北海道への愛を考え抜く。九州、東京と暮らしてたどりついた北海道の魅力
「愛はあるか。」
今を生きている場所への愛、言いかえれば北海道への愛。
筆者が大切にしている感情です。
九州と東京での生活を経験し、たどりついた北海道という地。
ここで暮らした4年間という日々から、北海道への愛について考えます。
北海道の雪がもたらす夢幻な世界
はじめて迎えた北海道の冬。瞬く間に過ぎ去った秋を惜しむ間もなく、辺り一面は見事な銀世界へ。
帰宅ラッシュのなか、車のヘッドライトが照らす夕刻の道を、降り積もる雪とともに歩いていたときのこと。
聞こえてくるのは騒がしい車の音ではなく、誰かの話し声でもなく、雪を踏みしめる筆者の足音だけでした。
降り続ける雪が辺りの音を吸収して、飲み込んでしまって、訪れた静寂な夜が何とも幻想的。
音があるはずなのにまるで消えてしまったかのような世界は、夜空からこぼれ落ちる雪の儚さと相まって、幻の夢のなかにいる気持ちでした。
雪の大地を踏みしめる足音だけを聞きながら、今この瞬間、ここにいるということを確かに実感したのです。この地で生きているのだ、と。
北海道への愛が芽生えたのはこの経験がきっかけだったような気がします。
ここにいるのだという、実感。ここが居場所なのだという、安心感。
イヤフォンを外して歩く真っ白な世界が、北海道の気候や自然がもたらす神秘な世界が、たまらなく好きです。
まだ見ぬ世界が広がっている
北海道で暮らしていると伝えると、いろんな人がさまざまな観光地を挙げて北海道の良さに同意してくれます。函館の夜景はきれいだよね、知床の自然に感動したよ、登別の温泉が最高だったよ、と。
筆者が訪れたことのある地もあれば、ずっと行ってみたかった地もあります。なかには、訪れるのが大変で、東京に行くほうが簡単だったりする場所もあるかもしれません。
だけど、そのどれもが、北海道なのですよね。
街並みや景色が、気候や空気が、特産物や時の流れが、ありとあらゆるものが多様な北海道。
地域それぞれが異なる表情や魅力を持っていることは、北海道の誇りだと感じます。
あまりにも広すぎる北の大地は、その広さゆえに、まだ見ぬ世界がどこまでも広がっているかのように筆者を魅了するのです。そこには人間も動物も自然も、何をも拒まない格別な包容力と多彩な居場所があるように思います。
北海道は広い。そう実感した瞬間、北海道への愛に限度はなくなりました。
北海道の新たな一面に出会う旅に、終わりはなさそうです。それが何よりも素敵なことのように思うのです。
愛について考えながら、言葉にしながら、ますます愛が募るばかりです。
あなたの北海道への愛は、何ですか。
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