wish代表写真

北海道初の保護猫カフェ。「人間に言いたいことはたくさんある」代表が猫にかける想い

2008年12月に北海道に初めてできた“保護猫カフェ”が帯広市にあるのはご存知ですか?

今回は、試行錯誤を繰り返しながら、保護猫たちのために奮闘する保護猫カフェ『Cat Cafe Wish』代表の原田美加さんの想いをお伝えします。

北海道初!帯広市の保護猫カフェ「Cat Cafe Wish」

帯広駅から車で6〜7分の場所にある保護猫カフェ 『Cat Cafe Wish』さん。国道38号線沿いにあり、帯廣神社にも近く、すぐそばには帯広川が流れる立地にあります。

受付ホールまでは無料で入場でき、猫用のグッズや雑貨などの販売や支援物資の受付などを行なっています。猫広場への入場は有料となり、30分コース600円、60分コース1,000円。この入場料が保護猫の支援金となります(猫広場への入場は安全性を考え、小学1年生から可能)。

試行錯誤の日々、まわりの人のサポートで13年!

「一般社団法人 猫たちを守る十勝Wishの会」が運営している『Cat Cafe Wish』。その代表である原田美加さん(写真右)にお話を伺いました。

“保護猫カフェ”を始めた経緯は、カフェを始める知人に「2階部分のスペースを“猫カフェ”として利用したい」と、申し出たことだったという原田さん。きれいな猫がいる通常の“猫カフェ”よりは、保護猫がいるカフェを始めたいと発起。今でこそ北海道にも“保護猫カフェ”は何店舗もありますが、2008年当時はひとつもなく、試行錯誤の日々だったそうです。

10頭の猫から始まった“保護猫カフェ”は、オープン当初から人気があり順調でした。ところが、知人が経営していた1階のカフェの運営がうまくいかず閉店すると告げられ、現在の形である1棟まるごと“保護猫カフェ”として運営することに。「生き物がいるから簡単にやめるわけにはいかなかった」と原田さん。

「猫が好きだけでは続けられない」という原田さんが13年も続けてこられたのは、使命感とまわりの人のサポートのおかげだといいます。

40歳から“保護猫カフェ”をスタートさせた原田さんは、小さい頃から動物が好きで、獣医師になりたいという願望もあったそうです。「まさか40歳から“保護猫カフェ”を始めるとは思っていなかった」と笑います。「ただ、始めるなら20年は続けようと思って、スタートしました」。

活動するなかで、辛い経験を何度も味わったそう。しかし、最初の誓いを守るためにも、猫たちを守りたいという使命感が続けるひとつの原動力になったといいます。そして、「スタッフやボランティアスタッフ、支援者がいなければ続けられなかった」と、まわりの人のサポートがもうひとつの原動力に。

以前はプライベートな時間がほぼなく、休日もほとんどありませんでした。ここ1年ほどは、優秀なスタッフがいるおかげで、週に1回の休日が取れるようになったと嬉しそうに語る原田さんからは、頼りになるスタッフがいてくれる心強さを感じました。

無料で猫を引き取る施設ではない!

『Cat Cafe Wish』では保護の相談を受け付けていますが、丸投げの相談はお断り。無料で猫を引き取る施設でもありません。有料で預かるシステムはありますが、頭数に制限を設けているため、店舗への確認が必要です(2021年11月末現在は頭数が制限に達しているため、預かり不可とのこと)。

「人間に対しては言いたいことが、たくさんあります」という原田さん。相談者の無責任な言動や、ひどい現場を目の当たりにしてきた経験からの発言です。さまざまな事情はあるとは思いますが、安易な気持ちで猫を飼うことや、育てられなくなったら捨てたり、保護施設に丸投げしたりすることは、あまりにも無責任だと理解してほしいですね。

帯広・十勝から保護猫のいない状況をひろげたい!

運営費の25%が猫広場の入場料、もう25%が物販の収益、そして残りの50%が支援者による支援金という『Cat Cafe Wish』。コロナ禍の影響で、運営資金が厳しい現状とのこと。だからといって、猫のエサ代や必要な医療費、暖房費などを削ることはしたくないと原田さんはいいます。「猫ファーストです!」と、常に猫の満足度を考えているそうです。

でも、本当の願いは、“保護猫という存在がなくなること”。「少しずついいから、この帯広・十勝からひろがってほしい!」と原田さん。

『Cat Cafe Wish』では2022年のオリジナルカレンダー(1,100円)も販売しています。ボランティアスタッフが撮影した写真を使用したカレンダーで、在籍中の猫や譲渡され幸せな猫など、猫好きにはたまらないカレンダーとなっています。もちろん、こちらの売上も運営資金となります。ぜひ協力したいという方がいましたら、店舗での販売以外にもネット販売を行なっていますので、購入してみてはいかがでしょうか?

 

猫は可愛いですが、“飼う”ということはそれだけではありません。責任が伴います。猫にも個性があり、環境によるストレスを抱えたり、病気になったりすることもあります。人間と一緒です。不幸な猫をなくすためにも、人間が今一度考えてほしいと、原田さんへの取材を通じて強く感じました。

<施設情報>
■施設名:保護猫カフェ Cat Cafe Wish
■住所:北海道帯広市東2条南2丁目5-8
■電話番号:0155-26-2833
■営業時間:12~19時
■定休日:月曜・火曜(祝日は営業)
■Facebook:https://www.facebook.com/wish2101/

⇒こんな記事も読まれています

「ありがとう」をつないで118年!一度いったらファンになる老舗和菓子店

元モーグル五輪選手の山崎石材工業代表・山崎修。過去から現在、未来へとつなぐ「人生の物語」



帯広ってどんなところ?
#帯広グルメ #帯広観光