お正月に甘い鯛を食べる!? 知って驚く「北海道独特の正月文化」とは
ついにやってきたお正月。2021年が始まりましたね。
お正月はどんなふうに過ごされていますか? 実はお正月に北海道ならではの文化があるとされています。それは“大晦日からおせちを食べ始めること”。そして“口取り菓子”という、主に北海道にしか流通していない正月のためのお菓子。
今回はその2つについて迫っていきます!
北海道ではお正月におせちを食べない?
いきなり驚くようなことをいってしまいますが、実は“おせち”、本来は年末に食べるものであって年明けに食べるという目的で誕生はしていないそう。
本来おせちは、年とりの膳として大晦日にいただくものだったんだとか。お餅も暮れの30日までについたものを神前に供えておき、それを大晦日にいただくとのこと。
家族同士の共食よりも、神様と人間とが共に食する「神人共食」の観念が強く関係していたそうです。正月の神様をお迎えし、その神様に供えたごちそうをいただくことによって、一年を息災に過ごすエネルギーをいただこうという古来の考え方に根差したものですね。
しかし、高度経済成長期を機にお正月は、本来の目的とされていた“正月の神様”を迎えるという意味から、“お祝い”の意へと移り変わっていったんだそう。
都市生活者のライフスタイルにあわせるためや、農村部にあっても都会で暮らす子どもたちの帰省にあわせたこともあってか、年とりの膳よりも三が日をにぎやかに祝うことに重点が置かれるようになったようです。筆者は知りませんでしたが、言われて納得という気もします。
紀文株式会社が行ったお正月に関するアンケート調査によると、12月31日におせちを喫食した都道府県別の割合は、北海道や青森県において約6割〜8割と高い値が出ていたのに対し、それ以外の地域では約1割〜2割という低い結果となりました。
筆者が調べてみたところ、年末におせちを喫食する文化は北海道や東北地方で多いそう。特に北海道は“七夕祭り”や“お盆”も旧暦で祝うことがあるため、その名残でお正月も旧暦で祝うのではないのでしょうか。
ちなみに、大晦日の晩は旧暦だと既に正月になっています。
「口取り菓子」って何!? どんなお菓子なの
2020年も年の瀬。筆者の近所のスーパーにはこのような和菓子が置いてありました。
「単なる縁起物をかたどった和菓子なのかな?」北海道生活4年目の筆者はそう思っていましたが、実はコレ、北海道などに伝わる正月文化を象徴するものなんです。
おせち料理の食材を手に入れるのが困難だった時代に、和菓子で食材をかたどったのが始まりとされています。北海道は海で隔てられているため、昔は伊勢海老や鯛は入手困難だったのでは。だからこそ、お菓子としてかたどることにしたのかもしれませんね。
ちなみに、口取り菓子は種類がたくさんありますが、“海老”や“鯛”は定番の形のようです。
こんな可愛い口取り菓子もあるんです。干支が入っていたりと、にぎやかで子ども達が喜びそうですね!
筆者もこのような可愛い口取り菓子を今年の正月は食べようかなと思います(笑)。
今年の年末はいつもとは違う特別な年末。改めて、生きていられることに感謝し、そして食べることに感謝する。
その中でおせちの由来の想いを馳せてみたり、口取り菓子を食べて北海道らしい正月文化を感じるのも良いかもしれませんね。
【参考】
お正月とおせち料理 / 紀文
お正月の口取り菓子 / ヨシダのお菓子
口取り / お菓子のまさおか
【画像】さるとびサスケ、freeangle / PIXTA(ピクスタ)、@ra_mmj17 – instagram
※諸説あります