと言う人もいます。実際、僕も慣れるまでが迷う部分がありました。でもどんどん積極的にプレーしていけば結果が生まれるということは実感できています。どんどんトライしてチャンスがあれば仕掛けていくというような競技性は、観る方にとっても大きな魅力だと思っています。

また、もともとバスケットボールは実力が出やすいスポーツです。他のスポーツに比べ予想外のことが起きにくいと言われていますが、「3×3」は攻撃回数も多く、短い時間内のことなので予想外のことが起きます。下馬票を覆すという展開も多く、観ている皆さんにも楽しんでいただけると思います。

地域の皆さんに応援されるチームに

―FUをどんなチームにしていきたいですか?

まずはとにかく皆さんに愛され、応援されるチームにしていきたいのが一番の目標です。

オリンピック選手を輩出したいなど目指すとことは他にもいろいろとありますが、一番大事なのは応援されることなのは間違いありません。それには、勝つこと、人柄、パフォーマンスなど大事な要素があると思いますが、プレイヤーその人自身を知ってもらうということがすごく大事だと肌で感じています。3人制のコンパクトさと地域に根ざしている良さを活かした、ビッグクラブにはできない活動を通じ、より多くの方と距離感の近いコミュニケーションをとっていきたいと思っています。リーグのスタイル上、北海道で試合ができないので余計に強く意識して、画面上だけではなくて臨場感がある生の試合を必ずつくっていきたい。僕たちの課題でありミッションだと考えています。

全力でリーグに飛び込んでいきたい

―公式戦目前、今の気持ちは?

僕はわくわくしています。どうなるかわからないということも含めていろんな気持ちがありながらも、すごくポジティブな気持ちでいます。僕たちは一年目で失うものは何もないわけですから、とにかく全力でリーグに飛び込んでいきたいと思っています。

―ファンや地域の皆さんへメッセージを

バスケットボールを通して地域を盛り上げたいと思っています。3人制バスケットボールはまだマイナーなスポーツだし、一年目でまだまだ日が足りなく認知もされていないのですが、皆さんに知っていただくために、バスケット以外でもさまざまな活動をしていきたいと考えています。僕たちのプレーを観たり活動を知っていただいた際に、いいなと思ってもらえたら、応援ももちろんなんですが、どんどん、周囲に話していただけたらいいなと思っています。自分もチームの一員だと思ってご協力いただけると本当に嬉しいです。どうかよろしくお願いします!

前編後編にわたり、田尻洋輔選手のインタビューをお送りしました。一つ一つの言葉を選びながら真摯に答えてくださった田尻選手。厳しくゴールに迫る迫力プレーの裏に、他者への気遣いを忘れない、一本筋が通った誠実な人柄を感じました。公式戦まであとわずか! 田尻選手のシュートをお楽しみに!

⇒前編はこちら

 

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