えっ、昆布巻きも!? 意外と知らない、北海道にルーツがある「おせち料理」3つ
お正月にはおせち料理を食べますよね。重箱にいろんな料理が入っていて、見て、食べて、年が明けたなぁと実感できる料理です。
そんな日本の伝統料理おせちには、北海道ならではのメニューもあると知っていましたか? そんな北海道にルーツを持つ、おせち料理についてご紹介します。
北海道ならではのおせち料理1:飯寿司(いずし)
『飯寿司(いずし)』は魚と野菜を米麹に漬けて発酵させた、北海道の郷土料理です。使われる魚はホッケやシャケ、ハタハタ、ニシン、サンマなど。昔は冬の保存食として各家庭で作られており、お正月にも食べられていました。現在はスーパーやデパートなどでも購入でき、おせち料理のひとつとして用意する家庭もあります。
漬け込んだ独特のクセがあるので、味の好き嫌いははっきりとわかれるかもしれません。筆者も子どものころは得意ではありませんでしたが、大人になってから好きになりました。
筆者の家では、お正月に親戚で集まったときに、祖母が手作りの飯寿司を振る舞ってくれます。祖母お手製の飯寿司はシャケを使っていて、うまみが引き出されており、とてもおいしいです。筆者はごはんのお供に、筆者の父はお酒の肴にしています。
道産子である筆者にとって、飯寿司はお正月の風物詩のひとつになっています。
北海道ならではのおせち料理2:松前漬け
『松前漬け』は、乾燥させたスルメイカと昆布を細切りにして、醤油やみりんなどの調味料に漬け込んだ北海道の郷土料理です。ほかに数の子やにんじん、柚子などを加えることもあります。名前の通り、松前町など道南地域が発祥とされているそう。
筆者の個人的な話にはなりますが、とても好きな料理です。一年を通して食べる機会は多くないので、お正月に食べられるとうれしくなってしまいます。
味は醤油がベースですが、甘みもしっかりとあります。昆布は粘り気が出ていて、スルメイカとのうまみの相乗効果がすばらしい! 筆者の家ではお歳暮でいただくことが多く、数の子が入っているものをよく食べます。数の子のプチプチ感はたまりません!
筆者は白いごはんに合わせるのが好きですが、そのまま食べてもおいしいですし、お酒も進むと思います。
北海道ならではのおせち料理3:昆布巻き
『昆布巻き』はサケやニシンなどを昆布で巻き、かんぴょうで結び、醤油や砂糖で煮た料理です。全国的にも食べられているおせち料理ですが、昆布漁がさかんだった江戸時代に北海道の名産であるサケやニシンと合わせた『昆布巻き』が作られ、北海道の郷土料理となったようです。やわらかい日高昆布は、昆布巻きを作るのに向いているんだそう。
昆布は縁起のいい食べ物であることから、おせち料理にも使われます。たとえば“よろこぶ”の語呂合わせ。漢字で書くと“養老昆布”となり、長寿も意味します。さらに“子生”と書いて“こぶ”と読んだり、昆布のなかに入れるニシンを“二親”と読ませたりして、子孫繁栄にもつながっているようです。
北海道では大晦日からおせちを食べる
ちなみに北海道では、年が明ける前の大晦日からおせちを食べます。そのまま続けてお正月もおせち。メニューだけでなく、食べるタイミングにも本州との違いがあるのは、文化の違いとして面白いですよね。
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北海道は食材が豊かなので、おせち料理が豪華で、筆者は毎年楽しみにしています。ご紹介した北海道の郷土料理が手に入る機会があれば、ぜひ道外の方も食べてみてくださいね。
【参考】農林水産省
飯寿司 北海道 うちの郷土料理 / 農林水産省
松前漬 北海道 うちの郷土料理 / 農林水産省
昆布巻き 北海道 うちの郷土料理 / 農林水産省
【画像】YUMIK、gontabunta、flyingv、マーボー、kouta、kasayon / PIXTA(ピクスタ)