道央、振興局、幻の札幌県?意外と知らない「北海道の分け方」徹底解説
旅行雑誌で北海道のページを見ると必ずといっていいほど“道東”や“道南”といったワードが登場します。これらは読んで字のごとく“北海道の東側”や“北海道の南側”といったエリアを指すものですが、そこに明確な区分はあるのでしょうか。また、広大すぎる北海道ゆえの地域区分“振興局”についてもご紹介します。
【こちらもおすすめ!】
なぜ北海道だけ「道」?道民でも意外と知らない由来を歴史から紐解く
分けてもでっかい!北海道
こちらがみなさん馴染み深いであろう“道東”、“道南”、“道北”、“道央”の地域区分です。この区分方法には明確な定義がなく、サイトや書籍によって異なることがあります。一般的には、後述する“振興局”を基準に区分されることが多いです。
ところで、“道西”がない点が気になりますよね。筆者としては“道央”エリアを“道西”にすると合点がいくのですが、道庁所在地である札幌など北海道随一の都市圏が含まれる“道央”は“北海道の経済的中心地”という意味合いがあると推測できますね。
“総合振興局”、“振興局”による地方区分がこちらです。“振興局”とは北海道庁の出先機関的存在で、広大な北海道の行政をカバーするために設置されています。かつては“支庁”という名称でしたが、2010年に『北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例』が施行されたことで“総合振興局”、“振興局”という名称が使用されるようになりました。その際、『網走支庁』は『オホーツク総合振興局』に名称変更されており、振興局で唯一、ロシア語由来となっています。
この“振興局”を基準とした地域区分で前述の“道東”などの分け方を行います。地震速報などの気象警報でも目にすることが多いですね。
幻の「札幌県」
こちら、空想地図ではございません。1882~1885年のわずか3年間のみ存在した“3県1局時代”の北海道は『函館県』、『札幌県』、『根室県』の3県に分けられていました。この地域区分が現代で実現したとすると、いくら人口200万人レベルの都市を擁していても『札幌県』の負担がとんでもない気がしますがどうでしょう……。“旭川県”を設置するのが妥当ですかね(笑)
地図から見る北海道。振興局が違えば気候風土、文化も異なります。歴史をひも解くとまた違った景色が見えてきそうです。
【参考】北海道、国土交通省、札幌市中央図書館 新札幌市史デジタルアーカイブ
総合振興局・振興局 / 北海道
支庁とは? / 北海道
明治2年から昭和26年までの北海道開発の沿革 / 国土交通省
新札幌市史 第2巻 通史2 第五編 札幌本府の形成 第八章 札幌県と札幌 第一節 札幌県の行政 二 北海道事業管理局の設置と札幌県の施政 三県分置の布告 / 札幌市中央図書館 新札幌市史デジタルアーカイブ
【画像】TAKEZO、suzumeclub / PIXTA(ピクスタ)