ばんえい レース

【ばんえい競馬で初めて馬券を買ってみた】3月16日の「ばんえい記念」も気になる!

『ばんえい競馬』は、北海道帯広市の帯広競馬場で行われている地方競馬です。一般的な競馬のイメージとは違い、ばん馬が鉄製のソリと騎手を引っ張って、直線のコースを走ります。

今回は、十勝在住歴は20年以上、イベントで来場したことはあるものの、馬券を買ったことがない“ばんえい競馬初心者ライター”が、実際に場内に足を運び『ばんえい競馬』でのレース観戦を初体験してきました。

現地の熱量や、実際に馬券を買って感じた楽しみ方をレポートしていきます!

ばんえい競馬とは

北海道開拓時代の農耕馬の血統を受け継いでいる約1トンの体重を誇るばん馬。体格が大きいばん馬はサラブレッドと異なり、骨格や筋肉の重厚感にも違いがあります。

このばん馬が重りや鉄製のソリ、さらに騎手を乗せたうえで、2つの障害と呼ばれる坂を乗り越え直線200mのコースを走る、パワーとスピードを競うレースです。

一般的なサラブレッド競馬との違いは、馬の体重が約2倍あることや騎手が馬に乗らずにソリに騎乗すること、引いているソリは獲得賞金や成績、性別などに応じた重りのハンデが設けられていること、コースが直線でありゴールはソリの後端が基準となることなど、独自の細かなルールにあります。

「帯広競馬場」で馬券を買って観戦してみた

(1)まず「パドック」へ!

『帯広競馬場』に到着したら入場ゲートをくぐり、場内へ行きましょう。各レースの発走30分前に『パドック』へ出走馬たちが登場するのです。馬たちはパドック内で円を描いて騎手と一緒に何周か回り、出走口へ向かいます。

これは、ただのお披露目ではなく、馬のコンディションを見るためのものです。馬の調子だけでなく、騎手が馬を扱えているかの“騎手の技術”を確認し、勝敗予想の材料にする場となります。

ばん馬たちを間近でみることができるので、初心者の方はビビッとくる“推し”を探す時間にしてみましょう。筆者はこの日、体が大きく力がみなぎっていそうな『カブトスター』を推すことにしました。

パドックで馬たちの姿を見送った後は、コース中央にある電光掲示板の確認をお忘れなく。特に、掲示板に表示された『水分量』がカギとなります。

その理由は、“コースが砂利でできているから”。乾燥すると、馬の重さで砂利が沈み、脚をとられやすくなるのだとか。だからこそ、パワーのある馬が有利になります。

しかし、雨や雪が降ると話は別。水分を含んだ砂利は締まり、普段より脚運びがスムーズになるため、スピードのある馬が力を発揮しやすくなるそうです。パドックで見た出走馬を思い浮かべながら、どの馬が有利になりそうか予想してみるのも面白いですね。

(2)「ビギナーコーナー」で馬券予想

次は、場内に戻り馬券を買います。

競馬場内の1階中央部分では、馬券が当たった場合の配当金がどれくらいになるかを示す倍率である『オッズ』や、馬やソリの重量を確認することができる液晶モニター、騎手達の成績が確認できる『ジョッキーリーディングコーナー』があり、勝敗予想の材料がたくさんあります。

初心者はそれらの情報をもとに、『ビギナーコーナー』で書き方を確認してから馬券を買うのがおすすめです。

オッズが低倍率の手堅い馬を狙うのか、高倍率のいわゆる“穴馬”を狙うのか。戦略を立てて馬を選んでいる間も楽しいです。

馬券の買い方はさまざまですが、初心者には“単勝”と“複勝”がおすすめです。“単勝”は、馬の番号を指定し、その馬が1着になれば当たり。“複勝”は、指定した馬の番号が3着以内になれば当たりです。

今回筆者は、一目ぼれした『カブトファイター』に“複勝”で賭けてみようと思います。

(3)馬券を購入!

