
コスメティックブランド「SHIRO」の工場は、なぜ世界中から人が集まるのか? “みんなの工場”の秘密(砂川市)
コスメティックブランド『SHIRO』の創業の地である、北海道砂川市には、子どもから大人だけでなくペットまで(!)世界中から集まる場所があります。
今回は、『SHIRO』の製品も製造しているという『みんなの工場』をご紹介します。
目次
循環型施設⁉︎人にも環境にも配慮する「みんなの工場」

『みんなの工場』は、コスメティックブランド『SHIRO』の製品を製造する工場に、ショップやカフェ、キッズスペースなどが併設された複合型施設です。
2023年4月28日、創業の地・北海道砂川市に、“世界中から人が集まり、誰もが感動体験を持ち帰る場所”を目指してオープンしました。

この施設の大きな特徴は、人や環境に配慮した“循環型”のものづくりを実践していること。化粧品に使われている『がごめ昆布』や『ラワンぶき』は、食用としては出荷できず、本来なら捨てられてしまうものです。『SHIRO』では、そうした自然素材の力を余すことなく引き出し、活かしきる製品づくりを大切にしています。
その姿勢は、製品づくりだけでなく、工場の建設や運営にも一貫しています。たとえば工場の床材には、節が強くて一般的な建材として使われない木材を活用。自然と共生するものづくりを通して得た利益は、地球や社会へ還元することを目指しています。
また、施設内では、こうした想いや取り組み、ものづくりの裏側を知ることができる『みんなの工場 見学ツアー』も開催中。製造現場の枠を超えた、訪れる人が“知る・感じる・共感する”ことのできる、特別な場所になっています。
いつでもありのままが見える!「開かれた工場」

工場エリアには、研究開発室や素材の前処理室、調合室、充填室、包装室などがあり、全面がガラス張り。『SHIRO』の製造工程を、すべて見ることができます。
“つくる人”と“つかう人”のつながりが感じられる空間です。
限定品も! 全製品が揃うショップ

ショップでは『SHIRO』の製品すべてが購入できるだけでなく、砂川本店でしか買えない『フルーツブーケ』シリーズの販売も。こちらは、地元の果樹園にインスピレーションを受けて作られた香りです。

さらに、ものづくりが体験できる『ブレンダーラボ』では、自分で香りをブレンドし、世界でひとつだけの“マイフレグランス”をつくることができます。
北海道の自然素材を味わえるカフェ

『SHIRO CAFE』では、生産者を訪ね、直接仕入れた自然素材を味わうことができます。札幌市にあるイタリアンレストラン『TAKAO』の高尾僚将シェフが、メニューの監修をしています。
「遊ぶ」と「働く」が共存! キッズスペース

キッズスペースには、「自由な発想で幅を気にせずのびのびと描いてほしい」という、砂川市民の声から生まれた壁一面のチョークボードがあります。使用しているチョークは、近隣の美唄市で文房具・事務用品の製造販売を行う『日本理化学工業』の、破損や傷で販売できなくなったものです。
キッズスペースの目の前には素材処理室があり、天井にあるジャングルネットに登るとおもしろい仕掛けが……!
排気口からジンジャーやホーリーバジルなど、その日に処理をしている素材の香りがするそうです。
みんなが自由に使えるラウンジ

ラウンジエリアには、13mもの大きなテーブルがあります。これには、砂川市にある保養所を改築する際に発生した廃材が使われており、元はベランダだったのだとか。このテーブルは、食事や休憩、勉強など誰もが自由に利用できます。

そのほかラウンジエリアには、階段状のベンチと1,300冊の本や雑誌が並ぶライブラリーがあります。本棚の本は自由に読むことができ、購入することも可能。

施設の入口には、砂川市周辺の観光地やスタッフがオススメするおいしいお店を紹介する『おでかけカード』があります。気になるお店のカードは持ち帰ることができますよ。
また、『みんなの工場』までは、JR砂川駅から無料シャトルバスが運行しています。ぜひ、こちらも活用してください。

詳細情報

みんなの工場
住所:北海道砂川市豊沼町54-1
電話:0125-52-9646
営業時間:10:00 〜19:00(不定休)
工場 : 10:00〜17:30(日・祝日はお休み)
ショップ : 10:00 〜19:00(ブレンダーラボ最終受付 18:30)
カフェ : 11:00 〜19:00(L.O. 18:30)
北海道Likersライターのひとこと
『みんなの工場』という名前には、“子どもも、大人も、働く人も、くつろぐ人も、動物や植物にとっても、みんなの居場所になってほしい”という想いが込められているのだそうです。
実際に訪れてみると、親子三世代の方々や、北海道外・海外から訪れた方、犬を連れている方にも出会い、その願いがしっかりと形になっていることを実感しました。スタッフの方とお話ししても、『SHIRO』が好きで、ここで働くことに誇りを持たれていることが伝わってきます。
そして何より、こうした空間をつくり上げた人たちの想いと努力が、隅々にまで感じられました。『みんなの工場』は、関わったすべての人の想いがぎゅーっと詰まった、あたたかくて豊かな場所です。
取材・撮影・文/佐藤絵理 写真/KeitaSawa ©SHIRO CO., LTD.
※この記事は取材時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。