極上のドライブコースで、地域の“今”に触れる旅(神恵内村・寿都町)

北海道・積丹半島9つの町村を走る国道229号、276号、5号は、通称“積丹半島ブルーライン”と呼ばれています。特に日本海側を走る国道229号は、空と海が溶け合うような青に包まれる“極上のドライブコース”。

札幌市から出発すると、積丹町には多くの人が立ち止まります。しかし、実はさらにその先に、知られざるスポットが……!

今回は、『大学生スタディツアーin寿都町・神恵内村2025』に、ライター・佐藤が取材者として参加しながら見つけた、神恵内村と寿都町の魅力をお届けします。

オンライン事前学習会

今回参加した『大学生スタディツアーin寿都町・神恵内村2025』は、2町村を訪問し、現地の文化に直接触れながら学べる体験学習プログラム。高レベル放射性廃棄物の“地層処分”をテーマに、地元の自然や文化を体験し、現地の人々との交流を通じて学びを深めることができるツアーです。

“高レベル放射性廃棄物”や“地層処分”と聞いて、「よくわからない、難しそう……」と身構えてしまう人もいるのでは⁉︎ 筆者もその一人でした。ツアーの前に、オンラインで事前学習会が行われ、知識がない人でも安心して参加できるようになっています。参加した学生たちは、訪れる地域や地層処分に対する課題について興味・関心が高まり、ツアーへの参加意欲もぐっと高まっていたようです。

まずは、地域の魅力を知る旅へ

神恵内村

  • 厳島神社

神恵内村(かもえないむら)は、北海道・西部、日本海側に位置する、北海道で2番目に人口が少ない村です。

6柱の神様が祭られている『神恵内厳島神社』は、日本海を見下ろす小高い丘に鎮座する、静かで美しい神社で、ぜひ一度は訪れたい場所。

【スポット情報】
神恵内厳島神社
住所:北海道古宇郡神恵内村大字神恵内村83

  • 日本橋郷土玩具館の館内

旧珊内小中学校の校舎だった『神恵内村日本郷土玩具館 童心館』には、日本全国のレトロなおもちゃなどが、約4,500点も大集結! 懐かしい校舎でおもちゃに囲まれ、童心にかえってタイムスリップできるスポットです。

【スポット情報】
神恵内村日本郷土玩具館 童心館
住所:北海道古宇郡神恵内村大字珊内村256
電話番号:0135-77-6577 
営業時間:10:00~16:00
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)/11月1日~4月末(閉館)
入館料:大人(高校生以上)400円/中人(中学生以上)300円/小人(4歳以上)200円

  • 神恵内道の駅で買ったお土産
  • メロンソフト

ニシン漁に使っていた掛け声「オースコーイ!」が名前の由来になっている道の駅『オスコイ!かもえない』。

おいしいソフトクリームや、神恵内村のご当地キャラクター『どらごん太』のおやつシリーズ(ほたて最中、どら焼き、みそ饅頭など)、神恵内村ご当地グルメ『サクラマスカレー』も購入できます。

【スポット情報】
道の駅 オスコイ!かもえない
住所:北海道古宇郡神恵内村大字赤石村字大森292-1
電話番号:0135-76-5800
営業時間:9:00~17:00
休館日:年末年始(12月31日~1月3日)

どらごん太の街灯
画像:北海道Likers

神恵内村を散策すると、至る所に竜が!

当丸沼(とうまるぬま)に住む竜神様が竜神岬から昇天したという“竜神伝説”が有名なのだそう。さらに、2025年4月にオープンした新スポット『かもえない竜神温泉』にも注目です。

寿都町

弁慶岬
弁慶岬 画像:北海道Likers

寿都町(すっつちょう)は、北海道南西部に位置する港町です。札幌市と函館市のちょうど中間あたりにあり、神恵内村からは車でさらに1時間ほど南へ進んだ場所にあります。

日本海に面しており、夕日の絶景スポットとして知られる『弁慶岬』には、源義経の舎弟・武蔵坊弁慶の石像が立っています。

【スポット情報】
弁慶岬
住所:北海道寿都郡寿都町政泊町弁慶
電話番号:0136-62-2602(寿都町 産業振興課 商工観光係)
※トイレ・休憩所の利用期間は5月~11月頃。冬期間の利用はできません。

