「おばんです」って?北海道民が教える、使えるとツウ(?)な北海道弁のあいさつ
日常生活で礼儀の基本となるのがあいさつ。朝から夜までいろんなあいさつを交わしますよね。北海道には、あいさつ一つとっても独特の言い回しがあります。それが「おばんです」、さてどんな意味だと思いますか?
ヒント:「ばん」は「晩」です
「おばんです」の“ばん”は、漢字で表すと“晩”に当たります。晩にするあいさつといえば……もうおわかりいただけたのではないでしょうか。
「おばんです」は夜のあいさつ
正解は……「こんばんは」でした。夕方から夜にかけて使うあいさつです。本来は「夜になりました」という意味で、転じて「こんばんは」として使われています。
「おばんでした」と過去形の言い方もありますが、「おばんです」と同じく「こんばんは」という意味です。
丁寧な表現として、「おばんでございます」「おばんでございました」とも言い、かしこまった場や公の場でのあいさつとしても用いられます。
筆者は20代ですが、同世代で使うことはほぼありません。親や祖父母など、40~50代以降の人が使っているのを聞いたことはあります。近所の方が夜に訪ねてきたときに、「おばんです」とあいさつされたこともありました。
ちなみに北海道釧路市生まれの作家、桜木紫乃さんは『おばんでございます』というタイトルのエッセイ集を出版されています。
東北地方でも同じあいさつをする
東北地方の一部でも、「こんばんは」を「おばんです」とあいさつするようです。北海道に近い地域なので、言葉の使い方が似ているのかもしれませんし、伝わってきたのかもしれませんね。
茨城県では夕方に変化球
また茨城県では夜に「おばんです」、夕方に「おばんがたです」と時間帯によって言い方を少し変えるのだとか。北海道や東北では夕方でも夜でも「おばんです」なので、ニュアンスが少し違うのかもしれませんね。
北海道で夜にあいさつをするときは「おばんです」と言えば、道産子に親しみを持ってもらえるかもしれません。「こんばんは」と同じように使えるとても簡単な方言なので、ぜひあいさつで使ってみてください。
【参考】
北海道の方言クイズ レベル1 / 国土交通省 北海道開発局
私たちと敬語 新「ことば」シリーズ 国立国語研究所
おばんでございます 桜木紫乃著 / 北海道新聞社の本
【画像】雷鳥、ヨシヒロ / PIXTA(ピクスタ)、Zastolskiy Victor / shutterstock