本州の人は驚くかも!? 北海道のちょっと変わった「運動会の儀式」
今年も早いもので5月になりました。北海道ではこの時期からだんだんと気温が上昇し、晴れやかな青空のもとぽかぽかと気持ちのよい天気が続きます。家にいると外気を取り込みたくなり、窓を開けていると、近くの小学校から何やら子どもたちの声が聞こえてきます。
どうやら、運動会の練習をしているみたいです。懐かしい……。
というわけで、今回は北海道独特の運動会あるあるについてご紹介します。
北海道の運動会のオープニングには一風変わった儀式が存在する
運動会の開始直前、紅組と白組に分かれた全校生徒たちは、これから始まる激しい戦いに心躍らせ、やる気に満ち満ちた表情をしています。
すると、
「ちょ~せ~んじょ~!」
と威勢のいい声が響き渡り、戦いの火ぶたが切って落とされます。勝つか負けるかの仁義なき戦いの始まりです。両軍を取り仕切る応援団長の掛け声とともに、自軍を鼓舞する言葉が飛び交い、グラウンド全体が熱気に包まれます。
これこそが北海道の運動会恒例の“紅白合戦“です。
本州にはない恒例儀式「紅白合戦」と「挑戦状」とは
ここまでの説明では、ピンとこない方もいるかもしれません。
順を追って説明すると、まず北海道の運動会の恒例儀式として‟紅白合戦”というものがあります。これは運動会の開会式(もしくはその直後)に行われます。紅組と白組に分かれた両軍が“挑戦状”を叩きつけ、自軍の勝利と互いの健闘を祈る儀式です。
運動会に参加する生徒たちにとって、この紅白合戦はとても重要なものです。何度も全体練習を重ね、本番に臨みます。筆者も小学生のころには、一世一代の大勝負のつもりで参加していました(笑)
「紅白合戦」では何が起きている?
では、紅白合戦はどのような内容なのでしょうか。実際の紅白合戦の様子をご紹介します。
紅組応援団長:「ちょ~せ~んじょ~!(省略)我々の心の中で闘志を燃やしている灼熱の炎の色は何色だ~?」
紅組一同:「赤だ~!」
(中略)
白組応援団長:「ちょ~せ~んじょ~!(応戦状のパターンもあります)運動会を彩る一面の青空に浮かぶ雲の色は何色だ~?」
白組一同:「白だ~!」(このあとも自軍を鼓舞する言葉が飛び交います)
両軍応援団長:「お互いの健闘を祈って、エールを送る!」
このあとは校歌や運動会の歌を熱唱するなどして、競技に移ります。
こうして見てみると、なかなかハチャメチャな内容が叫ばれているように感じますが、当の本人たち、つまり両軍にとっては極めて重要な儀式なのです。
このように北海道の運動会には一風変わった儀式である“紅白合戦”と“挑戦状”が存在します。ただし、すべての学校で行われているわけではないようです。
また、運動会にまつわるほかのあるあるとして、本州では運動会が秋に開催されるのに対して、北海道では5~6月に開催されるという違いもあるようです。道内出身者とお話する機会があった際には、運動会の話題で盛り上がってくださいね!
【画像】YsPhoto、のびー / PIXTA(ピクスタ)、flyingv3 / shutterstock