  • 鰊御殿昌の屋寿都店

義経伝説や、ニシン漁で栄えた寿都町を象徴する歴史的建造物『鰊御殿』など、寿都町には歴史の息吹を感じられる見どころが多くあります。『そば処鰊御殿 昌の屋 寿都店』は、『橋本家(旧鰊御殿)』の土蔵を改修した、風情ある空間でそばを味わえる、ランチにおすすめのスポットです。

【スポット情報】
そば処鰊御殿 昌の屋 寿都店
住所:北海道寿都郡寿都町字歌棄町有戸14
電話番号:0136-64-5677 
営業時間:【11月~3月】11:00〜15:00(L.O.14:30)【4月~10月】11:00〜16:00(L.O.15:30)
定休日:毎週水曜日

  • 寿都神社
  • レースのお守り

後志最古の神社である『壽都(寿都)神社』は、桜の名所としても知られるパワースポット!

かわいいレースのお守りやユニークなおみくじが人気です。

【スポット情報】
壽都(寿都)神社
住所:北海道寿都郡寿都町字渡島町127-2
電話番号:0136-62-2231

  • 山下水産のお土産

また、老舗水産加工会社の直売所『山下水産』は、寿都町の海の幸が手に入る、忘れずに立ち寄りたいスポット。

【スポット情報】
山下水産 寿都工場・直売店
住所:北海道寿都郡寿都町字大磯町75
電話番号:0136-62-2023

街が向き合う、私たちの未来の課題

風車の写真
画像:北海道Likers

実は、この美しい景色が広がる神恵内村・寿都町は今、私たちの暮らしの未来に関わる大きなテーマと向き合っています。

私たちは普段、当たり前のように電気を使っていますが、その裏側では、ある課題が生まれています。

日常生活で使う電気の一部は原子力発電によるもの。エネルギー資源の乏しい日本では、原子力発電で使い終えた燃料の約95%を再利用する方針です。残りのわずか約5%は、強い放射線を出す『高レベル放射性廃棄物』となり、放射線が弱くなるまでに長い時間かかります。そのため、人や暮らしに影響がないように、安全に隔離する必要があります。

『高レベル放射性廃棄物』を安全に隔離する方法としては、現在、地下300m以深の安定した岩盤に埋設する『地層処分』が最適であると国際的にも認識されており、日本でも2000年に法律で定められました。日本国内で適した場所を選ぶ必要がありますが、その場所はまだ決まっていません。

今回訪れた2町村は、地層処分に適しているかどうかを選定するための第一段階である『文献調査』を受け入れた地域です。

今回のスタディツアーでは、この二つの地域を訪れ、そこでの暮らしの様子や地域の“今”に触れることができました。

大学生と見た、地域のリアル

NUMO寿都交流センター
地層処分の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が運営している寿都交流センターにて
画像:北海道Likers

2泊3日で行われた『大学生スタディツアーin寿都町・神恵内村2025』では、観光名所を巡るだけでなく、2町村が向き合っている“地層処分”についての勉強会も実施されました。さらに、神恵内村長・寿都町長からのお話もあり、学生たちの質問にも丁寧に答えてくれる貴重な機会となりました。

北海道大学での勉強会&視察

  • 北海道大学勉強会の様子

ツアー1日目は北海道大学で勉強会が行われ、原子力などについて研究されている小崎教授による講義が行われました。講義では、地層処分について学ぶ上で大切な“日本のエネルギー事情と原子力政策”について教えていただきました。

