迷わず十勝にUターン。「動物好きの私が、ばんえい十勝で働く理由」ばんえい十勝職員・廣瀬茉優
北海道遺産として認定されている北海道の馬文化。現在はここ帯広市でのみ開催されているばん馬たちの競馬もまた注目のひとつとなっています。
今回お話を伺ったのは、ばんえい十勝で働く廣瀬茉優さん。動物が大好きで千葉の専門学校で学び、わき目も振らずに十勝へUターンした廣瀬さんに、ばんえい十勝で働くことの面白さやばんえい競馬の魅力を語っていただきました。
廣瀬茉優(ひろせ・まゆ)。2000年生まれ、帯広市出身。帯広農業高校、東京動物専門学校を経てばんえい十勝(業務委託先の一つである株式会社ティワイネット)へ就職。小さいころから大型動物からペットまで様々な動物と触れ合ってきた。
地元愛を確認した専門学校時代
北海道Likersライター木登りアフロ:廣瀬さんは道外の専門学校へ通われていたんですよね。外から見た十勝の印象や帰ってこようと思った理由、戻って感じたことを教えてください。
廣瀬さん:高校卒業後、千葉にある広大な土地にたくさんの動物がいる動物専門学校へ行きました。全国から集まった約140名の同期の中で北海道から来たのは2人。出身地を伝えると「酪農盛んなんだよね~」とか、「一度は行ってみたいなぁ」などと声をかけられました。地元を褒められるとやっぱり嬉しくって、十勝が好きなんだなと自覚しました。それが帰ってこようと思った大きな理由です。
戻って来て感じたのは観光地が多いこと。特にソフトクリームが食べられるところが多いと感じました。また、近所の知り合いはもちろん、お店の人たちがとっても親切で、一人一人にかけてくれる時間が長いなと思います。
北海道Likersライター木登りアフロ:地元の動物関連の中で一番面白そうだったことから志望されたという現在のお仕事。働く前のばんえいの印象、そして働いてから変わった印象を教えてください。もし専門学校時代のご友人に話すとしたら、今のお仕事をどんな風に説明しますか。
廣瀬さん:子どもの頃、父に連れられて来たことがありましたが、当時は“お父さんたちの場所”という印象でした。特に2階は馬券を買う人だけというイメージしかなかったです。でも今はお子さんも来ていたり、観光地や遊びに来るスポットとして“家族で楽しめる場所”というイメージになりました。
専門学校時代の友人は動物相手の仕事、動物園やペットショップに勤める人が多いのですが、私の今の仕事は日々お客様に向き合う仕事です。友人たちには私の行動がそのままばんえい競馬の印象に繋がっていく責任ある仕事であることを伝えたいですね。
お客様からの感謝の言葉は宝物
北海道Likersライター木登りアフロ:具体的にこの1年どのような仕事に従事されてきましたか。その中でやりがいを感じたこと、つらかったこと、嬉しかったことを教えてください。
廣瀬さん:普段の仕事は団体のお申し込みがあったらご案内や誘導をすることやプレミアムラウンジでの受付業務などお客様と接する仕事が多いですね。あとは協賛レースでレース名の看板や協賛してくれたお客様にプレゼントしているフォトフレームを作ったりしています。
やりがいがあるのはお客様と直接お話しできることです。ばんえい競馬について熱心に聞いてくれるお客様がいらっしゃるので、その方に馬のことや歴史をしっかりと説明できた時に、とてもやりがいを感じます。
つらかったのは無観客だった時です。本来お客様をご案内するのが私の仕事なので、お会いできなくてさみしかったですね。
嬉しかったのはお客様の忘れ物を郵送させていただいたことがあるのですが、それに対してお手紙と小さな贈り物をいただいたことです。他にも協賛レースに関してのメールのやり取りの中で、御礼のメールをいただいた時も嬉しかったです。
馬たちのお洒落にくぎ付け
北海道Likersライター木登りアフロ:実際に働いてみて気づいたばんえい競馬の魅力、もっと広めたいと思っていることがあれば教えてください。
廣瀬さん:働くまでは馬券を買わないと楽しめないものと思っていたのですが、競馬場にいらしてるお客様を見ると馬券を買わなくても、馬を見ることで楽しんでいる方がたくさんいるなと気づきました。私ばん馬の飾り、特にたてがみ飾りが凄く好きです。馬具もそうなんですが最近はエナメル製で発色がよくて、これらを騎手服と合わせていたりします。
私のお気に入りのお洒落なばん馬は『ホクセイサクラコ』です。馬具もリボンも全部真ピンクで鹿毛とのバランスも抜群。そういった自分のお気に入りの馬を探すのも魅力のひとつで、馬券を買うのが初めてのお客様はまずは一番お洒落だと思う馬を選んで応援するのも見どころだと思います。
北海道Likersライター木登りアフロ:今後やってみたいと思っていることや、5年後の理想があれば教えてください。先輩やばんえい競馬を見ていて次はこんなことをしたいなどの野望や希望はありますか。
廣瀬さん:コロナ禍の影響で今は中止になっているツアーの案内をやってみたいです。ただお客様をご案内するだけでなく、ばんえい競馬の歴史や楽しみ方などたくさんの魅力をお伝えしたいので、コロナ以前のような状況に戻れる日が来ることを心待ちにしています。
5年後の理想……まだまだ先のように感じますが、広報など情報発信の分野に興味があります。目の前のお客様だけではなく、インターネットで誰でも見られるところにブログとか楽しめるようなコンテンツを作れたらいいなと思います。
北海道Likersライター木登りアフロ:では最後にばんえい競馬の好きなところを一言で教えてください。
廣瀬さん:『ヨクキタネ』ですね。元ネタがばん馬の名前の『マタキタヨ』になるのですが、これをもじってニコニコ動画で「仕事終わってから来たよ~」などのコメントが入ると、中にいる人たちが「ヨクキタネ~」と返す慣習のようなものがあって、とってもウェルカムな感じが温かくて好きなんです。この親しみやすいアットホームな感じを私も大切にして、帯広競馬場へ来場するお客様にも楽しんでもらえるように頑張っていきたいなと思っています。
———動物が好きで、そしてネットの世界にも明るい廣瀬さんの視点でみるばんえい競馬はいかがでしたでしょうか。決まりごとやコロナ対策などで窮屈な中でも楽しみと面白さを見出せる廣瀬さんからこそ、広く親しみやすいばんえい競馬として間口を広げていってくれるのではとお話を伺っていて胸が躍りました。廣瀬さん、そしてばんえい十勝の皆様のこれからのご活躍に期待しています。
ばんえい女子とは:
世界で唯一、帯広競馬場でしか見ることができないばん馬によるレース“ばんえい競馬”。大きな馬と騎手が生み出す、力強い迫力は見る者を圧倒します。そんな「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」を主催する北海道帯広市と、インターネット勝馬投票券(馬券)購入サイト『楽天競馬』を運営する楽天グループの競馬モール株式会社が実施する「ばんえい十勝応援企画」は、ばんえい競馬を通じた地域振興の取り組み。本企画では、騎手や調教師など、ばんえい競馬を盛り上げ、支える女性たちの活躍に迫ります。彼女たちだからこそ知っている、ばんえい競馬の魅力とは?
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