元は「まんみ」だった!? 道民のキッチンを支える超万能調味料の謎に迫る
家庭料理に欠かせない調味料のひとつ、麺つゆ。皆さんの家庭ではどこのものを使っていますか? スーパーにはさまざまなメーカーのものがずらりと並び、種類が豊かですよね。
実は北海道の家庭では『めんみ』という麺つゆが定番で、麺つゆのことを『めんみ』と呼ぶ人までいるほど! しかしこちら実は北海道エリアのみの限定品なんです。
今回はこの道民御用達調味料である『めんみ』についてご紹介します。
販売しているのはあの有名メーカーなんです
北海道エリア限定販売と聞くと、「北海道のローカルな会社で製造しているのかな?」なんて思うかもしれません。しかし『めんみ』は、お醤油などでお馴染みの「キッコーマン」が販売している商品です。そこで「キッコーマン」のコーポレートコミュニケーション部に販売の経緯を尋ねてみました。
1959年に、しょうゆとみりんを合わせた万能調味料『萬味(まんみ)』を発売、そこにだしを加え1961年に発売したのが『めん類用まんみ』で、1964年に『めんみ』に改称したのだといいます。現在「キッコーマン」では1995年に発売された『本つゆ』を濃縮つゆのメイン商品として販売していますが、北海道エリアについては『めんみ』が定着していたこともあり、現在も北海道エリアのみ販売を続けているそうですよ。
では、全国展開されている調味料との違いは一体どこにあるのでしょうか。
通常の濃縮つゆはかつおや昆布のだしを使用するものが多く、濃縮2~4倍のものが主流です。一方で『めんみ』はかつお、煮干、昆布、さば、ほたてからとった5種のだしが使用されており、濃縮5倍。見た目の色もやや濃く、黒に近いのが特徴です。
「めんみ」はオールマイティーに使えて大活躍!
道民に愛されている秘密は、使い勝手の良さにもあるんです。おそばやそうめんはもちろん、煮物やおでん、卵焼きなどいろいろな料理で活躍します。筆者の家庭でももはやほぼ毎日のように使用しており、スゴイ早さでなくなっていきます……。
特におすすめなのは、煮物。味付けはなんとめんみだけでOK! コトコト煮込んだあとにしっかり冷ましてからいただくと、旨味たっぷりのつゆが染み渡った具材からじゅわ〜っと至福の味わいが広がります。
とりあえず『めんみ』があればなんとかなる……!
忙しい現代人に心強い調味料なのです。北海道で愛され続ける秘密は、ここにあるのかもしれません。
【画像】jazzman、shige hattori / PIXTA(ピクスタ)