  • 視察風景
  • アイソトープ総合センター視察の様子

難解な専門用語や複雑な内容も、先生の巧みな話術とユーモアあふれる語り口によって、講義中は終始、学生たちの表情からは自然と笑顔がこぼれていました。

神恵内村長&寿都町長の講演

  • 神恵内町長の講演を聞く学生たち

2日目には、神恵内村役場、寿都町役場へ向かい、それぞれの文献調査を受け入れた経緯や村長・町長の当時の想いと今の気持ち、交付金の使い道や、「なぜ村長・町長になったのか?」など、学生からの質問にも答えていただきながら、率直な想いを語っていただきました。

村長・町長から直接語られる言葉には、学生たちの心が動きました。

神恵内・髙橋村長のお話を聞いた後、ある学生は「原子力の道に進もうかなぁ」と話していました。髙橋村長の真摯な想いに突き動かされ、“原子力”という言葉だけで何も知らずに拒絶してしまう人を払拭したい気持ちになったのだそう。

寿都・片岡町長をテレビ番組で見て、話を聞いてみたいと思っていた学生は、片岡町長の熱意ある言葉に、「こんな町長のいる町の人が羨ましいと感じた」と話していました。

グループディスカッション

  • グループディスカッション中の様子

3日目の最終日には、グループディスカッションが行われ、2つのグループに分かれて“地層処分の課題はなにか”、“同世代に地層処分を自分事として考えてもらうには”をテーマに、学生たちが意見を出し合い発表しました。

地層処分の課題としては、国民の認知度の低さや偏見、教育の不十分さといった問題の他、自治体として手をあげるリスクや、処分場の選定まで多くの時間を要することなど国としての課題もあがりました。

同世代に地層処分を自分事として考えてもらうためには、今回のようなスタディツアーを増やす、学生に多く知ってもらうために大学教授にまず講義を受けてもらう、原子力のエネルギーで地下処分場型テーマパークをつくって楽しく学んでもらう、YouTuberや有名人とコラボしたツアーを開催しSNSで宣伝をするなど、さまざまな意見が。

最終日のグループディスカッションでは、元々知識があるないに関わらず、学生たちが一体となって、積極的に意見交換が行われ、参加した学生たちからは、「初めて会った同世代の人たちと、同じことについて学べるのは楽しかった」との声があがりました。

旅を終えて

神恵内村・寿都町を初めて訪れ、静かで美しい景色とおいしい海の幸に魅せられただけでなく、自分たちの暮らしにも影響があるエネルギー問題について深く考えさせられる旅となりました。

積丹半島を訪れるのなら、ぜひ神恵内村・寿都町まで足を伸ばしてほしいです。そして、この土地が持つもう一つの顔にも思いを馳せてみてください。

今回参加した『大学生スタディツアーin寿都町・神恵内村2025』は、日本原子力文化財団が開催している体験学習プログラムです。このツアーは、2021年よりスタートして今年で5回目。

今回のツアーで学生たちが学んだ内容のポイントは、リーフレットにまとめられています。

【配布場所予定】
寿都町・神恵内村役場・原子力発電環境整備機構(NUMO)・2町村交流センター・電気事業連合会・全国の大学図書館など

※配布場所は変更となる場合があります。

北海道Likersライターのひとこと

このツアーに参加し、神恵内村長・寿都町長が学生たちにかけた言葉の数々が、心に染み入りました。

文献調査を国からの申し入れで受け入れた神恵内村、一方、町長自らが手をあげた寿都町。きっかけやプロセスなど異なりますが、それぞれのお話には共通した想いがありました。

両者ともに“街を守りたい”という非常に強い想いはもちろん、賛成でも反対でもいいから、きちんと冷静に意見を言える人であってほしいと願うメッセージや、地層処分はやらなければいけないこと、避けては通れないことだからお互いがお互いの立場に立って、“みんなで考えよう”と学生たちに向けたメッセージに、学生たちが感じたように筆者自身も、このような熱意と真摯な姿勢で町民に寄り添い、難しい課題にも「みんなで考えよう」と率直に向き合うトップがいるこの街の人が羨ましいと感じました。

取材・写真・文/佐藤絵理

Sponsored by 日本原子力文化財団

※この記事は取材時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。

 

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