「売れる自信があった」今芽室で落花生がアツい!噂の若手集団とは
十勝エリアにある芽室町は、帯広市、清水町、音更町、鹿追町などに接している農業がさかんなまち。
町内にある「めむろ新嵐山スカイパーク」にはここでしか味わえないソフトクリームがあると聞き、さっそくお邪魔しました。
芽室町産の落花生をふんだんに使った「メムピーソフト」
「めむろ新嵐山スカイパーク」で見つけたのは、意外すぎたピーナッツ(落花生)のソフトクリーム! その名も『メムピーソフト』。
プラス50円でより落花生を味わえるということなのでトッピングしてもらうと、殻付きの落花生2つとたっぷりのクランチピーナッツやグラノーラなどがかかっていました。
帯広市にある「ウエモンズハート」さんの自社牧場の生乳を使用したソフトクリームミックスに、ほどよくローストした落花生のペーストが練りこまれています。最後の一口まで美味しく食べてもらえるよう配分などにこだわったそう。しかもこの落花生は芽室産! 北海道で落花生を生産しているということに驚きました。
「メムピー」の謎に迫る!
『メムピーソフト』の“メムピー”とは、若手生産者集団『メムロピーナッツ(通称:メムピー)』のこと。現在は13軒の生産者からなっていて、メムピーとして落花生の生産を始めて今年で5年目になるそうです。
そのメムピーの代表を務める藤井信二さん(前列左から3番目)に話をお聞きしました。
「12年前にJAめむろ青年部が行う活動の一環で新しい作物に取り組もうという動きがあり、落花生を育てることになったそうです。僕は8年前農家になり、青年部に入って落花生に出会ったんですが、同世代の仲間でいろいろと試行錯誤しながら栽培するのが楽しく、愛着が湧いてきて。青年部としてではなく、自分の畑でも作りたいと思うようになり、4年前の春に青年部のメンバーに声をかけて僕を含めた4人で本格的に栽培を始めました」
売り先がない状態でスタートしましたが、“売れる!”という自信があったといいます。
「加工場所を探したり、売る場所を探したり、お店で使ってもらえないかと交渉し、取り扱ってもらったときは本当に嬉しかったですね」
寒い北海道での落花生の栽培
落花生の産地として有名なのは千葉県ですが、気温や環境の違う北海道ではどのように栽培しているのでしょうか。
「品種は郷の香(さとのか)で、千葉県から種を買い、5月上旬に種まき、10月上旬に収穫を行います。千葉県の砂地とは違い、芽室の土はそこまでサラサラではなく、殻の網目に引っ掛かりやすいので大変ですね」
芽室産の落花生はほかの産地と比べて甘味が強いそう。その理由は2つ。1つ目は土づくり。畑は4輪作で毎年畑に違う作物を植えて、畑に負荷を与えないようにして病害虫を防いでいるんだとか。
2つ目は北海道ならではの寒暖差だといいます。
「作物は暑いと自分を守ろうとエネルギーを使いますが、夜は涼しいのでその分蓄えておけるんです。美味しくなるには“寒”が重要。でも、寒すぎると実が熟さないので、分解マルチ(でんぷん質でできた土に還るマルチ)を使って温度をキープし、パオパオという不織布をマルチの上からかけて温度をさらにかけて、7月上旬くらいに剥がします」
これからの「メムロピーナッツ」
初年度は面積が0.8ヘクタール、収穫量が2トンだったのが、4年目となった昨年は面積が8ヘクタールと10倍、収穫量が36トンと18倍になり、機械を使った大規模栽培が可能に。現在は千葉県で行っている焙煎を、今後は芽室で行える施設を作っていきたいそう。
「メムロピーナッツは芽室の豊かな土と気候で育ち、甘みが強いのが特徴。ゆで落花生は産地じゃないと食べられないので、まずはこれを味わっていただきたいです! 節分の豆まきはぜひメムロピーナッツを使っていただきたいです!」
“新たな落花生の産地へ”というテーマのもと1年目から活動しているという藤井さん。「芽室から始まり十勝、北海道が落花生の産地になるよう、これからもチャレンジし続けたい」と意気込みを聞かせてくださいました。
新たなオリジナル商品やロゴを使ったグッズの制作、今年1月1日に開設したYouTubeチャンネル『メムピーチャンネル』の更新も引き続き行っていくとのこと。これからメムピーがどのように進化していくのか楽しみです!
<店舗情報>
■店舗名:めむろ新嵐山スカイパーク 国民宿舎1F FARMER’S BASE
■住所:北海道河西郡芽室町中美生2 線42
■電話番号:0155-65-2121(めむろ新嵐山株式会社)
■営業時間:10~18時 (L.O.17時30分)
■HP:http://shin-arashiyama.jp/
<取材協力>
■MEMURO PEANUTS(メムロピーナッツ)
■HP:https://memuro-peanuts.com/
【画像】MEMURO PEANUTS
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