安平町のカラーマンホール蓋

深い歴史が明らかに!? マンホール蓋から知る「安平町」【北海道マンホールのすゝめ】

2021.07.10

ここ数年、“マンホール蓋”の人気が高まっているのをご存知でしょうか。マンホール蓋とは、その名の通りマンホールの最上段にはめられた鉄製の蓋のこと。蓋のデザインは自治体ごとに違っていて、デザイン性の高さや美しさが人気の理由です。

マンホール蓋愛好家=「マンホーラー」!?

ポケモンのキャラクターがマンホール蓋になっている『ポケふた』は、マンホール蓋愛好家やポケモンファンの間でとくに話題となっていて、道内には26箇所(2021年7月7日現在)に設置されています。

マンホール蓋には、アニメのキャラクターとコラボレーションしたり、地元の学生がデザインしたものを設置したりしている自治体もありますが、基本的には、観光名所、名産品、ご当地キャラクターが描かれていることが多い印象です。

このようなマンホール蓋のデザインに魅了されている愛好家のことを“マンホーラー”と呼び、写真に収めたり、拓本を取ったりする方も! 実は、筆者もそんなマンホール蓋愛好家=“マンホーラー”の1人です。

道内各地のマンホール蓋を紹介し、そのデザインの謎を紐解きながらマンホール蓋からわかる“まちの魅力”をお伝えします。

安平町のカラーマンホール蓋はSLデザイン!

今回紹介するのは、胆振管内にある安平町。平成18(2006)年に旧早来町と旧追分町が合併してできた町です。

安平町のカラーマンホール蓋には、かつて町内を走っていたSL(蒸気機関車)がメインにデザインされていて、まわりには北海道らしい雪の結晶が描かれています。カラーマンホール蓋のモデルになっている『D51 320号機』は、「道の駅あびら D51ステーション」内の『鉄道資料館』に展示されており、2019年5月には日本遺産『炭鉄港』の構成文化財に指定されました。

「SLの町」として栄えた旧追分町

明治25(1892)年に開業し、現在は石勝線、室蘭本線の2つが乗り入れている追分駅。かつてはSLを保管する扇型の機関庫を保有し、石炭輸送の拠点となっていました。“国鉄最後のSL”は旧追分町を走行したそうです。そんなSLとの繋がりが深い旧追分町では、平成6(1994)年の追分駅周辺整備の際にSLをデザインしたマンホール蓋を設置しました(現在も追分駅周辺に設置)。

なぜカラーマンホール蓋を作成することになったのか、その経緯を安平町役場の担当課に聞きました。

道の駅開業(2019年4月)を記念して、展示用にカラーのマンホール蓋を制作することになり、旧追分町で設置していたマンホール蓋のデザインを一部変更し、色付けを行いました。背景の色は全部で4色あり、鉄道資料館には「青空」と「草原」の2つが展示されています。そして、道の駅横にオープンする「ポッポらんど」内に町内で初めてカラーマンホール蓋を設置することになり、仕様を変えて新たに1枚製作を行いました。現在6枚のカラーマンホール蓋を所有しています。

 

安平町のカラーマンホール蓋には、旧追分町からの歴史を語るうえで欠かすことのできないSLが描かれていました。町内ではほかに、旧早来町にある雪だるまデザインのマンホール蓋、旧追分町にあるエゾシカデザインのマンホール蓋などが設置されていますので、安平町を訪れた際は足元にも注目してみてください!

<カラーマンホール蓋 設置場所>
柏ヶ丘公園ポッポらんど(道の駅あびら D51ステーション横)

【参考】
7月7日、北海道に7枚のポケモンマンホール『ポケふた』が新たに登場!/ 株式会社ポケモン(PR TIMES)
道の駅あびら D51ステーション