マークシートの記入が終わったら、券売機で馬券を購入します。100円から賭けることができるので、初心者の方も挑戦しやすいですよ。

お金をいれたあとにマークシートを機械に読み込ませます。

すると、券売機の投票券出口から馬券が出てきます。

馬券の購入締切はレース出走時間の2分前までです。締切前は券売機前が混み合いますので、モニターの表示時間を見ながら早めに買っておくと焦らずに済むでしょう。

(4)いざ観戦!

馬券を購入したら、いよいよ観戦です。観戦は、コースに隣接し、ばん馬と騎手を間近で見ることができる『エキサイティングゾーン』で行うのがおすすめ。軽快なファンファーレとともにレーススタートです!

第1障害を越え、ソリを引きずる重い金属音と鞭の音と共に、馬たちが走り出します。第2障害に差し掛かる頃、突然、ばん馬と騎手達の動きが止まりました。

これは馬たちに“息を入れる”という動作です。レースを終始、全力疾走するとばん馬の体力が持ちません。そのため、騎手は馬の様子を見ながら第1障害と第2障害の間で立ち止まり、息を整えます。

動きが止まっていても観客の緊張感はどんどん高まっていきます。最大の山場の第2障害に差し掛かると、観客の声援がさらに真剣になり「がんばれ!」「いけ!」という掛け声が大きくなっていきました。

第2障害を乗り越えるとゴールまでのラストスパートへ。観客のボルテージが高まり、ばん馬と騎手たちと一緒にコースを歩いて応援してきた人たちが一斉にゴールのほうを向いて「いけるだろ!!」「がんばれ!!」「頼む!いけ!」と最後の最後まで声をかけ続けていました。

出走馬が全てゴールしたら、レースは終了。馬券が当たった方は、場内に戻って券売機で払い戻しの操作をしますが、今回の筆者の推し馬『カブトファイター』は4着だったため、払い戻しはありませんでした。

現地観戦のススメ!

今回、私の馬券は外れてしまいましたが、ギリギリの緊張感の中で行われる競り合いや会場の熱い空気感、ゴール間際の一体感にドキドキしながら観戦できたので大満足できました。

今回筆者は100円という少額で挑戦しましたが、気軽に馬券を買えるので初心者にはありがたいです。

『エキサイティングゾーン』で観戦していたので、騎手とばん馬たちの緊張感まで伝わってさらに楽しめました。

ライブ中継で競馬場に行かずとも馬券を買い、レース観戦をすることができますが、やはり現地で観戦して会場の“生の空気感”を味わうのがおすすめですよ。

ばんえい記念がもうすぐ!

来る2025年3月16日(日)は、格式高い『BG1』の中でも最高峰に位置する『第57回ばんえい記念(BG1)』が開催されます。ばんえい最強馬を決定する、開催年度で大一番のレースです。

特徴は、ばんえい重量が最大となる1トンのソリをひくこと。他のレースとは違い、ばんえい競馬のなかで重量が最高値となる条件の中で行われ、馬たちも力を込めて一歩一歩と進むためレース時間が長くなり、見ごたえも迫力も賞金額も変わります。

もちろん、観客の熱量も違います。遠方から観戦に来る方もおり、発走時刻前のスタンドは観客で埋め尽くされるほどになります。スタートは『帯広自衛隊』の第5音楽隊による生演奏のファンファーレから始まり、最後の最後まで馬たちへの声援が止みません。

今回の出走馬の中には、2023年のばんえい記念の覇者『メムロボブサップ』が出場するのも見逃せないポイントです。現地に足を運んで観戦しましょう!

「第57回ばんえい記念(BG1)」詳細情報

開催日時:2025年3月16日(日)第12競走 20:00発走
開催場所:帯広競馬場
住所:北海道帯広市西13条南9丁目
電話番号:0155-34-0825
駐車場:有(400台)
入場料:無料

ライターのひとこと
会場の熱気やレース中のムチ・鉄ソリの金属音・騎手とばん馬の連携・観客の声援。
実際に馬券を買ってその空気感に入って体感するという、初めて味わう楽しさがありました。
ばんえい最高峰のレース『ばんえい記念』で、その楽しさを味わってみませんか。

文/村梶 友陽

【画像・参考】ばんえい十勝
※イベント内容は変更になる場合があります。

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