地元限定の日本酒が気になる!飲まさる酒を造る「上川大雪酒造 緑丘蔵」(上川町)
アイヌ語で「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼ばれる大雪山。標高2,291mと北海道の最高峰である旭岳をはじめ2,000m級の山々が連なる大雪山連峰の姿は、まさに神々しく雄大そのものです。
この大雪山の麓にある上川町に、全国の日本酒ファンから注目を集める酒蔵があります。その酒蔵の名前は上川大雪酒造「緑丘蔵(りょっきゅうぐら)」。
【こちらもおすすめ!】
登山前にちょっと寄り道を。大雪山の名水が育てたグルメが揃う「道の駅ひがしかわ道草館」
戦後初めて北海道に誕生した酒蔵「上川大雪酒造 緑丘蔵」
明治時代、北海道には200軒以上の酒蔵がありました。しかし、後継者や職人といった酒造りの担い手不足や消費者の日本酒離れなどの理由によって、多くの酒蔵が廃業してしまい2016年には11軒まで減ってしまったといいます。
上川大雪酒造「緑丘蔵」が誕生したのは、その翌年の2017年5月のこと。酒造りを休止していた三重県の酒蔵の酒造免許を上川町に移転して設立されました。北海道に新しい酒蔵が誕生したのは戦後初めてのことです。
大雪山系の良質な水と北海道産の酒米で造られる「飲まさる酒」
日本酒造りには良い水と良いお米が欠かせません。とくに水は、日本酒の成分の8割を占めるため、仕込み水によって日本酒の味が決まるといわれています。
上川大雪酒造「緑丘蔵」が仕込みに使う水は、大雪山系の大自然が作り出した清冽な天然水。そしてお米は、上川地区を含んだ北海道産の酒造好適米の『彗星』や『きたしずく』『吟風』を使用しています。
取材に伺った日は、ちょうど麹を作るためにお米を蒸す「蒸米(むしまい)」の作業が行われていました。この蒸米の前の工程の、お米を洗う「洗米(せんまい)」や、お米に適度な水分を吸わせる「浸漬(しんせき)」にも、もちろん大雪山系の天然水が使われているのです。
日本酒の仕込みに使われるタンクは、5,000~10,000リットルの大きさが一般的です。しかし、上川大雪酒造「緑丘蔵」で使われているのは、2,000リットルほどの小さな仕込みタンク。手造りの伝統的な手法で1本1本ていねいに仕込んでいきます。
上川大雪酒造の酒造りのコンセプトは「普通に造る」こと。そして目指しているのは「飲まさる酒」。“飲まさる”とは北海道弁で「ついつい飲んでしまう」という意味です。
※通常、上川大雪酒造での酒蔵見学は屋外の見学窓からになります。今回は、特別に許可をいただいて取材しました
普通なのに上川町に来ないと買えない特別なお酒
酒蔵に隣接して建つ真っ白な建物は、2019年1月に新設された上川大雪酒造の直営ショップ「上川大雪酒造Gift Shop」。
店内には、上川大雪酒造で造られるお酒の他、酒器や手ぬぐいなどの和を感じさせる雑貨が並んでいます。
また昨年、十勝の帯広畜産大学構内に設立された「上川大雪酒造 碧雲蔵(へきうんぐら)」で造られたお酒も、こちらのギフトショップで買うことができます。
ギフトショップで、唯一買うことができない上川大雪酒造のお酒が、北海道の食の達人が推薦する「北のハイグレード食品2021」に選定された『神川(かみかわ)』。この『神川』は、上川町を中心とした周辺地域のみの限定販売。上川町内のスーパーや商店、コンビニには普通に売っているのに、わざわざ上川町に来ないと買えない特別なお酒です。
飲んでみたい日本酒好きのかたは、ぜひ上川町に訪れてみてくださいね。
<施設情報>
■施設名:上川大雪酒造 緑丘蔵 Gift Shop
■所在地:北海道上川郡上川町旭町25番地1
■電話番号:01658-7-7380
■営業時間:10〜16時(夏季)10〜15時(冬季)
■定休日:水曜日
■HP:https://kamikawa-taisetsu.co.jp/
■オンラインショップ:http://shop.kamikawa-taisetsu.co.jp/
⇒こんな記事も読まれています
かつて北の灘と呼ばれた旭川!今なお伝統を受け継ぐ創業120年以上の「高砂酒造」
ここだけ、酒屋の絶品ジェラート!札幌南区「地酒仙丸・ジェラート札幌果林樹」